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私はトトロをみて泣く大人
昨晩は金曜ロードショーでとなりのトトロをみていた。
時にはメイになって
成長してからはサツキになって。
お母さんやお父さんの気持ちにも最近はなれるようにもなった。
昨日は何の気無しに、何度も何度も飽きるほど見てきたとなりのトトロを改めて違う解釈で見た。
トトロって思っていたよりも穴から抜けたり穴に落ちたりする描写が多い。
サツキとメイがトラックから降りるシーン。
トンネルを抜けるシーン
トトロに会うとき、トトロに助けを求めるシーン。
そして猫バスの扉が開く、乗るシーン。
バケツの穴も何か関係あるのかな。
トンネルや穴を抜けたりすることはいわゆる生と死、生まれ直しや生まれるというシンボル。
庭で遊んでいたはずのメイが草壁父が仕事をして目を離した隙にいなくなった。
『子どもは簡単に死にに行く…』
見ながらそんな言葉が思い浮かんだ。
これが俗に言う神隠しってこういうことだよなぁ。
メイはどんどこついて走っていっちゃったし。
トトロの寝床の一角は天国のように美しい光が入ってきていた。
過去に某神社で神隠しに合いそうになったと笑っていた友達がびっくりするほど綺麗な場所に迷い込んだんよーと言っていてそれを思い出し背中がゾクっとした。
現代でいうならそれは子どもを公園つれていってスマホみてたら『見ていた』とは言わないと母親が父親に言いたいセリフみたいなもん。
現代もテレワークしてる時に子どもってみられないよねぇ。
それも理解出来る。
広大な庭があれば子どもは勝手に遊ぶ。
庭いいよねぇ。
結局メイがみつかったからよかったよなぁと思う反面、ホッとしてるサツキに大人を感じてしまった。
トンネルの中で寝ている妹を見つけてホッとした顔をした後に、切り替えて起こして注意する。
その後小さな子が言う話を聞いて拍子抜けする姿は小さなお母さんだし私も仕事で経験してる感覚をみた。
ほんとしっかりしたお姉さんだよなぁ…森の主に娘取られんくてよかったよな…父。
木をみてここに引越しすると決めたなら早々に挨拶行けよと横でパートナーもツッコんでいた。
お母さんが髪をといてくれるとき、騒ぐメイを諌めるのはサツキ。
母親の存在があるようで不在だ。
サツキが大人すぎて昨日は2度ほど泣いた。
お地蔵さんのシーンで雨の中転んだメイを拭いてあげるところで
『メイ、えらい?』と言うセリフに対して泣きたいのサツキだよなぁと思ったら泣いていた。そりゃ、ボロ傘でもありがたいよな…
改めてみたときに、かんちゃんの傘が本当にボロくて笑った。
サツキが傘を返しに行った時の母の対応がほどほどの身内下げでよいとパートナーが言った。
決して本人を下げているわけではないところがいいとほめていた。
人によって気にするところが違うから名作を人と見るのは面白いし会話のしがいがある。
お母さんの一時帰宅が延期になり不安になる2人とカンタのシーンで
『もうしらない!』というサツキの声を誉めてしまった。
大人じゃなくて本当のサツキの声が出ている。
おばあちゃんの前でやっと不安を吐露し素直に泣くサツキをみて動き出すメイ。
(そして泣く私)
無邪気の行動力が一番怖い。
私がみてきてあげよう!!と意気揚々と走り出すの怖すぎる。
走ったりサンダル事件を通り過ぎいよいよサツキがトトロに助けを求める時。
トンネルを抜ける前にトトロに合わせてほしいとお願いをしていくサツキに育ちの良さを感じた。
心の声をしっかり言葉に変えるということに意味を感じた。
きっと大人になってはトトロに会えない。
サツキはギリギリのところにある気がした。
朝からお弁当を準備する。
引っ越したばかりで友達がすぐにできる。
親に心配かけるどころか傘をもっていかなかった父を心配してバス停にもっていき眠る妹を背負い待ち続ける。
サツキの正体は母性なのかと見た。
森の主に会うために意宣ったんだなだと思った。
メイの正体は無邪気な子ども。
『バカメイ!』『ごめんなさい』
母性と子どもが仲直りをしている。
どちらもあって女性性ということなのかな?
そして病院にいって母と父の姿をみて2人が安心して帰る。
そこでおばあちゃん(智慧?)、カンタ(男性性?)と合流し、道を4人で歩いて塚森に向かって歩くということは産土の神様の許可を得て生まれていくという描写なのかもしれないね。
火をつけるための薪を拾ったりお湯を沸かしたり
雨が降ると人はこまるけれど、傘をかしてもらって人の優しさにふれて、雨を喜ぶカエルや音を楽しむトトロ
風になって遊んだり、気で木を伸ばしたり。
芽が出ることは森の主の采配のように許可を得て人も生まれてくるわけで。
人が失った自然信仰なのだなぁと思った。
最後のエンドロールで描かれる小さな子どもがその描写なのかもしれないし、そうじゃないのかもしれない。
考察をみると多分そんなのたくさん出てくるだろうし今更だと思うけれど自分のメンタルもあってサツキに気持ちあわせながら見てしまった。
火垂るの墓の節子とサツキが同い年の設定だったはず。
戦時中の子どもだとして、失ったものはきっとたくさんあったんだろうなぁと思う。
ヤングケアラーとか今ならそんな言葉もあったかもしれないけれど、大人をやらざるを得なかった子どもはたくさんいただろうなぁと思う。
火垂るの墓ととなりのトトロが同時上映だったのは有名な話だけれど全体のキャッチコピーが『忘れものを、届けにきました』だそうで。
糸井さん、すごいよなぁ。
私この夏、忘れもの探し回ってたので受け取った気分でした。
初めてのMOTHER 2もプレイし終わって糸井さんに改めて感謝する夏です。
合間に『力の指輪season 2』で夫婦揃って大騒ぎし(2人ともLOTR好き)来週のラピュタに喜び騒がしい金曜日の夜でした。
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