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B2B営業スタンダード 序章:必要なスキル編

先日Twitterで、Amazon japanのセールスチーム向け勉強会をしたときの話を投稿をしたところ1000件弱の「いいね」をいただいた。

要素分解した各項目の伸ばし方を書こうと思ったが、B2B営業に必要な要素は個別の商談を受注する事だけではないので、自分の考えの整理も兼ねて、どんな要素が必要で、それぞれどのように伸ばすといいかを複数回に分けて書いてみようと思う。

この整理は現時点の私の理解をもとに書いているので、MECEではないと思うし違う意見もあると思うけど、営業の現場にいる人にはお役に立てるポイントがあると思うので、是非目を通してみて欲しい。

営業手法には答えがなく、その人の得意な事や、顧客、商材、社会情勢などにより、その場での最善な手法は変わってくる。その中でも共通する原理原則のようなものを今までの経験から抜き出してみようと思う。

私はB2B営業一筋15年で、キーエンス、SAP、OPENTEXT、freeeの4社で大企業、スタートアップ、中小企業と様々な規模、業種の企業を担当し、プロダクトもSaaS、オンプレミスのソフトウェア、有形商材と幅広く担当してきたので、その経験をもとにそれぞれのビジネスにおける違いや共通要素を抜き出してみようと思う。また、私自身はまだまだ未熟だが、営業が強いと言われる会社で、上司、先輩、後輩には日本トップクラスのスーパ営業マンに恵まれてきたので、周囲から学んできたことも書いてみる。

🔸B2B営業に必要な事を体系的に考えてみる

営業として成果を出すためには、まずはどんな要素が必要か整理し、何が得意か何が課題かを把握して伸ばす項目を整理する。

整理しなくても成果出る人は出るし成長はするが、それは地図を見ずに目的地を目指して辿りつく事に近い。
勘、センスが優れている人やラッキーな人は目的地に辿りつくが、大半は辿りつかず、間違った方角に進み始めると大きなずれが発生する。軌道修正するのには時間がかかるので、出来るだけ早いタイミングで整理する事をおすすめする。

下記は私が考える要素をざっくり整理した図になる。更に細かくすることもできるが、キリが無いので今回はこの粒度で考えてみたいと思う。

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🔸Will(やる気)とSkill

成果を出すためにはやる気とスキルの両立が必要である。
いくらスキルがあってもやる気がなければ成果は出ないし、やる気だけあっても安定した成果を出し続けることは難しい。

やる気を出すには外発的な要因と内発的な要因がある。外発的な要因は例えば周りからの評価などであり、外から与えられる影響でやる気が左右する。内発的な要因は自分の中から出てくるもので、例えば仕事のやりがい、社会的意義、目指す姿との一致など自分の中から出てくるやる気である。

やる気とスキルは車の両輪のようなものなので、どちらが重要かと言われると難しいが、営業として短期的に数字をあげる事に対してはやる気やそこから生まれる覚悟の方が影響が大きいと思う。

負のスパイラル

このやる気は上の図のように一度下がると悪循環に陥って抜け出すのが難しい。私もこの悪循環に陥ったことがあるので、いかに内発的なモチベーション要因を自分でコントロールできるかが大切である。

正のスパイラル

この内発的なモチベーションを自分でコントロールするためには、長期的な目標設定などが重要なので、こちらは次回以降のnoteで書く。

🔸Skillの構成要素

スキルを構成する要素は多岐にわたり、各要素の重要度はビジネスモデルによっても変わってくる。以前は受注するためのスキルの重要性が高かったが、近年SaaSのようなサブスクのビジネスが増え、導入の難易度が下がった反面スイッチングコストも下がっており、期待値コントロールや正確な情報を伝える事で受注後に認識の齟齬をうまないためのスキルの重要度が増している。

営業活動のファネルは会社によって違うが、大きく分類すると「アポイントを取る」→「提案する」→「受注する」→「使いこなしてもらう」→「リピート or リファーラル」という流れが多いかと思う。

この各ファネルの率を上げるための要素として、分析力、仮説力、論理構成力、交渉力、コミュニケーション力、プロダクトやソリューションの理解、顧客理解などがある。

一人前になっていない営業が最初に身につけるべきことは何か?
これは人によって考えが違い、異論があると思うが、私の考えは「プロダクトやソリューションの理解」、「顧客理解」である。

トークの組み立てや交渉力は相手に正しくメッセージを伝えるために重要だが、もっと重要なのはメッセージの中身である。
お客さんの期待は提案してくれる内容が自分たちに取って本当に有用なものなのか、正確な情報である。何も理解していない担当がただ買ってくださいと言ってきたとしても、多くの人は購入しようとは思わないし、購入したとしても担当の人間的魅力で購入しただけで、効果を期待してではない。交渉力等はどちらかというと自分都合なので、まずはお客さん視点で求められている事を提供できるようになってから注力するといいと思う。

また、自分のモチベーションをコントロールするという観点でも、「プロダクトやソリューションの理解」、「顧客理解」の与える効果は大きい。これは人によると思うが、私の場合は営業するにあたってお客さんにとって価値があるかという事を重視している。言い方は悪いが、お客さんを騙したり損をさせるような営業はしたくないし、そうせざるを得ないぐらいならいつでも会社を辞めればいいと思っている。

お客さんにとって価値のある提案をするための基本にあるのが「プロダクトやソリューションの理解」、「顧客理解」で、私の場合はこれに自信を持っているから、お客さんにとって価値のある提案が出来ていると思っているし、営業に対するモチベーション上げることが出来ている。

🔸「B2B営業スタンダード」今後の記事予定

B2B営業に求められる事を体系化して、下記順番で具体的な手法や考え方についてそれぞれ記事を書いていこうと思います。

序章:必要なスキル編
1章:
数字の組み立て編
2章:アポ取得編
3章:商談クロージング編パート1
4章:商談クロージング編パート2
5章:顧客満足編
6章:Willコントロール編
7章:分析力、仮説力、論理構成力強化編
8章:プレゼン編

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しんり(鈴木眞理)
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