女の子にモテる方法

高校生の進路相談に乗った。進路について話が尽きた頃、モジモジしてるので「何?」と聞いてみたら、「ぼく、モテないんです。どうしたらモテるでしょうか」と質問を受けた。齢四十で結婚した晩婚の私が果たして有効なアドバイスができるか怪しいものだが、次のように答えた。「相手の話を訊くこと」。

独身時代に全然モテなかった男性が、結婚後に不思議と、モテるとまでは言わないまでも、女性とうまくつきあえるようになったりすることがある。そうした事例を観察してると、どうも結婚生活の中で、いかに女性の話に耳を傾けるかが大切だと思い知り、ともかく話を聞く姿勢ができるためであるらしい。

ただし、漫然と話を聞くだけではダメ。興味なさそうに話を聴かれたら、話す気が失せてしまう。もう一つ大切なのが「驚き、面白がる」こと。相手の話すことに驚き、面白がる。そして「それってどういうこと?」と興味を持って「訊く」。すると相手は、自分の話に興味持ってくれて嬉しいから話しやすい。

驚き、面白がることができない、という人がいる。すでに知ってることだったり、興味のない分野じゃ訊く気が起きないし、驚けない、と。私は驚くポイントを工夫している。相手が話そうとする、その自発性が発生した「奇跡」に驚く。よく話してくれる気になってくれたなあ、と。

「訊く」としたのは、ただ耳を傾けるだけの「聞く」ではなく、問いかけることが大切だから。「それ、よく知らないんだけど、どういうこと?」「それってこういうこと?」「聞いててこんなの思い出したんだけど、何か関係あるのかな?」などと、「訊く」ことで相手の発話を促す。

そして、相手がこちらの問いかけに応じてくれた奇跡に驚き、面白がる。すると、相手もどんどん話しやすくなる。面白がってくれるから話題がどんどん引きずり出されてくる。話が弾む。自分の話を訊いてくれる人に、人間は心を開きやすい。話すことに否定的な反応がないならなおさら。

男性は「すごい」と言われて育つことが多い。高いパフォーマンスを発揮したということでほめられて育つ。漫画やアニメでも大活躍することで女の子のハートを射止めるというストーリーが多い。このため、自分のスゴさを伝えればモテるのではないかという勘違い装置が出来上がり、自慢話をしてしまう。

女性は話を聞く訓練ができているから調子を合わせて「へえ、すごいですね」と口では合わせてくれる。しかし心は離れていく。自分の自慢話ばかりして、こちらの話を聞こうとしない態度を見て。こちらを理解しようとしない言動に呆れて。

だから、モテたいのなら話を「訊く」こと。そして「驚き、面白がる」こと。そうして相手を深く知ろうとする。「そうか、あなたはこういう人なのか」という発見を喜ぶ。すると、モテる確率は高くなる。

イギリスかフランスかどっちか忘れたけど、社交界でモテにモテた貴族がいた。そう聞けばさぞや男前なんじゃないかと思うが、風采は全く上がらない、むしろ不細工な方だったという。しかし社交界の女性にモテまくった。その秘訣が「訊く」そして「驚き、面白がる」であったらしい。

自分の意中の人のハートを射止められるとは限らない。しかし「訊く」と「驚き、面白がる」は、女性とどう接したらよいのか分からない男性でも、好感を持たれる大きな要素になるように思う。私も若い頃にこれに気づいていたら、違う人生だったかもしれない。
でもYouMeさんに出会えたからまあ、いいか。

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