岡本太郎の「生命の樹」の前方誤り訂正 (1) 岡本太郎の心に触れる
大阪の万博記念公園(1970年の万博が行われた場所)にある岡本太郎の太陽の塔。その中に「生命の樹」という展示物があり、6年前から一般公開されている。いつかみたいと夢見ていたのだが、ようやく念願かなって、7月26日の午前中に訪れてきた。
大分から夜行バスで東梅田まで出て、そこから御堂筋線に乗って、モノレールに乗り換え。長旅の疲れをまったく感じさせないほど、空は見事に晴れ上がり、僕たちは太郎さんに会いにきたつもりで、ワクワクした気持ちで太陽の塔に近づいた。
妻はこの日のために用意した衣装を着て、心も身体も、太陽の塔の分身になっていた。入場ゲートで親子連れから、「子供と一緒に写真に入ってもらえませんか」と依頼され、ニコニコ楽しそう。
僕は、来月から南アフリカ共和国にいって、人類の起源について、「直立二足歩行のカラハリ起源仮説」という発表と、「クラシーズリバーマウス洞窟で発掘されたKRM-41815の発達したオトガイ化石は、人類の知能がデジタル進化であることの証拠である」という発表が、学会の科学委員会に採択されている。今は発表のポスター製作と、スライド(PowerPoint)製作の段階で、岡本太郎の作品をみることで、よりインパクトのある発表にしようと考えていた。
だから、生命の樹の見学に入る前に、何枚かのラフなアイデアスケッチが展示されているのをみて、嬉しくなった。すべてのアイデアは、こういうラフな段階を経て、詳細設計に入り、実地での製作と設置の段階を経る。製作の舞台裏をみせてもらえるなんて、贅沢なことだ。
太陽の塔のなかに入る前に、きらびやかな照明に照らされた縄文人や太陽のコーナーを通り抜ける。太陽の樹以外の展示は、復元されていないため、このコーナーで当時の全体展示に思いを馳せることになる。
ここで人数制限を受けて、少人数ずつ太陽の塔のなかに入っていく。ちょっとドキドキ。いったい生命の樹は、どんな展示なのだろう。
僕は、生命の樹と対話できるだろうか。岡本太郎と対話できるだろうか。ワクワクもする。
いよいよご対面である。(続く)