![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/80589901/rectangle_large_type_2_53e4419c30862b3b153db52429610ae6.jpeg?width=1200)
羨望のU47 その2
Neumannの真空管マイクU47の音が欲しいけどヴィンテージは高騰して車買える値段だし、そもそも球数ないし、かといって現行クローンは微妙すぎるというのが前回の内容でした。そのつづき。
海外のU47自作例
前述のメタル真空管VF14を除けば、現在でもカプセルはK47とM7のオリジナルに近いリイシューが手に入りますし、トランスも精度の高いAMIのBV8クローンが入手可能です。
![](https://assets.st-note.com/img/1655100733358-XzJSWpSi41.jpg?width=1200)
回路図を見ると分かる通り、U47は非常にシンプルな構成のマイクです。三極管接続したVF14のカソード接地をそのままカプセルと出力トランスに繋いだだけのもの。素子の数はカプセルとトランスを除くとたったの11個。回路としては難しい部分はありませんが、そのシンプルさ故に各コンポーネントの特性がそのまま音に出るとも解釈できます。
となるとやはり心臓部の真空管を何にするかということが課題です。
いずれにしろVF14が入手不可にほぼ近いということで、オリジナルU47の音質を手に入れるというのは現実問題難しいですが、それでも何とかしてU47の音を得ようとマイク自作する人も世界中に沢山います。
これはNOS部品などを使って外観含めて限りなくオリジナルに近いU47を製作している所。球はNOSのオリジナルVF14を使用。
VF14の代わりに特性の近いNOSのTelefunkenEF13で代替してU47を再現。カプセルやトランスは毛色の違うものを使っていますが、パワーサプライもレギュレータを使って安定化電源で自作しているのが特徴です。(ページの解説はボスニア語??)
ヴィンテージマイクの解析からオリジナルマイクトランスの再生産、OEMを手掛けるメーカー。ヴィンテージメタル管が搭載できるU47ロングボディのキットあり。後述のD-EF47 U47クローンはここのトランス(BV8R)を使っている。
日本人でも解説している人がいます。(自作の真空管機材をよく出品している人)ここでも球の代替候補としてEF13が挙がっています。
D-EF47 (Vintage Microphone Kit)
AMIのOliver Archutが再設計したU47の回路を元にキット化されているDIY向けのPCBキット。PSUの基板も付属していて、パーツも指定品を使うことで再現性の高い性能が出るようになっています。真空管はガラス五極管のEF80もしくはEF800が標準での指定品。D7というM7のクローンカプセルも用意されています。
実際にDIYできるのか
とまあこんな感じで、U47はシンプルなマイクがゆえに海外では活発にDIYされているマイクのひとつでもあるんですね。
ほかの海外DIYキットだと、Mic and modのU47キットは真空管をU67にも使われたEF806sで代用しているみたいです。低電圧で使うと特性的には結構VF14とは違うのでU47かと言われると微妙なところですが、現行で手に入る五極管としては悪くないとは思います。海外のレビューも見る限り、音の評判はそこそこ良いみたいです。
キットの価格は799ユーロと、フルキットですが現在の為替レートを配慮しなくてもかなりお高めの設定。金額は割高な気がしますが、パワーサプライやケーブルを自作する手間を考えるとMaMのキットも悪くない気がします。(MaMのキットはパワーサプライだけは完成品で付いてくるので)
ほかの選択肢としてはヴィンテージEF管のEF13かEF12あたりを海外から入手して、別途AMIでトランスとカプセル、ボディを買って組み込む…などもあると思います。キットでないと大変な部分はありますがコストは最小限で済みます。パワーサプライや7pinケーブルは自分で作らなきゃいけないですけどね。
実装部品はなんとかなるとして、まずはメインで使う真空管を選定しつつボディやカプセルの入手からなんとかしようと思います。(もう半分作る気でいる)
果たしてU47(の音は)手に入るのか!?
(つづく)