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第3回『双極性障害(躁うつ病)とつきあうために』を読む【ワンコイン・ライブラリ】

本サマリーは、日本うつ病学会双極性障害委員会の『双極性障害(躁うつ病)とつきあうために』(ver.9 2019年7月5日)について解説したもので、枠線内グレー部分はテキストを引用しています。
制作
窓師(薬剤師、双極性障害、ADHD)、布団ちゃん(公認心理師、社会福祉士)
ネット心理教育研究会

第2章.双極性障害の症状を知ろう(つづき)

前回はうつ状態について説明しました。今回は躁状態と混合状態について説明します。
双極性障害とADHDとの関係については無料で読める部分なので、是非お読みください。

1.躁や軽躁はどのような症状なんだろう

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目標志向性や観念奔逸(かんねんほんいつ)とはどういう症状のことでしょう。
目標志向性というのは、自分が目指すものだけを見て、暴走してしまう症状で、良い点もあるのですが、悪い方向で暴走することもあります。
また、観念奔逸とは、考えがどんどん湧いてきて、収拾がつかなくなってしまうことです。アイデアは浮かびますが、考えにまとまりがなくなるので、結果として効率が悪いです。

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2.双極性障害とADHDの重なりについて

双極性障害とADHDの両方に掛かっている割合は高く、研究によっても割合は違いますが、9.5~21.2%に合併があるといいます。

その理由には諸説ありますが、症状が似ているからという理由もあります。

ADHDの多動や衝動性は双極性障害の躁・軽躁状態での症状との重なりがあり、実際の医療の現場でも、両方の病気なのか、双極性障害だけなのか、ADHDだけなのかの判断は難しいといわれています。
双極性障害をもつ方がADHDかどうかの診断を受ける場合には、フラットのときに診断を受けることが必要です。また、ADHDの方が双極性障害であるかの診断を受ける際には、薬の影響についても注意が必要です。ADHDの治療薬である中枢神経刺激薬(コンサータなど)を飲んでいる場合、薬の影響で気分が上がりすぎているのではないかを見極める必要があります。
双極性障害とADHDでは、注意がそれてしまう、考えがポンポン浮かび収拾がつかなくなって集中できない、動きたくてじっとしていられないなどの症状が類似していますが、ADHDは「気分」の症状ではなく、元々の「性質」であるため、幼少期から注意欠如や多動が続きます。
双極性障害の場合、躁や軽躁の症状がない場合は注意欠如や多動は見られません。うつ状態やフラットになったら、考えがポンポン浮かんだりはしなくなるということです。

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