引き算の美学を徹底的に追求した『一行怪談』
『一行怪談』をご存知ですか?
夏の時期によく聞く怪談話。それを一行でまとめるというものです。
一行で人を怖がらせる、すごいのです。
情報量が少ないだけに、逆にいろんな想像が出来てしまい怖い。
あまりにもクリエイティブです。
例えば・・
「寝るときに必ず、洗濯機を回し続けることだけは忘れないでほしいですが、それさえ守ればたいへんお得な物件だと思いますよ。」
↑noteで書いたら3行になりましたが。怖い。なんかめちゃ不気味。
洗濯機回さなかったらどうなるの?そんなに洗濯物追いつかなくなるくらい多いの?
「肝試しで入ったときにはあれほど怯えていた友人から、次の日、その廃屋に引っ越したというメールが届き、朽ちた畳の上で彼が幸せそうに笑う画像が添付されていた」
怖い怖い怖い!!怖いけどまあ、考えようによってはハッピーエンドかもです。良い感じの古民家に引っ越せたわけですし。古き良きもの好きの友人だったのでしょう。
「ばったり出くわした旧友の腕に絡みつく女が美しかったので、その容姿を褒めたところ、そんな風に見えるならお前が連れて帰ってくれ、とすがりつくように懇願されてしまった。」
これはただただ素敵な話です。その女性を誰で(アイドル・女優さん)脳内再生するかによって、素敵度が天井知らずで変わってきます。
「公園に垂れ下がる色とりどりの鯉のぼりに、一つだけ人間がまじっている。」
こっわ!!!
ちなみにこの『一行怪談』を読んだ後にたまたまTwitter(X)でローランド氏のツイートを見かけました。
これこそが本当の一行怪談だと思いました。