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退去交渉のエキスパートが語るー不動産業界の未来と底地買取事業の可能性

新生都市開発株式会社 代表取締役の永尾です。私は18歳の頃から不動産業界に身を置き、23年にわたってその移り変わりを見てきました。そこで今回は、業界ならびに底地買取事業の将来性と、当社の目指す方向性についてお話しします。



衰退か成長か、人口減少時代の不動産業界の未来

少子高齢化や人口減少の問題から、「不動産業は今後衰退していくのでは?」と考える方は多いのではないでしょうか。しかし、国土交通省の「不動産業ビジョン2030」によると、次の10年も不動産業はまだまだ成長が見込め、発展が期待されているようです。なお、業界に身を置く私自身も、同じように実感しています。

このように断言できる要因はさまざまありますが、当社が手がけている底地買取事業に関する部分でいえば、既存の不動産の老朽化が挙げられます。

例えば、全国的に見ると築40年超のマンションは2017年時点で73万戸あり、2027年には185万戸、2037年には352万戸となる見込みです。(※1)驚くべきことに、わずか20年の間に、老朽化したマンションが4.8倍に急増することが予想されています。

さらに、オフィスビルに目を向けると、大阪市内の既存物件全体の平均築年数は31.9年。今後は建て替えのニーズが高まることが予想されています。(※2)

これらの老朽化物件のなかには、借地権付きの土地、いわゆる底地が含まれています。こういった権利関係が複雑な不動産は、取り壊そうにも建て替えようにも、一筋縄ではいきません。そこで必要とされているのが、私たちが行っている底地買取と退去交渉なのです。

※1 「不動産業ビジョン2030 参考資料
※2 ザイマックス不動産総合研究所 「オフィスピラミッド2019」


底地買取事業の専門性と避けられない課題

創業以来、新生都市開発では収益が見込めない底地などに特化して、事業を行ってきました。最近は地価が上昇し、更地購入のハードルが高まっているせいなのか、戸建事業を行っている不動産会社が、底地買取を行うケースが目立ってきています。

ですが、正直に申し上げると、退去交渉を含む事業は、決して片手間でできるものではないと私は考えています。対人の交渉ごとは、状況によってどう展開するか見通しが立ちづらく、一般的なノウハウだけでは対処しきれない場面が多く出てくるからです。

さらに、昔とは違い、ネットには退去交渉に関する情報が増えてきました。専門的に事業を行ってきた私たちでさえも、交渉相手である賃借人から、より一層シビアに見られるようになったと感じる場面が増えています。そのため、これまで以上に注意を払い、交渉を進める必要性を痛感しています。

このような背景もあってか、ここ数年は「底地を購入したから売却までサポートして欲しい」と、不動産会社からのコンサル依頼が急増しています。

全国に底地といわれる不動産は数えきれないほどありますが、専門業者は業界全体の数%にも満たないと思われます。私は20年以上にわたって底地買取事業に携わっていますが、こんなにもニッチな事業に特化し、長期的に取り組んでいる事業者は、ほかではあまり聞きません。

その大きな理由の一つとして、退去交渉が失敗した場合に、望む結果が得られないリスクをはらんでいることが挙げられます。不動産を購入するには大きな元手が必要になりますが、残念ながら、リスクを恐れて融資してくれる金融機関は少ないのが現状です。それゆえ、事業者には資金力が求められています。ハイリスクかつ自己資金が必要とされる事業を、主軸にしようとする企業が圧倒的に少ないのは、当然のことでしょう。


AIに真似できない交渉術で、全国の底地トラブルを解決に導く

デメリットが多く感じられる事業を、なぜ私はずっと続けられてきたのだろうか。改めて考えてみると、「退去交渉というセンシティブな仕事を、極めたいと思うほどに好きだから」という一点に尽きます。

どうすれば賃借人にスムーズに納得してもらえるのか、互いにとって円満なゴールに導けるのか。毎回試行錯誤を繰り返している過程で、「新生都市開発さんにお任せします」と相手と心を通わせる瞬間が、私のやりがいにつながっています。

当社には数多くの交渉実績があり、他社には負けないノウハウもあります。昨今は不動業界でもDX化が進められていますが、百戦錬磨の場数をくぐり抜けてきた私たちの仕事は、決してAIには真似できないでしょう。

前述した通り、底地は全国各地に存在しています。私たちのような専門業者が、その土地その土地にあるかはわかりません。所有不動産の複雑な権利関係に悩む地主さん・士業の方・不動産会社さんがいらっしゃいましたら、ぜひ経験豊富な私たちにご相談ください。新生都市開発はこれまでのノウハウを総動員し、望むゴールに辿り着けるよう、サポートさせていただきます。



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