限りない高みと底なしの深み
雲の多い青空に向かって、逆さまに根を張るように静かに突き進んでいく。たとえ何百、何千年経っても届くはずのない空に向かって。でも決してそれは無駄なことではない。同じように、見えない地面の中には四方八方へと張り巡らされた根が、届くはずのない地球の中心に向かって伸びていく。まるで空からもらった栄養を使って、下方へ成長するように。
枝は日光を求めて伸び、そこに葉を広げ光合成をする。そこでできたデンプンや糖を土中の根にも分け与えながら空に向かって成長していく。根は地中からもらった水分や栄養分を地上の幹や枝葉に送るため土中に広がっていく。地上の体を支えながら。
春になれば花が咲き、やがて実を結び、多くの生き物たちに栄養を与えながら、地面に落ちた種から次の世代が芽生えてくる。当たり前のように繰り返される生命の営み。
一方、私はどうだろう。大きな目標に向かって、少しずつでも成長しているだろうか。目の前にある課題に地道に取り組みながら、倒れぬように基盤を固めているだろうか。自分の言動で人を和ませたり、人に喜びや楽しみを与えているだろうか。
自然はこれを当たり前のように私に見せてくれているが、私は人であるが故か、決して、そんなふうには生きられない。悲しいことに、それがいいとは、わかっているのだけれど。
(2020.11.27)
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アカウントは既に削除してありますが、以前別のブログサイトに投稿した過去記事を整理していたら、こんな文章が見つかりました。
さてさて、あの日から3度目の春が来ます。
(20230315/雲見屋一楽=くもみやいちらく)
※タイトル画像と挿入写真は、私、雲見屋が撮影したものです。
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