「逆境は良薬、順境は凶器」
菜根譚(さいこんたん)という古典を時たまパラパラっと読む。
その中でも好きなのがこの"逆境は良薬、順境は凶器"という言葉。
人間が逆境にある時は心身が成長する機会のはずなのに本人はそれを自覚できない。順風満帆の時は実は来たる骨抜き状態を予測できずに本人はそれに気が付かない。
つまり、「賢者は愚者に学び、愚者は賢者に学ばず」と同じように、下を向いている時も、上を向いている時も、平常心を保てない人間は成長しないということ。
ピンチはチャンス!とも言える(Vpon の仲間内での口癖の一つ)。ピンチというと常に劣勢なイメージがあるかもしれないけど、あえて自分をチャレンジングな環境や目標下に置くということ、そういう逆境的な状況に身を置き続けることが、加速度的に成長する秘訣なのではないか。
逆に順風満帆でストレスなく毎日を生きているとすると...それは本当に心地良いけれども、、、 同時にそれは現状維持ゾーン、まさに現状のコンフォートゾーンの世界で生きていることでもあるかもしれず、成長はピタッと止まってしまうかもしれない。
菜根譚は、ああなるほどねと思える人生処世術がたくさんある、20代後半に事業で失敗した時くらいに初めて読んで、それから年を取るごとに手に取ってなんか参考になったなと思わせてくれる、本棚に一冊あって良い古典。
20代のころ、一度、孔子の論語に傾倒したけど、儒教的な教えと結構一方的な論語の教えに距離を置いたのがきっかけで菜根譚に出会った。 今では論語は客観的には理解できるけど、奴隷容認のように解釈できるところがありう〜ん儒教やなあという感じで距離を置いている。
道教の老子も人生処世術/統治理論としては読みやすいけど僕は中庸的な解釈の菜根譚のほうが読んでてスッとはいる。
時代を超えた名作には人生にいきるヒントが満載、言われてみれば当たり前だけど、ふと時間の流れの速度をゆるめて、古典という普遍的な人生訓に立ち返る。