心理的安全性と「叱ってもいけない・褒めてもいけない」の関係 #恐れのない組織 への旅
ども、しのジャッキーです。本記事は、マネージャーとしての能力開発に関する学びの記事です。
2021年2月に出た「恐れのない組織」についての学びを書いていきたいと思います。この書籍は、某食品メーカーの経営企画の方から、おすすめされていて、2021年の年末に、Kindleのセールになっていて、やっと年始に読みました。
本書では、組織の学習・イノベーション・成長において心理的安全性が重要であり、それが担保された組織を「恐れのない組織(Fearless Organization)」と呼び、多くの失敗事例・成功事例を紹介した上で、恐れのない組織をつくるための方法について解説されています。
以下、前回は、恐れのない(フィアレス)組織を作るためのリーダーのツールキットを紹介した上で、3つあるカテゴリーの2つ目「参加を求める」に関して、私自身の新事業開発の経験、共感力について思っていること、「聞く」と「聴く」の違い、などの学びをまとめました。
フィアレスな組織をつくるためのリーダーのツールキット
今回は、以下「フィアレスな組織をつくるためのリーダーのツールキット」の最後、3つ目のカタマリの「生産的に対応する」について学びを抽出したいと思います。
生産的に対応する
「感謝を表す」「失敗恥ずべきものでないとする」「明らかな違反に制裁措置をとる」を挙げています。
感謝を表す
前々回(こちら)にも取り上げたアドラー心理学について取り上げたヒット作「嫌われる勇気」の中で、叱ってはいけない、褒めてもいけない、なぜならばそれは承認欲求に働きかけることだからだと。
同書の中では承認欲求というのは終わりのない欲求であり、しかもそれは他者に依存するものであるため、非常に主観的なものである喜びや幸せを目指すことを人生の目的とする場合、承認欲求は害悪であるというスタンスをとっています。
同書は、哲人と青年の対話の形式をとりますが、「ではどうすればよいのか?」という青年の問いに対して哲人は「ありがとう、と感謝を表せばよいのです」といっていたことを思い出しました。
これは、主語は私であり、「私は、あなたがしてくれたことで、助かった。うれしかった。」そういう気持ちを伝えることなのです。そういった、その他者に私は貢献できていると感じる、主観的な貢献感を相互に持ち合っている、能動的な感謝が、共同体感覚というものを作り出す、というのがアドラー心理学の目指す姿だと説明されていた、というのが私の理解です。
これは、フィアレスな組織と通底するものがあるのかな、と思いました。ちなみに、嫌われる勇気には続編の「幸せになる勇気」もあり、上記で書いてあることがどちらに書いてあった内容は覚えてません、悪しからず。
失敗は恥ずべきものでないとする
「未来に目を向ける」「次のステップを徹底的に議論する」とあります。アドラー心理学をせっかく挙げたので、ここでもアドラー心理学からの学びとの共通点を挙げてみたいとおもいます。
アドラー心理学では、トラウマを否定しています。これは過去の出来事によって今の自分の行動が規定されてしまう、という考え方です。例えば、私は、学生時代に、サークル活動や部活動にまったくかかわらなかったので、団体活動には苦手意識があります。なので、社会人になってからもコミュニケーションでうまくいかないことがあると、それを過去の経験を言い訳にしていました。これをアドラー心理学では「人生のウソ」と喝破されました。
アドラー心理学の考え方では、人は過去の出来事に突き動かされる原因論ではなく、現在の目的に沿って生きているとする「目的論」を前提とします。先ほどの私のしょうもない例でいえば、私は、過去に集団活動をしてこなかったことを、「これから」そういったことにチャレンジするという労力をかけたくないという気持ちや、コミュニケーションの失敗によってもう傷つきたくないという気持ちを正当化する言い訳としてでっち上げているのです。
ではどうするか?アドラー心理学では、今のそのままの自分を知り(受け入れ)「これからをどうするか」を考えるべし、と提言しています。これはまさに、「未来に目を向ける」「次のステップを徹底的に議論する」だな、と思いました。
また、前回も上司部下の1on1ミーティングが有用なのだろう、と考察しました。1on1ミーティングは、経験学習サイクルを効果・効率的に回して、メンバーの成長を支援するためにある、と私は理解しています。
経験学習は、以下のように経験、つまり過去を振り返るわけですが、これは、なんのためにするかといえば、そこから「教訓を引き出す」、つまり「今の自分を知り」、そこから「これからどうするか」を具体化するために「応用」を考えるというサイクルになっています。
恐れのない組織を作るツールとアドラー心理学、そして1on1ミーティングの3つは、非常に共通が多いんだな、という学びを得ました。経験学習について実践知からの考察に関しては、以下の記事もご参照ください。
明らかな違反に制裁措置をとる
さて、今回ツールキットの最後には、控えめに「明らかな違反に制裁措置をとる」が書かれています。さきほど、本日の1項目目でアドラー心理学では、叱っても・ほめてもいけないと書きました。制裁措置は、叱る、に当たりますね。
アドラー心理学では、叱ることのリスクとして「それがよくないことだと知らない可能性」があるとしています。
ツールキットの中でも、書籍の中で以下のような記載があります。
まず、問うべきは、リーダーが境界線を示しているか、そしてそれが共通の理解を得られているか、であり制裁措置というのは、最終手段である、と心得ておくべきなのだろうな、と思いました。
本書の他のまとめ記事
<全四回のまとめの構成>
第1回 横1on1をやってみての学び
→読み始める前に思っていたこと。
第2回 承認欲求に頼らない組織の土台づくり
→リーダーのツールキットの「土台をつくる」
第3回 仮説検証・共感・抽象化の関係
→リーダーのツールキットの「参加を求める」
第4回「叱ってもいけない・褒めてもいけない」の関係 ★本記事
→リーダーのツールキットの「生産的に対応する」
おわりに
以上、「恐れのない組織」からの学びを全4回にわたってまとめてきました。チームマネジメントを行っていく上で、とても多くの学びが得られました。
以下の新任マネージャーの心得というマガジンにこういった記事をまとめているので、もしよかったらのぞいてみてください。本記事への「スキ」やアカウントのフォローをしてもらえると励みになります!
「形のあるアウトプットを出す、を習慣化する」を目標にnoteを更新してますしのジャッキーでした。
Twitter: shinojackie