面白きこともなき宿題を面白く
漢字の書き取りが苦手な娘(小3)。と言っても漢字が苦手なわけではなく、読める書ける。本をたくさん読んでるし、お兄ちゃん(小6)が部首カードを自作して組み合わせ、そんな漢字があるか漢和辞典で調べるゲームを編み出したのを見て、部首の特徴に着目するクセがついているのかもしれない。
というわけで、「漢字を覚える」という意味で言うなら、娘の場合、漢字の書き取りの宿題はあまり意味がない。それがわかるからか、非常につまらない様子。つまらないならやっつけ仕事でさっさと済ませればよさそうなのだが、きれいな字を書くことに情熱を注ぐ娘、1字たりともゆるがせに書けない。
このため、1文字書くのに5分かかったりする。上手く書けていないと思ったら消しゴムで消し、を繰り返し、納得いくまで書き直す。そんなことをやっていると1ページに2時間以上かかってしまう。当然そんなに長時間集中力が書き取りだけで続けられるはずもなく、途中で飽きてしまう。
消しゴムで消しては書き直すこと数回に渡ることを考えると、他の子の5倍は書き取りしてるわけで。1ページ仕上げる頃にはヘトヘト。で、漢字の書き取りは怠りがち。
一学期の面談には私も同行。担任の先生からは「漢字、キライなんかな」というコメント。私は「いや、実は漢字大好きなんです」。
「好きすぎておろそかにできず、一つの字を5分も10分もかけて書くものだから、途中で疲れ切ってしまうんです」というと、先生も思い当たるらしく、「そういえば、漢字のテストはほぼ満点なんですよね。全部覚えている」。
「汚くても書き直さずに次の字を書くということができたらいいのですが」
そこで先生にお願いし、ボールペンでの書き取りを許してもらえないか、相談してみた。ボールペンなら消しゴムで消さないから、難度も書き直すことができない。先生も快諾してくださり、しばらく上手くいったのだけど、根本的に「覚えてる字を何度も書き写すのは楽しくない」という問題が。
楽しくないから気が重く、なかなか漢字の書き取りをしようという気が起きないらしい。
そこで娘に提案。「ジャンケンで勝負しよう」。階段を上っていくのに、グーで勝ったら「グリコ」と3段、チョキ、パーで勝ったら「ちよこれいと」「ぱいなつぷる」と6段駆け上がる、あれ。
それを漢字の書き取りでやってみることにした。そしたらかなりはかどる。私も書き取りに付き合うハメにはなるけれど、「お父さんには負けたくない」という情熱が湧くからか、私のジャンケンのクセを分析し、必死に勝とうとし、得意げに漢字を書き進む。
今のところこれで上手くいってるけど、そのうちこのゲームも飽きるだろう。その時はまた新しい楽しみ方を探すつもり。何事も楽しまなくちゃね。
それにしても、書けるのに書かなきゃいけないというノルマは、学習を苦行にする一因だなあ。学ぶことは楽しくないと。どうしたもんかねえ。
宿題って、学ぶことを楽しくなくさせる効果が結構強い。その割に、多くの子にとってやっつけ仕事だから頭に入らない。習得に役に立たない宿題というのは、存在意義を少し考え直したほうがよい気がする。なんか、楽しく取り組める宿題のデザイン乎考えた方がよさそう。