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【詩】形見

(はじめに)

 ひと月ぶりの詩になるでしょうか。(自分
なりの)感性が鈍っていないか心配です。



 形見

どれくらいそうしていたのか解らなかった
人は考えごとをしている最中
無意識に窓の外を見てしまうときがある
遠くに視線を向けているようで
近くの何かを凝視しているような
目の焦点が合わない状態のまま
ぼぉっ としていたのだろう
アールグレイはすでに冷めている

夏が過ぎ
つめたい空気がまちを覆うと
暑さから解放された体が休息を求めるように
ぼぉっ としてしまう瞬間がある
秋という季節が含んでいる性質が
そうさせてしまうのだろうか

新たな季節のはじまりに
あなたはいない
斜陽がそっと触れている
のこされた腕時計を手のひらに



…・…・…・…・…・…・…・…・…・…・

    イラストお借りいたしました
        ありがとうございます

・…・…・…・…・…・…・…・…・…・…

(ちょっとだけ解説)

 供養の仕方はそれぞれあると思います。見
送った側の人間として、毎日を自分なりに歩
んでゆく。あたりまえかもしれません。

 お読みいただきまして、ありがとうござい
ました。



#これからの家族のかたち


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