他人の評価に生きること

子どもたちがよく100点の答案用紙を持って帰ってくる。まあ公立の小学校だから簡単なのかもだけど、ちなみに私は小6の頃にはかなり点数が悪くなっていた。それを思うと、よく頑張ってるなあ、と。でも半面、これはこれで心配だよなあ、とも。人に評価してもらうことばかり考えると、それも心配。


さかなクンは、小学生の頃から魚の絵ばかり描いて、成績はかなり悪かったという。親御さんは「それでいい」と考え、そのままに育ったらしい。大学にも合格できない学力だったらしいけど、結果的に大学の先生にまでなってしまった。他人に評価されることばかり気にしていたらこうはならなかったろう。


私は、水耕栽培で有機質肥料を使う技術(プロバイオポニックス)を開発したけど、開発当初の周囲の反応は実に冷ややかだった。私の開発動機は「まだ誰も成功してないと聞いたから」でしかなかったけど、やってみたらドンドンうまく進むのでのめり込んだ。まあ、楽しかったから研究していた。


今は多くの方に評価してもらえているけども、他人の評価を求めてやっていたら、当初に断念せざるを得なかったろう。そもそもたった一人で未踏の分野に突入することもしなかったかもしれない。他人からの評価を求めるようになると、イノベーティブなことに取り組みにくくなるように思う。


自分が好きだから、楽しいからのめり込む。それがイノベーションを起こすには大切なのだけど、好きなことをぐっとこらえて他人から評価されるようなことばかりすると「優等生」になってしまう。それはそれで一つの生き方だけど、なんかなあ。

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