楽しむために生きる
ひとつ前のエントリで一年の振り返りをしたんだけど、後半より前半のほうがきつかったな。逆じゃなくて良かったけど。終わり良ければじゃないけど、悪くなっていくのってしんどいからね。ただ、前半のきつい時期に「後半以降は上がっていく」という理由のない確信があった。仕事とかも含めてね。そして実際にそうなっていった。その分、エネルギーを割けなくなったものもあるけど、そういうのは仕方がない。来年以降はもっと良くなる。そんな気がしてる。
10月からポッドキャスト聴きながら河原を走って、家でも少し筋トレをして、毎日体重計って…とやって、顕著に体重が落ちていくというのは面白かった。レコーディングダイエットって昔流行ったけど、数字をつけるのって確かに効果はある。ゲーム化するんだよね。いわゆるゲームって、タスクを設けてそれをいかにクリアするかという遊びでしょ。だからまずはストレス状態にさらされる。自分はまだこの段階なんだという現実を突きつけられる。そこからすべてが始まって、徐々に成果が上がっていく。だからハマる。その時に明確な基準があるといい。やってることが実になってることが実感できるから。この場合で言えば体重の数値だよね。そうするとやる気が出てくる。脳の報酬系を刺激することになる。脳は報酬がないとやる気にならない。脳ってのはとにかく手抜きをしたがるもので、逆に言えば効率的にやりたいという部分が人間には前提的にあるはずなの。
若い頃はダイエットというと「人に見せる」という目的が大きいと思う。要は痩せてモテるようになりたいとか、対外的な理由だよね。でも自分の場合はそうじゃなくて、やっぱり何かを自分の行動で変えてみたいってのがあった。それからダブついた腹がどうも気に入らないとか、そういう対自的な理由がほとんど。走ってると気持ちがいいとか、ストレスが発散できる感じがするとかね。健康目的と言ってもいい。やっぱりこの辺は歳だなと思う。でもそれはまったくそうで、自分のことを言えば父親の死んだ年齢を2歳ほど超えてるんだよね。これは不思議な感覚がある。晩年もそうだし、あの頃の父親は今の自分よりずっと年下だったのかとか…感慨深い。今の40〜50代ってみんな若いよね。自分も含めて。髪型も何もかも、若いまま来ていて、いわゆる昔のおじさんっぽい格好をしようとはならない。カラオケスナックに行って演歌聞いてとか想像できないもの。
あと、ダイエットの話に戻ると、体重絞ってから気づいたけど、太ってた時期も相手はこっちをちゃんと見ていて、でも「太ったね」と言わない。痩せてから「そういえば最近結構…と思ってました」みたいに言う人が男性で何人かいた。傷つくと思われたんだろうね。優しいと言えば優しい。痩せたから安心して言ってくれる笑。
価値観っていう言葉がある。ざっくりいうと物事の優先順位、人によって違うプライオリティのことだと思うんだけど、それについて言えば自分はやっぱり歳を重ねて変わった。もう10数年、子ども最重要という暮らしを続けてきたんで、自分だけの楽しみ…店とか飲食とか買い物とか、要はお金を何に使うかという部分で昔から大きく変わってしまった。自分だけの贅沢のためにお金を使うことに引っ掛かりを覚えるようになった。外食って高いじゃない。でもいくら美味しくても高いのは嫌だな、みたいに感じてしまう。趣味嗜好ってある意味で贅沢な暇つぶしだからさ、そして暇というのはどんなことでも潰すことはできる。お金をかけなくても楽しめるし、自分は特にそういうのが得意といえば得意で。このお金は娘の月のお小遣いの倍くらいだなとか、まあ、あまりいいことじゃないと思うんだけど、思っちゃう。自分のためだけの楽しみって十分やってきたなと思ってるから。実際、昔は無茶なお金の使い方をした時期もあるしね。宵越しの金は持たないじゃないけど、飲み歩きってやっぱり湯水のようにお金を使うことになるわけだから。若い頃はそれで楽しかったし、そういう時期もあっての今かな、と。
節約がいいとも思わない。「爪に火をともす」なんて言葉があるけど、汲々とすることは楽しくない。誰しも、楽しむために生まれてきてると思うんだよね。だからそこを一律で否定するつもりはなくて、自分にとって何がプライオリティかってこと。プライオリティが若い時から変わるのは仕方ないと思うわけ。
それから、自分はこういう人間だ、自分の毎日にこれは欠かせないんだ、と思っていたら単にそれはルーティン化した習慣だっただけ、なんてことは普通にあると思う。それは自分が身を持って実感している。実は人生になくてもいいものなんてたくさんある。棚卸しじゃないけど、時々チェックしてみるといいと思うよ。新しい自分の嗜好が生まれるかもしれない。楽しい発見がある。
趣味で言えば、映画を観たい時期、本を読みたい時期、漫画を読みたい時期、音楽に耽溺したい時期、いろいろある。どれか一つじゃなくて複数重なることも当然あるし、全部が同時進行ということだってある。同じ人間だからってずっと同じじゃないよね。脳以外の細胞はすっかり入れ替わっていくわけだし、別人みたいにリフレッシュすることだってちっとも不自然じゃない。過去の自分に、関係に、嗜好に、あらゆることにこだわらない。それが自由ってことだし、自由ってめんどうだけど楽しいことだし。さっきも書いたけど、誰もが楽しむために生きるべきだと思っているからね。
やぶさかではありません!