ことばが力をもつ、ということを理解するための本
コンピュータネットワークのおかげで、誰でも自分の体験や思考内容を発信できる時代になった。
検索のおかげで、キーワードを投入すると、それに関する本やブログがたちまちひっかかって、いろいろな著者の言葉に触れることができるのだけど、「うわー、すごい。これ実話なの? 世の中にはすごい人がいるもんだ」と感動することはあまりない。
ユーチューバーの番組も、知識よりも勉強不足を感じることが多い。粗製乱造というのかな。売れることが狙いで、何を伝えたいのかも気迫だったりする。
今日、ご紹介する山田勝三著「馬の骨放浪記」を、僕は、昨年、ジュンク堂書店大分店がまだあったときに、福岡・大橋の本々本のなかで見つけた。
なんだかわからない本だけど、金額(500円?)も大したことないし、試しに買ってみようと思って買ったのだった。
しかし、読んでみて、これはすごい、こんなすごい本はめったにないと驚き、感動した。
帯には「推定大正3年生れの私は浮浪孤児でした。たった4歳から数奇な運命を辿る人生の出発をしました。27歳で国籍が出来、44歳で学校へ入りました。文字を覚えて必死に書いたこの本を読んで下さい。(山田勝三)」とある。
帯からも伝わってくる、まっすぐで正直な性格。何度も人に騙されても、恨んだりせず、仕返しをせず、前向きに生き続ける。幸せになるチャンスがあったのに、あえてそれを選ばずに不幸な選択をする損な性分。
それでいて、満州で日本軍が「満州事変」をぼっ発させたときの歴史の瞬間に居合わせて、自分なりの分析を証言する。超一流の歴史書でもある。
今朝、この本のことを思いだして、できるだけ多くの人に読んでもらいたいと思ったので、ご紹介する。
僕以外にもファンはいるようで、花山水清さんのブログも紹介します。
大学図書館や公共図書館には蔵書がないけど、古書店では買えるみたい。
言葉が力をもつということを理解したい方に、おススメです。
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