2012/7/23 #190 曲は曲
自分にとって、曲は曲でしかない。
曲自体に命なんてものは存在しない。
曲はあくまで概念だ。
決められた音符を同じタイミングで、同じ音程を、同じような倍音で構成された楽器で演奏すればその曲になる。
つまり命を吹き込む、という表現はあくまで比喩になる。
その「命」と呼ばれるものの正体は、演奏者の体や心のブレである。
そのブレが記録されることで、再生された時には命が吹き込まれているように感じることができる。
そして、それを感じる第三者が増幅器だ。
曲を聴いて、そこから何かを感じる。
その感じ方は人それぞれだ。
他人が演奏者のブレを何倍何十倍に増幅し受けとる。
そこに心地よさ、感動が生まれたりする。
命は生物にしか宿らない。
そして生物というフィルターを通したものからは命が感じられる。
決して曲に命が宿るのではない。
それを感じられるのは、あなたに命があるからだ。
THURSDAY'S YOUTH
篠山浩生
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