【連載コラボ小説】夢の終わり 旅の始まり #11
数分して電話が掛かってきた。
『まだ起きてたのか。病人は早く寝ろよ』
「昼間たくさん寝ちゃったから眠くないんだよ。父さんは今、家?」
『外に出てきた』
「寒いんじゃないの?」
『お前みたいに薄着で出てきたりしない』
「家からだと僕と話しにくい?」
『…子供たちが騒がしいだけだ。変な意図はないよ』
"変な意図はない" なんて…。
「家族は…僕とのやり取り、変な風に思ってないの?」
『子供たちはまだ小さいからわかってないだろうし、妻は誰と話しているかいちいち把握しないと思う