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時代おくれ/茨木のり子

詩乃ジカン。
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詩集『倚りかからず』より


──けれど進んで選びとった時代おくれ──

ここがいいと思った。
ここがいい、と思った。

外に出る。
道がわからなければ地図アプリを開く。
スマホがない時代はどうしていただろう…。

ご飯を炊く。
お米を洗ってスイッチオン。
炊飯器がない時代はどうしていただろう…。

考えようとしてみると
すこしは体験できるかもしれない。
今ある“便利さ”が生まれる前のこと。

そしてそれは本当に“不便なこと”だったのか、確かめられるかもしれない。
この“便利さ”は本当に必要なのか、確かめられるかもしれない。

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