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カレンダーが苦手な子どもたち
私のもとには、さまざまな悩みを抱えた方が相談に訪れます。最近、特に増えているのが、発達に特性のあるお子さんについての悩みです。
「発達障がい」という診断名が付けられるケースが増え、学級運営の中で支援が必要な子どもがいると、「もしかしたら発達障がいではないか」と疑われ、専門医の診断を受けるよう指導されることも少なくありません。
私たちにはそれぞれ異なる個性があり、まったく同じ人間はいません。その子の特性を理解し、「どんな場面で困っているのか」に寄り添うことが、最善の解決策だと私は考えています。
「個性」として捉える視点の大切さ
親御さんにとって、子どもが「普通と違う」と感じることは深刻な悩みになりがちです。ですが、その「違い」を否定するのではなく、ひとつの個性として受け入れられたらどうでしょうか?
たとえば、あるお母さんがこんな話をしてくれました。学校で「落ち着きがない」と言われたお子さんが、家では一心不乱にブロック遊びに夢中になるのを見て、「集中力はあるんだ」と気づき、その得意分野を伸ばそうと心がけたそうです。このように、子どもの「できない部分」ではなく「できる部分」に目を向けることで、親の心が軽くなることもあります。
巻物カレンダー
以前、えがおの会で開催した勉強会で、発達障がいのカウンセリングルーム「小箱」を運営する坂口美由紀先生から、興味深いお話を伺いました。
私たちは何の苦労もなくカレンダーを読み、時間の流れを理解しています。しかし、発達の特性によって、日にちや時間の長さを認識するのが難しいお子さんもいます。たとえば、日曜日が終わると「次は月曜日が来る」と直感的に理解できない場合があります。
そこで紹介されたのが「巻物カレンダー」です。このカレンダーは紙を巻いていくような形式で日々の流れを表現し、過去・現在・未来が直線的に繋がるため、視覚的に理解しやすくなっています。
たとえば、「何月何日にどこに行く」と説明しても、子どもにとってはただの言葉の羅列に過ぎないことがあります。そんなとき、巻物カレンダーにシールを貼ったり、予定を書き込んだりして「目で見てわかる」形にすると、子どもが自分でスケジュールを理解できるようになるのです。
親同士の交流から得られる安心感
Omimiかふぇでは、発達に特性があるお子さんを持つ親御さん同士が、不安を共有し合い、アドバイスを交換する場面が多く見られます。
あるお母さんは、「学校で何も話せなかった子どもが、家ではおしゃべりが止まらない。これは学校が悪いのかなと悩んでいましたが、同じような悩みを持つ親御さんに話を聞いてもらい、『それもその子の特徴だよ』と言ってもらえたことで、すごく救われました」と笑顔で話してくれました。
また、さまざまな団体や施設の方がオブザーバーとして参加してくださることもあり、必要な支援につながるケースも多いです。
一人で抱え込まずに話してみませんか?
私たちえがおの会の目的は、子育てに課題を抱える親御さんの「伴走者」であること。一緒に悩みを分かち合いながら、最適な方法を模索していきたいと考えています。
すぐに解決できる魔法のような方法は持ち合わせていないかもしれません。でも、話を聞き、受け止めることはできます。お子さんの特性を理解し、親自身の心も軽くするために、ぜひ気軽に訪れてみてください。