心理教育とは何か?
制作:布団ちゃん
双極性障害と心理教育の関連
双極性障害の治療の困難さの原因の一つとして、患者さんがくすりを飲むのを勝手にやめてしまったり、病院に通うのを勝手にやめてしまうことが挙げられます。
どうして勝手にやめてしまうのでしょうか。
それは、双極性障害という病気についての知識が不足していたり、双極性障害とどのようにつきあっていくかが分かっていなかったりするからだといわれています。
躁やうつの状態から抜け出したフラットのときに「治った!」と思う気持ちや、軽躁の爽快な気分のときに「治った!」と思う気持ち、経験した方も多いのではないでしょうか。
そんなふうに「治った!」と思ったときに、服薬や通院をやめてしまうことが多いのだと思います。
リスクばかり伝えるのはダメ‥?
双極性障害の患者さんに
「薬を毎日、一生飲まないと、大変なことになりますよ!」
「病院に通わないと、また辛い思いをしますよ!」
などのように、ただ危険性を伝えるだけの言葉がけをされたら、どう感じるでしょうか?
それでは、ただ不安を煽るだけですね。
心理教育においては重要なのは、心理的サポートをしつつ、治療に関わる情報を伝え、病気について正しく理解してもらうことです。
心理教育とは
心理教育とは、正しい知識や情報を、心理的サポートをしながら伝えることです。
その目的は、病気や障害の結果もたらされる問題などの対処法を習得してもらうことです。
それにより、患者さんが主体的に治療に関わることを目指します。
布団ちゃんの参考文献リスト
1)加藤忠史. 双極性障害 病態の理解から治療戦略まで. 186(医学書院, 2019)
2)大島巌・福井里江編. 心理社会的介入プログラム実施・普及ガイドラインに基づく心理教育の立ち上げ方・進め方ツールキットⅡ研修テキスト編. 伊藤順一郎(監修), 地域精神保健福祉機構・コンボ, (2018)
3)浦田重治郎・池淵恵美・大島巌. 心理教育を中心とした心理社会的援助プログラムガイドライン厚生労働省精神 神経疾患委託研究費. 統合失調症の治療およびリハビリテーションのガイドライン作成とその実証的研究 (主任研究者 : 浦田重治郎) 心理社会的介入共同研究班, (2004)