飛行機を飛ばせなくなった時、観光業はどうなる?

コロナへの恐怖がやわらぎ、外国からの観光客が増えている。当面、こうした観光需要を刺激し、日本経済を支える一助とするのは大賛成。ただし一方で、未来永劫続けられるのか、微妙に思うところも。飛行機がいつまで飛ばせられるのか?その不安があるから。

飛行機のうち、人をたくさん乗せる旅客機は、石油でないと飛ばせない。電気とかでは今のところムリ。バッテリーが重すぎて飛ばないし、バッテリーからの電力ではたくさんの人を運べない。距離も飛べない。今のところ、旅客機をガンガン飛ばせるエネルギーは石油だけ。

食用油から飛行機の燃料を作るSAFが注目されているけれど、全然量が足らない。環境にいいことしてますよ、という部分的なアピールにしかならない。藻で飛行機の燃料を作る研究も古くから進められているが、実用化されたという話がなかなか出てこない。しかもかなりお高い様子。

安く飛行機を飛ばせるのは、石油が安いおかげ。石油が高騰すると、飛行機は飛ばしにくくなるだろう。
石油は昔、採掘のために1kcal費やしたら、その200倍の石油が得られた(EROI=200)。しかしシェールオイルだと10倍を切るように。3倍を切るとエネルギーとして意味をなさなくなる。

エネルギーとしての価値を失うEROI=3にどんどん近づいている。その数字を切ったら、石油をガソリンやジェット燃料を作るエネルギーを賄えなくなる。そんな時代になってもなお、飛行機を飛ばせるか?難しいように思う。

石油は1リットルに8000-9000kcalと高エネルギーを含んでいる。これだけ高密度のエネルギーを蓄えてるエネルギーは他になかなか見つからない。バッテリーは石油の20分の1程度。水素は液化が難しく、コンパクトに運ぶことが困難。石油は超優秀なエネルギー。

石油が採れづらくなったとき、飛行機を今のように安価に飛ばせるのか?飛行機が飛ばなくなったら、観光客は日本に来てくれるのか?太陽電池のエネルギーで無理矢理にでも石油を採掘し、ジェット燃料を作るしかないのか?そのとき、コストはどのくらい跳ね上がる?などなど、気になることばかり。

飛行機をろくに飛ばせなくなった時代の観光業のあり方というのも、そろそろ頭の体操しておいた方がよいかもしれない。気軽に海外に足を運べるのは、いつまで続くのか。いろんなことを考えて、この国が飢えずに済むような方策を考えたい。

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