Paris2024 オリンピック・パラリンピック
2021年に1年遅れで開催された東京2020オリンピック・パラリンピック。早いことにあれから2年が経ちましたが、来年がパリオリンピックの年だと実感している人は世界にどれだけいるでしょうか。
2月頃から始めた大学院修了後の仕事探しが6月に一段落しました。ありがたいことに、大型スポーツイベントの技術コンサルやオペレーション支援を行うPMY. Groupと雇用契約を結ぶことができ、卒業前ではありますがこの7月から働きはじめます。
業務としては、Paris2024オリンピック・パラリンピック組織委員会での専任業務となり、組織委員会とも契約を結んでPMYから派遣される形で組織委員会で働くチャンスを得ることが出来ました。(※PMYがどんな企業かについては文末に記載しています)
もともと大学院(AISTS)でスポーツマネジメントを学んだあとは、国際スポーツイベントに携わる仕事を希望していたので、開催1年前を迎えるタイミングで働けることが嬉しいです。仕事探しはなかなか苦労し、ほんの一端ではありますが仕事を得る競争の厳しさを感じました。時間をかけて準備した書類が選考を通らず面接にすら進むことが出来ない。そういったことはざらにあり、また別のnoteにまとめる予定ですが、まずは希望する方向に行けることになりほっとしました。口だけにならなくて良かったなって。
Paris2024で何をするのか
組織委員会のTechnology部門所属となり、Venue Technology Deputy Managerとして52個ある会場のひとつ、IBC(国際放送センター)を担当する予定です。
IBCでは世界各国テレビ局の特設スタジオが置かれたり、競技会場から送られた映像信号をもとに大会公式映像が制作され、各国の放送事業者への分配が行われます。
求められることとしては、技術的な深い知識というよりはプロジェクトマネジメントの要素と聞いています。NECで学んだことを多少は活かせそうではあるものの、基礎的な技術に関わる知識が最低限必要なため、シスコのネットワークについてなどを現在学習中です。
オファーを得るまでのプロセス
AISTSが始まった昨年9月から希望する進路の方向性は決まっていたため、12月頃から徐々にパリ2024組織委員会やFIFA, UEFAで各種トーナメントに携わる卒業生に話を聞いたり(対面/オンライン)、組織内での仕事やポジションを得るまでのプロセスを伺うなどし自分の理解を深める取り組みをしました。
LinkedInを通じてのやり取りが多く、早い段階でプロフィールをメンテナンスしたことが後々役立ちました。11月にAISTS卒業生の一人が、私がNECで海外放送事業を担当していたことに興味を持ってくださり、パリでお会いすることになりました。IBCを担当されているスペイン人のマネージャーもお話を聞かせてくれ、Paris2024における採用プロセスや具体的に求められることなどを知りました。
採用ルートは大きく2つ存在し、正規のリクルーティングサイトとパートナー会社経由でのリファラル採用(私のケースはこちら)の両方から応募し、何回か面談をオンラインで実施し、条件の確認とオファーレターへと段階を踏んで進んでいきました。
どうしても承認手続きや書類の作成などには時間が必要で、この3月から5月は連絡が待ち遠しい日々が続いて寝不足になったり、授業に集中できない日が続きました。5月に契約書にサインをし、6月に労働許可の取得、7月に長期滞在ビザの申請と承認を得て、正式に働けることが決まりました。
労働許可やビザの手続きは会社経由で専門のエージェント会社が面倒を見てくださり、住居も会社から提供してもらえることとなっています。私のようなEUパスポートを持たない人間の採用が、本当に多くの人の協力や仕事のおかげで成り立つことを実感しました。またこのありがたみを忘れてはならない、期待に応えたいと考えさせられました。
仕事を始めるにあたって
新卒でNECに入ったときは「将来スポーツの仕事をするために海外事業を経験することが役に立つ」という考えがあり、放送事業で中南米を担当していました。あれから10年が経ち、NECを離れてサッカークラブを経由しましたがそれぞれでの経験を買ってもらえて五輪で働く機会を得られるとは当時は想像できませんでした。今やっている経験がこの先どう活きるかなんて本当に分からないし、一見つながりのないことでも自分の身になるように一生懸命取り組むことが大切なんだと気付かされました。
PMYはオーストラリアの企業です。オーストラリアでは2027年のラグビーW杯、2032年のブリスベンオリンピックなど世界イベントが決まっています。パリ2024大会後に何の仕事をやれるかはまったく分からないし保証もない。また仕事を見つけなければなりません。その心配も少しはありますが、メジャーイベントで専門性を築いていくことはそういうことだし、この一年を全力でやりきることで自然とその先が広がる可能性もあります。まずはパリ2024での一日一日を大切に頑張りたいです。
チャンスを得られたのは、様々な周りの人のおけげと運の重なりがあったからこそなので、感謝を忘れずに新しい生活を楽しんでいこうと思います。