海難救助隊の訓練映像を見て、微妙にシュールな気持ちになった。
NHKの番組で、海難救助隊の特集を放送していました。「海猿」シリーズでも描かれていた通り、海難救助隊というのは人命が関わる仕事なので、その訓練はかなり過酷なものです。
全国の海難救助隊の中でも、精鋭中の精鋭のみがなれる「特殊救難隊(通称トッキュー)」という集団がいます。
トッキューになるためには、さらに過酷な訓練が必要となります。その訓練シーンが放送されていました。
海上保安庁が保有する特殊な訓練施設のプールでは、過酷な海難現場を再現し、強風や高波が巻き起こります。さらにプールの中にはたくさんの障害物があります。その中を、訓練生の人たちがボンベひとつで進んでいきます。
訓練生たちがいかなる状況でも平静を保つ試練として、「教官たちが邪魔をする」という謎の訓練が行われていました。
その邪魔というのが、訓練生を微妙に通せんぼしたり、後ろからゴーグルを外したり、訓練生のボンベを勝手に閉めたり。絶妙な「プチ嫌がらせ」なのです。
緊迫したBGMと「過酷な訓練」というテロップで、先輩が訓練生のゴーグルを外すという、側から見たらちょっとだけじゃれ合っているようにも見える光景。
それが絶妙にシュールで、笑ってはいけないのですけど、笑ってしまいました。
この訓練、海難救助隊だけでなく、普通の社会人にも取り入れたら良いのになと思いました。普通の社会人でも、「平静を保つ」というのは大事なわけですから。
サラリーマンの新入社員教育で、名刺交換の練習中に、先輩社員に名刺入れを隠されるとか、先輩社員が変な顔をして邪魔してくるとか。
あるいはパティシエの修行で、先輩パティシエに帽子を逆さにかぶせられるとか、卵をかきまぜる棒を隠されるとか。
大工の修行で、屋根の上で先輩大工がモノボケをしてくるとか。
普通の新入社員教育にマンネリを感じたら、ほんの少しのシュールを混ぜればいいのです。