デザインチームを強くするためにチームブランディングを始めた話
あなたは自分の仕事や組織に誇りを持つことができていますか?(いきなり重い…!)
「そもそも仕事や組織に誇りを持たなくたって良いんじゃない?」
「そういうお前は誇りを持って仕事をしているのか!?」
そんな声が聞こえてきそうです…。正直私も今まで「誇り」とかそこまで深く考えて仕事をしていませんでした。(ごめんなさい)
その意識が変わったのは昨年秋、サイボウズ デザイン&リサーチの採用サイトをリニューアルしたのがきっかけです。私はアートディレクターとしてリニューアルに携わりました。
・私たちはどういうチームなのか?
・「強み」と「弱み」は何か?
・社外からどのように認知されているのか?
・メンバーはチームに対してどのような思いを抱いているのか?
・メンバーはこのチームで働くことに喜びを感じているのだろうか?
リニューアルを通してこれらの問いを繰り返すうち、メンバーがサイボウズ デザイン&リサーチで働くことに喜びや自信を持ってもらえるようなサイトにしたい、むしろそういうチームにしたいと考えるようになりました。
シンプルに表すと、メンバーが仕事やチームに対して誇りを持つことができ「うちのチーム最高!このメンバーで仕事ができて嬉しい!」と言ってもらえるような状態を作っていきたいと思いました。
メンバー全員が「うちのチーム最高!」と実感して働いている状態ってめちゃくちゃ良いと思いませんか?そして、そんなチームは最強だと思いませんか?
前書きが長くなりましたが、チームを強くし、メンバーにチームで働く喜びや自信をもっと感じてもらえるように、現在に至るまでどのような取り組みをしているのかまとめたものです。
そもそも「誇り」って何?どこから生まれてくるの?
辞書で「誇り」を引くと、「ほこれること。名誉に思うこと。」という意味が出てきます。そこで「名誉に思う時」とはどんな時か自分なりに考えてみました。
1. 自分の功績を誉められた時
2. 重要な任務を任されて信頼されていると感じた時
自分が社会に対して役に立っている、または、重要な役割を担っていると実感した時に「誇り」という感情が生まれるのではないでしょうか。そして、それが最終的に「自信」や「喜び」に繋がっていくのではないかと思いました。
どうやって「仕事や組織に誇りを持つ」?
「仕事や組織に誇りを持つ」ということは、自分の仕事や所属している組織が社会にとって役に立っている・重要な役割を担っていると実感するということなのではないかと考えます。
つまり、他者=社会に認知・評価されることで「誇り」という感情が芽生えるのではないでしょうか?
チームブランディングとは?
「チームブランディング」という言葉がマーケティングやブランディングの専門用語として存在し、確立した定義を持っているのかは定かでは無いのですが、ググってみるとさまざまな定義がでてきます。
私は「チームメンバーと共にチームのあり方や価値を見つめ直し、社内外に発信し認知・評価してもらうこと。そして、その活動を通してチームメンバーが仕事やチームに誇りを持ち、自信や喜びを感じながら働ける状態を作ること」が「チームブランディング」と自己流に定義して活動しています。
チームの「強み」と「弱み」を書き出して現状を見つめ直す
さて、チームブランディグを始めるきっかけとなったサイボウズ デザイン&リサーチの採用サイトリニューアルに話を戻します。リニューアルにあたり、まず最初にチームの現状を知るため、チームの「強み」と「弱み」をメンバー全員で書き出してまとめるということを行いました。まとめた内容はこちら。
強み😄
・多彩な才能や個性を持ったメンバーがいる
・チャレンジさせてくれる土壌がある
・リサーチが自然に行われる
・デザインとユーザーにフォーカスできている
弱み😱
・デザイン&リサーチで働くことに誇りを持てているのかわからない
・デザイン&リサーチの将来がイメージできない
・他部署からは見た目を作る人達という認識のされ方をしている
・個人の多様な才能を他の部署に伝えられていない
分かった事は、メンバーはチームの「強み」を自覚しているものの、それをチームの外にうまく伝えきれておらず、自分たちから見たチームの姿と、他人から見たチームの姿とのギャップにもどかしさを感じていたということです。
そして、それが起因してサイボウズ デザイン&リサーチで働く意義を思い悩んでいたり、将来への不安へとつながっているということもわかりました。
「自分たちから見た姿」と「他人から見た姿」のギャップをどう埋めるか?
「自分たちから見た姿」と「他人から見た姿」にギャップがある=チームの価値を正しく発信できていないということがわかりました。そして、このギャップを埋めるためにアイデンティティづくりと情報発信の見直しを行いました。
アイデンティティづくり
「自分たちはどんなチーム?誰に何と言われたい?」か共通認識を持つ
情報発信の見直し
「誰に」「何を」届けたいのか?
アイデンティティづくり
サイボウズ デザイン&リサーチの採用サイトをアイデンティティ発信の場所と捉え、自分たちがどのようなチームなのか「言葉」と「ビジュアル」で表現することにしました。
「言葉」に関して
採用サイトでは「私たちの使命」と題して、チームとしてどのような取り組みを行なっていくのかを明文化しています。
デザインでチームワークをよりよくする
サイボウズは「チームワーク溢れる社会を創る」という理想のもとチームワークを生み出し高めるソフトウェアサービスを作っています。デザイン&リサーチグループはサイボウズのサービスを使う全ての人に使いやすさを提供し、チームワークの向上に貢献します。
「ビジュアル」に関して
ビジュアルを作るときは、メンバーと「誰に、何と言われたい?」という共通認識を持った上で制作するようにしました。以下がまとめたものです。
誰に
同業のデザイナーや、デザイナーを目指す学生
何と言われたい?
親しみやすそう
ワイワイしていて楽しそう!
いろんな人がいるんだな〜
一緒に働いてみたいな!
「誰に」の部分は、採用サイトということもあり同業のデザイナーやデザイナーを目指す学生に設定しました。社外の同業の方達に認知・評価されることが、最終的には社内の認知・評価につながっていくと考えています。
「何と言われたい?」の部分は、メンバーに「うちのチームってどんなチームだと思う?どう言われたい?」と投げかけて返ってきたキーワードをまとめたものになります。
共通認識を持った次のステップは、ビジュアルとして「何を作るか」です。採用サイトではアイデンティティを表すものとしてメインビジュアルに力を入れました。以下の画像が採用サイトのメインビジュアルです。
「親しみやすそう、いろんな人がいる」ということを伝えるためにメンバーの写真を使っています。思い思いのポーズ・表情をしてもらい、飾らない姿を伝えることで親近感を感じてもらうねらいがあります。
さらに「多様性」や「ワイワイした楽しい雰囲気」を表現するため、サイボウズのロゴから着想を得た丸の形を使って、メンバーそれぞれの個性が弾け飛んでいるようなイメージの画面を構成しました。サイボウズにとってこの丸の形は多様性や一体性を表すモチーフです。その象徴的なモチーフを使うことでより意味を持ったビジュアルにすることができました。
実はこのビジュアルが完成するまでに紆余曲折ありました…。最初は「誰にどう思われたいか?」をまとめずにビジュアルを作ったところメンバーの頭の中にあるイメージとまったく異なる物になってしまったり、作ったビジュアルを見せて印象を聞くリサーチをしてみたら、こちらが伝えたい印象と受け手側が抱くサイボウズ デザイン&リサーチの印象に乖離があったり…。失敗を繰り返して最終的にこのビジュアルに着地しました。
情報発信の見直し
「誰に」伝える?
サイボウズ デザイン&リサーチの採用サイトリニューアルと合わせて情報発信の場についても見直しを行いました。これまではcybozu inside outというエンジニアブログに活動記事を書いていたのですが、より多くのデザイナーの方やデザイナーを目指す学生さんに、私たちの取り組みや活動を届けたい・知ってほしいと思い、noteに情報発信の場所を移すことにしました。
「何」を伝える?
日々の活動や取り組み・ナレッジを発信して「私たちのリアルな今」を公明正大にみなさんにお伝えしていきたいと思っています。良いことだけでなく、泥臭い部分や失敗から学んだことも共有していき、デザイナーのみなさんや、デザイン業界に微力ながら貢献できたらと考えています。
サイボウズ デザイン&リサーチのメンバーで運営しているマガジンはこちらです。よかったらのぞいていってください。
最近では、メンバーの人柄やチームの雰囲気を伝える音声コンテンツも始めました。日々の活動や取り組みを雑談形式で紹介していますのでぜひ聞いてみてください。文字起こしのテキストもあるのでこちらもよかったらどうぞ。
「うちのチーム最高!このメンバーで仕事ができて嬉しい!」と言ってもらえるよう今後も活動していきます
長くなりましたが、現在に到るまでこのような取り組みを行なってきました。チームブランディングは始まったばかりなので、正直結果はまだ見えていません。
ただ、サイボウズ デザイン&リサーチの採用サイトリニューアルを進める過程で、チームメンバーと共にチームの現状や価値を見つめ直したり、私たちはどういうチームなのかということを議論して共通認識を持てた事は大きな一歩だと感じています。
チームブランディングは一人ではできません。チームメンバーと共に考え、悩みながらチームのあり方を一緒に模索し、少しづつ前進していくものなのではないかと考えています。そして、その過程もチームを強くする一つの糧になるのではないかと思います。
この記事を読んで一緒に最高のチームを作りたいと感じたデザイナー・リサーチャーの方がいらっしゃいましたら是非一緒に働きましょう!お待ちしています👋
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