さよならはいつも
先日、妻とケンカした翌日、「Doge」(ドージ)として世界的に広く知られた世界一有名な柴犬「かぼすちゃん」のお葬式があることをブログで知っていたのもあり、妻と仲直りと話し合いを兼ねてドライブに行きつつ、かぼすちゃんのお葬式に参列をすることにした。
暗号資産でDogeを知ってから、かぼすちゃんと、飼い主の佐藤さんのことは、たまぁにブログを拝見するくらい。
けれども、いつしか、ブログでかぼすちゃんを介護する佐藤さんの愛情の深さに感動して、気付いたらブログやInstagramが更新するたびに見るようになってた。
かぼすちゃんの訃報を知った時は、声を出して、思わずいっぱい泣いた。
正直、テレビやネットで話題になっている物事に全然興味がない自分がなんでって、思った。
でも、後で分かったのは、僕が昔飼っていた愛犬たちに対する申し訳ない気持ち、後悔が心の深いところにあったからだった。
僕が昔書いた愛犬達への後悔を綴っていたnoteを見直した。
僕が、彼らに出来なかったことを、佐藤さんは全身全霊で体現していたのが、羨ましかったし、尊敬してたんだと思う。
ただ、葬儀に参列するだけじゃなくて、自分にも何かできる事がないかと思って、当日の朝にフォトモザイクアートを作った。
葬儀の朝、時間がなかったから「かぼすちゃんとおさんぽ」のブログから、約8600枚をダウンロードして、訃報で使われていた、かぼすちゃんの写真を原案にモザイクアートを作った。
時間がなくて、全部の写真をダウンロードできなかった事が悔やまれるけれど、少しでも喜んでくれたら良いなと思って急いで作った。
倉庫にしまってあって、中々使う機会のなかった、黒フチの額を2枚引っ張り出して、多動症らしく、ドタバタして千葉へドライブに向かった。
印刷は、即日数時間で印刷してくれるアクセア千葉なんとか店の店舗に発注。
祝日なのに印刷してくれてありがたかった。
受け取ったポスターを額に入れようとしたが、問題発生。
額とポスターのサイズが合わない...。
「葬儀の時間に間に合わない〜!!うおおおおぉぉ!」(※ADHDの日常)
...と焦りながらもハサミでチョキチョキしてなんとか額に収まった。
葬儀受付終了15分前くらいに到着。
なのに、外国人さんやら、一般人やら、お犬様やら、めちゃめちゃ並んでた。
ようやく、亡くなったかぼすちゃんと佐藤さんに一言をお伝えする僕の順番が来た。
「あど...えっぐ...がぼちゃんにも、ざどうさんの優しさにも...ぐすん...本当に感動じまじた..ずる...ぐすん」
キリッとお礼をしようと思ったのに、参列している間、過去のブログやinstagramを見て悲しくなっちゃって、いざとなったなら35歳にもなって、ガキみたいな泣き方しながらしゃべったもんで、本当に恥ずかしかった。
佐藤さんは、そんな僕の様子を見ても、穏やかに話してくれて、ほんとに優しかった。
デカいフォトモザイクアートを2枚片手に持って、参列している間、僕の心の中では
「作ったけど、余計なお世話じゃないかな」
「みんな可愛い絵とか描いててすごいな」
「デカすぎて邪魔じゃないかな」
...と、作っといて、いざとなると心配になったけれど、プレゼントをお渡ししたら、佐藤さんも周りの方も凄くびっくりして喜んでくださった。
なんかもう、べちゃべちゃな顔で、ぐずぐずに泣いて恥ずかしくて、名も名乗れなかった。
一応、名刺くらいはと持参してはいたけど、本心でブログやSNSでの佐藤さんには「こんな愛ってあるんだ」と感動をいただいていたから、僕のことを話すのは本当にどうでもよかったから渡さなかった。
正直、モザイクアートをお渡ししてからの数日後も「やっぱデカすぎたかも...」なんて心配してた。
でも今日、ブログが更新されていて、フォトモザイクアートのことを記事に書いてくれて、僕の不安を拭ってくれた。
こんなふうに書いてくださって、本当に嬉しかった。
ブログのコメントには
なんか「名乗らずにカッコいい」とか「素敵」とか書いてくださって、ありがたいのですが
「ぶえぇえ...」って泣いちゃって、恥ずかしくて、名乗らずにカッコよくなんかないんです、ほんと。
コメントでお礼まで言っていただいてほんと却って恐縮でした。
カッコつけて、恥ずかしくて名乗らず、今となっては本当に失礼だと思うけど、かぼすちゃんとの約10,000枚の写真の思い出が、佐藤さんの心を少しでも癒せて、かぼちゃんと繋がれたなら、それだけで、僕にとっては十分すぎる。
匿名のnoteだから、こうして書かせてもらったけど、今から名乗るつもりもない。
そんな人はいないとは思うけど、これを読む方の中にも「佐藤さんこいつです!」とか、絶対言わないで欲しい。
恥ずかしいからまじで。
佐藤さん「本当に本当にどうもありがとうございました!!」
なんて言ってくださったけど、それはこちらもなんです。
本当に本当にありがとうございました。
おわりに
うちの実家でも、数年前までパグを飼っていた。
寂しがり屋で、いつも僕にべったりとついてきて、横になれば乗っかって、愛しくて愛しくて仕方なかった。
けれども、僕も彼女と二人暮らしを始めてから、実家に帰る機会が少なくなった。
少しずつ歳をとって、気付いたころには老犬で、脚もふらつくようになっているこの子を見て、そんなに長くない事も分かっていた。
なのに、僕はその頃、忙しくて、実家の郵便物を取りに行く一瞬だけ撫でて
「ごめんね、ごめんね」と語りかけて、後ろ髪引かれるだけだった。
子どもの頃となんも変わっちゃいないんだ。
母も事情で忙しくなり、いつも一人で寂しそうだった。
いつか、いつか、こうなる事は分かっていたのに。
目を開けて、生きてるみたいだね。
どんなに時間が経っても、何度繰り返しても、何年経っても、何もしてやれなかった自分を悔やんでしまう。
さよならはいつもそうだ。
だから、僕は佐藤さんの愛に心底憧れているし、尊敬している。
後悔のない愛があるってことを教えてくれたから。
僕の方こそ、本当に本当にありがとうございましたなんだ。