Essay Vol.4 "パリはどこもいい香りがする💐"
そう言った私に、彼女は「香りでブランディングしているのよ」と教えてくれた.
香りは直接脳に働きかける.
香りが脳にたどり着くまでの時間は約0.2秒.
記憶や言語を司る「大脳新皮質」は経由せず、本能的な行動や直感などを司る「大脳辺縁系」に直接届くのだ.
「香りでブランディング」とは、日本にいたときはあまり重要に感じていなかったが、
実際に香りでブランディングされてみると、その重要性がよく分かる.
香りにそのブランドが重要としているエッセンスがのせられて、それがそのまま私の脳から記憶と結びつき、ブランドに対するイメージそのものになってしまうのだ.
「目は口ほどに物を言う」とよく言われるが、目よりも直接、脳に物を言わせるのが香りなのだ.
では、私が重要としているエッセンスは何だろう?
私は人からどう思われたくて、どんな香りを纏うのが効果的だろうか?
フランスの老舗香水メゾンFragonardにて調香体験に参加しながら考えていた.
Fragonardは既に日本から撤退している.
自国の資産として香水を守るためである.
そしてそれが認められており、世界中からフランスにFragonardの香水を求めて人々がやってくる.
本当に価値のあるものならば、自分から外に出さなくても価値を理解して求めてくれる人はいるのだ.
もちろん、価値を理解させるために外に情報を出すことは必要だが、あえて強く出さないことによってより希少性が高まり良い効果を生み出しているのだろう.
フランスの高貴な老舗香水メゾンのように、私もビジネスを展開していきたいと感じた.
Fragonardの調香体験ではLILASを持ち帰らせて頂けた.
フランスの春を代表する香りであり、パッケージの色合いもパープル、ピンク、ホワイトと可愛らしいフェミニンな香りである.
まるでお城の庭から漂ってくるような香りのである.
この香りに包まれてお庭で優雅に読書やティータイムを満喫できたら夢のようだろう.
そんな夢見心地になれる香水は、私のお気に入りの寝香水となっている.
今まで黒ばかりのお洋服を着ていたが、最近になって明るい色や可愛らしい柔らかい色のものを求めるようになってきた.
怖がってガチガチになっていた時期を過ぎて、少しずつ自分の柔らかい部分を外に出すことにしている.
この香水はそんな私をふんわり優しく包み込んでくれるに違いない.
長くなってしまったので次回に続くが、私が自分のブランディングのために、どんな目的でどの香水を選んだのか?について書いていこうと思う.
次回 Essay Vol.5 "私はマリーアントワネットに選ばれなかった"
またね👋🏻
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