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再び日立へ-中心市街地の今-

都市計画やまちづくりを専門に勉強して、仕事を日々していると、毎日5年、10年後の未来(一つの大きな目標)に向けた様々な開発計画や都市計画をみるし進めている。将来イメージという力強いパースを何枚か用意しながら大まかに将来の絵姿を固めている。

一方で、まち歩きをしていると街・都市は毎日(毎月・毎年)少しずつ変わっていることに気づく。建築やら道路が変わって人の流れが変わることもあれば社会がそうさせている時もあるのだろう。

そんなこんなで、最近、都市の2面性という視点で少し考えている。一見相反するんだけど、そう見えてしまうところからどう考えていったらいいのだろうかと、なんとなく考えている。

ビジョンは作りながら、エリア設定はあるんだけど、タクティカルに今できることを考えて実行するとかは、その実践の一例なんだろうと思っている。
計画のためだけに手を動かすのではなく、計画しつつ、進めて行くための今の実践も並行して進められると良いのだが。
自らプレイヤーとして動きながら、まちのディレクションが取れるかどうか、果たしてそのために必要なスキルとは。


さて、前置きはそんな感じにして、今日は先日(と言いつつ、秋が冬になってしまったが)水戸周辺に行く機会があり、日立駅周辺にも寄ってきて、前に行った時(去年2022年)と変化があったので、その部分もまとめておこうと思う。

ちなみに前回は、授業レポートの一環でこれまでの駅周辺都市開発をまとめていた。

□廃墟と化したイトーヨーカドー跡地のその後

前回のレポートでも話したのだが、日立駅前には大規模商業施設があり、ついこの間まではイトーヨーカドーが入っていた。

前述のnote内にも写真を載せたが、再掲。

空きビルとなった元大規模店舗がお化け屋敷イベントの会場として使われている風景は、空洞化する市街地の果てを見たように感じるとともに、その中にも子どもたちは楽しんでいるし、4階のカフェスペースには勉強する学生もいて、不思議な気持ちになったのを覚えている。

街の中のどこに人が集まるのか
そこで、どんな活動をしているのか
そんなことを考えながら


□リスタートを切った大規模商業施設

そんなこともありながら、2023年4月28日に「ヒタチエ」としてリニューアルオープンしたわけだ。

訪れた当日は、前面の歩行者道路でもなにやら活動があり、すごく賑わいを見ることができた。

ヒタチエ前の歩行者道路での活動

地下にスーパー、一階に無印良品とチェーンの飲食店、二階の一角にフードコート、三階以降は物販系店舗、上にはカフェと文具店(この二つは前から)。駅前ビルとしては十分な店舗数とバランスが揃っているように思えた。

前にまとめた時にも少し書いたが、水戸や東京・上野からのアクセスが特急を使えば、1時間程度という立地で、駅前かつ大通り沿いには真新しいワンションが何本か建っていたことを考えると、ある程度の街なか居住があって、商業需要も見込めるようになったのかもしれない。

実際問題どうなのかはわからないが、廃墟化していた低層部から中層部に商業が入り、賑わいを取り戻しているようにも思えた。

まだまだ工場が残るエリアとして、今後どういう立ち位置の都市になっていくのか。定期的に観測しながら、自分自身も勉強していきたいところ。

□定点観測するということ

これまでに、同じ街に1、2年ぶりに行くという機会がなかったのだが、こうして少し変化があったことをきっかけに行ってみると、気になる都市や街を定点観測するということについて考えることができた。

毎日行ったり見ていたりしていると中々変化には気づけなかったりする。(プレイヤーだったり通勤通学、居住とかしてないと中々難しい)
確かに工事中だった建物が竣工したり駅の工事が進んだりしたら気づくけど。
となると、今回のように何か新しいものがオープンするタイミングはいい機会だった。

その中で思うのは、こうした大きな変化が起こった少し後の話が重要なのではないかと思う。

新しくできてすぐのタイミングだと、興味本位もあって人も多くなる。それが2〜3年経って、施設やアクティビティが街に馴染んでいくとすれば、そのぐらいにもう一度見てみるというのはいいかもしれない。

馴染んできて、街の流れに合って街の一部として親しまれているか、それとも、流れは元に戻ってしまうのか、流れを激しく変えてしまい新しい衝突を生んでしまっているのか。色々と分岐が出てくると見え方も変わってくることだろう。(都市計画の難儀な所は、どれだからと行って時計の針は止められないということ)

街を定点観測する機会が作れたことで、少し長いスパンで街を見るという視点がちょっとだけ身体化されたような気がする。

最近まで今業務で関わっているプロジェクトの竣工予定(まだまだ構想段階だが)が2040年代と言われ、「ながー」と思って終わっていたが、こういう時間軸でのスケール感も都市計画や都市デザインには必要な感覚(センス)は何とか磨いていかんといけない。

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