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紀伊田辺~熊楠顕彰館~


そんなわけで、いまつきあっている彼と昨年の9月はじめ、残暑というにはまだまだ暑い時期に紀伊田辺の「南方熊楠顕彰館」に行ってきました。

金魚カクテルのUさんに熊楠について熱弁をふるわれてその存在について意識するようになり、その後も何人か「熊楠は、偉人だ!」と熱愛するひと何人かに出会い、Uさんから借りパクした「猫楠」で興味をもっていたので、ちょうどシンポジウムがある情報を得て、都合のついた彼と一緒に一泊二日で出かけてきました。

一日目

朝京都駅で待ち合わせてJRの快速で新大阪、それから「くろしお」に乗って紀伊田辺へ。しかし、飲みすぎか、腸炎か、お腹の具合が悪くて、新大阪駅で「くろしお」の出発時間を待って彼と喫茶店にはいっているときに危機を感じ、彼を残してトイレへ。すごい長い行列。がび~ん。こういう状態のときいつもそうであるように、波が襲ってくる間隔が短くなってくる…冷や汗をかきつつ、すました顔しながら「旅のしょっぱなから、間に合わなくてもらしたらどうしようかなあ」と思っていましたが、なんとかぎりぎりセーフ。なんとか落ち着いて彼のもとに戻り、車中ではなにごともなく。

だんだん風景が田舎になって、青い空や海がひろがって、紀伊田辺着。
駅を出てすぐの小さな道を入ったところに、わたしがネットで調べておいた割烹のお店へ。盛りだくさんでデザート、コーヒーまでついて1000円くらいだった。大将がえらく愛嬌のあるひとで、彼のカメラの前でポーズしてくれたりした。

そのあと、これもネットで調べてあった、「梅酒で乾杯」というお店に寄り、お土産の目星をつけて、すぐそばに見えた神社へ。

吉田神社の大元宮のように(そこまで多くはないけれど)いろんな神様が祭ってあるのが面白かった。「闘鶏神社」とかで、「ん?」と思ってあとで調べたところ、熊楠の奥さんの実家だった。

それから徒歩で顕彰館へ。
シンポジウム開始まで時間があったので、館内と隣の、熊あんの住居跡、研究していた書斎や庭を見学。蚊にいっぱいさされてしまった。

ここで熊あんが研究してたんだ~、と思うとミーハーにも感激。
肝心のシンポジウムはさして面白くなかったので途中退席。
ぶらぶら歩いて、この旅で、と約束していた彼が、地元の貴金属店で四葉のクローバーのかわいらしいピアスを買ってくれる。
そろそろ、彼が予約してくれていたホテルにチェックインしてもいい時間になったので趣のある細道を散歩しながら

ディナーのお店の候補を考えつつ駅前に戻り、タクシーをつかまえてホテルへ。道中で、運転手さんによさげなお店情報をきいてみました。予約していたら時間制で露天風呂を貸し切りできるとかで、ちいさな船着き場のみえる露天風呂で彼ときゃっきゃっとたのしみました。
食事ができるようなお店が、どうも駅前のちいさな繁華街にしかないようなのでまたタクシーで駅方面へ。運転手さんにきいてみると、「そりゃ、『ひょうたん』が一番ですよ」とさきほどの運転手さんも挙げていたお店を薦めてくれたので電話してみると、2人分の席がとれた。新鮮な魚、天ぷらなど、写真に撮らなかった(食べるのに夢中で撮り忘れた)ものもいっぱい。満足でした~。

お腹いっぱいになって、わたしの胃腸の調子も万全でないのでおとなしくホテルに戻って寝ることになりました。ふたたび駅前でタクシーを拾い、途中コンビニに寄ってもらって部屋飲み用のお酒とおつまみ、翌日の朝食を仕入れてホテルへ。わたしは早々に寝落ち、彼がひとりでおつまみとお酒を始末したようです。

2日目

ホテルを出て、こんどは徒歩で駅へむかう。
海岸沿いのさびれた団地がよい感じ、団地っ子で特別な思い入れがある彼がはしゃいでいる。合気道の植芝先生の銅像をさんざん探して、工事中の囲いにほぼ隠されているのをようやく発見。


喫茶店に寄ろうと思ったけれど、なんと日曜は付近の喫茶店はどこも閉まっているのでありました。
昨日の「梅酒で乾杯」であれこれお土産買い、さらに駅前のお土産センターみたいなところで買物して、すっかり増えた荷物を駅のコインロッカーに預けて線路の向こう側にあるはずの、スパイスカレー狂の彼のために、これまたネットで調べておいたカレーのお店へ。なかなかスパイシーなカレーでございました。

しかし、このスパイスが胃腸の弱ってた身にはきつかったらしく、お店を出てあるいてきたら、また波が襲ってきました。しばらくは大丈夫だったのですが、散歩して、闘鶏神社ではない、ピアスを買った貴金属店すぐそばのちいさな神社の御朱印を、昨日誰もいなかったのでもらえなかったけど、きょうはひとがいる!と彼がお願いしに行っていたが、我慢できなくなってきたので「わたし、観光センターのトイレに行ってくる!」と彼をあとに残してずんずん、闘鶏神社ちかくの、きれいなトイレがある観光センターにむかって歩いていきました。
ところが、道を一本誤ったらしく、この道だと思ってた、そろそろつくころなのに風景が違うぞ…波の間隔がせばまってきたのに!と焦る焦る、ようやく正しい道をみつけて洩れない程度に足早に、2つしか個室ないから、そばを歩いている女性たちが先に入ったら危機だ!と必死でトイレに到達、なんとか間に合いました。

神社からまっすぐくればなんのことはない、すぐ着けたようです。
トイレから出て来たら、御朱印もらってニコニコ彼がこちらにむかってきたらば、なぜか反対方向からむかってきたわたしがものすごい形相でトイレに飛び込んだのがみえたそうです。
そのときの光景がよっぽどおかしかったらしく、いまだに彼から
「あのときのマリの姿は、傑作だったなあ」
などと何度もいわれます。
いまにみておれ。

落ち着いて、駅前の喫茶店でコーシーを飲んでから時間が近づいてコインロッカーから荷物を出し、電車に乗り込みます。
下し気味な旅でしたが、たのしかったです。
そして、懲りもせずに、新大阪駅で大好きな餃子をみつけて食べるわたしたちなのでした。

帰宅して「猫楠」を読み返したことは、いうまでもありません。

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