小中学校の全国大会はないほうがよいのでは?という二つの理由
為末氏が、小中学校の間は全国大会はない方がよい、としている。それには2つほど理由を上げておられる。
①勝てる人間だけスポーツ好きになり、その他は嫌いに師てしまう傾向。
②体ができてないときの「勝てるテク」は大人になると通じず、かえって大成しない。
少年野球を例に上げておられたけど、少年野球はグラウンドの整備が甘いところが多く、地面に叩きつけるように打てばイレギュラーが多く、セーフになる確率が高いものだから指導者もそう指導しがち。だけどそのやり方に最適化すると、高校以上のきれいに整備されたグラウンドでは通じないという。
また、為末氏と同世代で速い子はいくらでもいたけれど、自分以外はいなくなってしまったという。子供の頃に全国大会で優勝しても、その後伸びるとは限らない。体が大人に近くなってからのテクは、子どもの頃に磨いたテクとは全く違い、通じなくなるからだという。
ならば、小中学校の、まだ体ができていない時代に日本一になろうとすることは、むしろ弊害が大きいのでは?と考えるようになったという。それよりは、小学校の間はせいぜい地域の中で試合を重ね、中学生は県大会くらいにしておいた方がよいのでは?という。
ともかく子どもたちが体を動かし、運動することが大好きな人口を増やすこと。そうして裾野を広くすることで才能を発揮する子の絶対数も増やした方が、底上げになるばかりでなく、トップ選手の数も増えるのでは、と考えておられる様子。
私も、為末氏の意見に賛成。変に全国大会で勝つため、ということで、指導者が小学生にしか通じないテクに最適化させてしまう指導を行うのは、弊害が大きいように思う。それよりは高校以上になったら大成しそうな指導方法が当然になるような指導者が増えるような「構造」を用意した方がよいのでは。