混乱は分断を必ずしも生むわけではない
これは fintalk Advent Calendar 2020 25日目最後のポストです。
2016年、衝撃的な2つの政治事件が起きた。
まず、6月に英国で欧州離脱国民投票が行われ、51.89%の離脱支持でBrexitが決定した。
そして、11月のアメリカ大統領選でドナルド・トランプが306人の選挙人を獲得し勝利した。
2つの事件は、発生前から世の中に大混乱を巻き起こし、発生後は更に大混乱を巻き起こした。世界はこの4年間、ただただ混乱していたように思う。
そして、その混乱が分断を生んでいるように感じている。
混乱は必ずしも悪い状況ばかりではない。混乱した状態から、みんなの考えをすり合わせて解決のいとぐちを見つけだすことはできる。
なのに、この4年間の混乱は分断を生み出しやすかったように感じる。
なぜか?
それは、「二項対立」という構図で理解したほうが楽だからではないだろうか。
大量の情報の中から答えを見つけるのは、とんでもなく労力がかかる。だから今の自分に一番しっくりくるものをピックアップし、それで納得してしまい、それだけ見てれば問題なしとなり、それ以外の情報をシャットアウトする。
それにラベルをつけて、それ以外のことはアンチとみなす。
「トランプ支持 vs トランプ不支持」「白人 vs 非白人」「同性愛支持者 vs 非同性愛支持者」
なんだっていい。こうすると、大多数の人にとってはこれでスッキリ理解できる。そしてこれ以上悩む必要がなくなる。
しかもこのたぐいの選択は、個人が好むと好まざると関係なく、どっちかにしろ、と迫られることが多い。曖昧な答えは許されず、どっちかのポジションを取れと迫られる。
民主主義国家では、支持者が多いほうが「正解」だからだ。たとえ正しいことを言っていても、少数派意見は無価値だ。
だから自分の意見が多数になるよう必死になる。自分と異なる意見を言う人があれば、相手が言っていることを一切聞かず攻撃する。ただただ自分の考えをぶつける。自分たちの意見こそ白。お前らは真っ黒。だから我々の正しい意見で「漂白」してやる。
こうやってあたかも二つしか答えがないかのような世界を作り上げていったような4年間だった、と振り返っている。疲れたよ。見てただけだけど。
***
でも、混乱の中から意見のすり合わせを必死でやっている人たちもちゃんといる。例えば、 Hard Brexit だけはなんとか食い止めようと頑張ってるEUとイギリスの担当者。お互いに抱える様々な問題をなんとか妥協策で乗り越えようと、おそらくこの四年間ほとんど寝ずに働いているだろうな。
近いところでいえば、夜の街歌舞伎町が叩かれまくっていた時、新宿区長とホストクラブの経営者陣での対策ミーティング。都知事が、夜の街がヤバイ、夜の街がクラスターだ、速攻店しめろ、と連呼している間、新宿区長と歌舞伎町はしっかりと話し合いをしていた。(ちなみに新宿区庁舎は歌舞伎町にあります)
どこかにお互いの妥協点があるはずだと、諦めずに解決策を話し合うことをできる人たちがまだまだいる。わたしもこっち側の人間になりたい。
と、ま。めんどくさいポエムだしてすんませんでした。
2021年もよろしくお願いします。
最後に、東京都しんせいたろうさんからのリクエスト。 Mr. Children で北京五輪のテーマソングでもありました「Gift」をお送りして今年を締めたいと思います。では良いお年を。ハッピー・クリスマス。
「白か黒で答えろ」という 難題を突き付けられ
ぶち当たった壁の前で 僕らはまた迷っている 迷ってるけど
白と黒のその間に 無限の色が広がってる
君に似合う色探して やさしい名前を付けたなら
ほら一番きれいな色 今君に贈るよ
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