マガジンのカバー画像

詩作のラボ(実験室)

221
何故かあまり見ない聞かない「詩や和歌」などの実験的な試み。こんな物好きなことをしている人間は、きっとこの世にあまりいないのだろうと思います(笑)読んで、見て笑ってもらえればありが…
運営しているクリエイター

記事一覧

いやらしさ【詩】

もう それしかない 手段は『選り取り見取り』の筈が 何が何だか よく分からず 始終 気まずく 目も交わさず そんな自分でさえも甘やかして 上から下まで 全部残らず 心も渡して なのに それでも見た目は変わらず すり替わったのに 誰も怪しまず こんな茶番は終わらせるしかない 『今も、これからも大事』の筈が 此処には居らず 行方も分からず… * 人知れず 闇の領域に 関われば 道行く誰もが ただ羨ましい (20250216/私之若夜=しのわかや) ※画像はCanv

痕跡【詩】

立てる親指 敢えて踵で 山道の脇に 積もる雪の辺に 残す足跡 目をやれば 靴の踵も 敵わぬか 兎・猪・  鹿の足跡 (20250215/私之若夜=しのわかや) ※画像はCanvaからいただきました。

痛み【詩】

新しい街が ギシギシ軋む音と 未来の景色は 神の導き 明日は 朝の渡し船 光り輝くのは 風と星 いち早く その場から逃げる そんな役回り こんな知らせは 嬉しくもない 『痛いの 痛いの 飛んでけ』 そう言われたけど あまり変わりはしなかったから あとで やっぱり鎮痛薬を塗る 心は『消えた恋』の忘れもの 昨日のことなら 後の祭りと 君が微笑っても 僕は笑えない 厳しかった瞳の上の逆さまつげ やがて やり場のない気持ちから 優しい誰かに 八つ当たり (2025021

春の雪【詩】

溶けて水中へ 消えるしかない 降り積もることの出来ない湖面の雪は 色という色を持たない泡色に――― それが哀しい そして やがては 川となり大海原へ流れるか 霞となって消えるか しかない *   +  - ・ -  +   * 雪解けの里に 爛々と萌える若草 自然の理に逆らわず やがて来る春は 美しく きっと優しい (20250212/私之若夜=しのわかや) ※画像はCanvaからいただきました。

チグハグなのに美しい黄昏【詩】

待ちに待っていた最新話  いきなり世界滅亡の危機 こいつは便利な早わかり  着替えに都合のよい壁鏡 相方は風邪で熱が出て『一回休み』  でも僕は、運良く『休み』も『戻る』も知らず 強引に、何があっても即、言い逃れ  そんなのだから、何時も危険な綱渡り 『ダメ給湯器』で、空っぽのカラン   そんな時こそ役立つ『ヤカン』?  ~ 今、明かされる真相真理 ~ 最悪の神、復活のとき  とんだ災厄に見舞われて   苦しみに、藻掻き疲れた    日溜りの空気は寧ろ穏やかで

無題のメモリー【詩】

「おお、肘が、ああ、痛い、いたい!」と感嘆詞 「もういいかい?」の  問いかけは  あるもの ないもの 全てを擬人化 罪なケーキも 涙した深夜 お月様だけ勇み足 真っ黒な闇が 淹れたカプチーノ 苦笑いする天の川 「どうしたことか  何にも出ないや」 目に映る すべてのものは神隠し カチャカチャと 倒れるドミノ カゼ ニ マウ チイサナ カレハ タチ ワ イロ アセタ イクセン バ モノ オリヅル カ 閉じ込められた夜は 真っ暗な記憶の小部屋 (20250210

スダチ【詩】

今夜の鍋に悩むスダチ 代わりに使うカボスなら それはそれでも割とよい * 任せてしまえ 後のことなら いいよ いいから 知らなくて いつかやめたいと その覚悟なら とっくに出来ていたわけだから 所狭しとビルは建ち並び 淡々と歩く冬の街角 未だに引きずる 由々しき事態 見えないはずの屋根の上 花は すべてが籠の中 かごめかごめを止めるわけもなく 心の筆が描く偽りと 延々と続く悪夢の風景 抜けねば解かれぬ 忌まわしき呪い 今後のことに悩み 巣立つ 誰かが神輿を

論争ですか?【詩】

焼き鳥が 唐揚げよりも わずかに清酒の肴で勝るのは 飲み方がビールなどよりのんびりと しているからだと お猪口が呟く 柔らかいのが 堅いのよりいいのは 若い頃より歯も顎も弱くなってしまったから 飲み屋で頼む肴にも それが影響してしまっても 仕方ないことと 徳利が頷く 優しさに かまけて ワガママな性格は 罵られても しようもないことと 燗瓶が囁く (20250208/私之若夜=しのわかや) ※画像はCanvaからいただきました。

詩的世界【詩】

スタイリッシュな それが持て囃されて 埋もれて消える ささやかな唄 インテリジェントな人が笑えば 「前へ倣え!」と士官は宣う 烏合の衆との軋轢に 四六時中苦しんだが 吐いて出たのは ブリキの剣を羨む歌 それでも敢えてストイックなまでの法に導かれたら 妥協を許さぬ なんと際疾い目 * インディペンデント! これぞ孤高の極み 大いなる独断と偏見を愛しむ詩 (20250207/私之若夜=しのわかや) ※画像はCanvaからいただきました。

ミルラ/幻想詩【詩】

堕天使たちは 全能の潮を 嘲笑う 速やかな技 密やかな 意思で 全知の神を 嘲笑う * さわやかな空 鮮やかな 景色 未知の可能性と 無謀な若さとで 荒れ野を駆けてゆく 罪深き子山羊を見送る * あれら原始のものは 古代の御霊 硬い岩の中に 薄暗い地下室があり 至極厳かに没薬の香りが漂う (20250206/私之若夜=しのわかや) ※画像はCanvaからいただきました。

電撃傷*でんげきしょう【詩】

コンセントに触れて痺れた指の腹は 問答無用の火傷ヒリヒリ 「まさか、自宅に忘れ物ですか?」 「うん、多分突然感電した所為かな」 (焦って、ニヤリと笑う) * そして あの手 この手は つまり すなわち どの手か迷い続けて 朝から雨は降り止まず 日は暮れてゆく (20250205/私之若夜=しのわかや) ※画像はCanvaからいただきました。

化学*ばけがく【詩】

多分やり切れない きっと書き切れない どうも割り切れない 基本の式の滅茶苦茶な多さ * マグネシウムリボンが燃え尽きたとき はらり 優しく散った花片や 果てはカラカラに萎れた朴の葉 そして別れの冬の朝 誰かの誰かが 別の誰かと 多分 知らない誰かの耳へ すやすやと寝息をかける 睦月 如月 * 溶けるカルシウム ほぼ変わらない二つのリトマス プテラノドンの頭の角 そして始祖鳥の飛べない翼 あまり役には立たない代物 寧ろ 隠された事実とは さらり 忘れてしまいがち

ソドムとゴモラ/幻想詩【詩】

どうやら 例外なのかどうかは 見分けが付かないが とりわけ ファンファーレは流れたのか? ソドムとゴモラを 遙か目指して 楽園から離れた原野と 死海の湖畔の草地から どうしたものか ぐるぐると回る 檸檬色の火の手 蜜柑色の灯火 * ファラオの谷か 替わって マヤか それともチグリス・ユーフラテスか 謎の遺跡にひそむ神 落胆すべきは 甘美な景色の様変わり 知らずに触れた天使の手 何処までも続く地の果てに 照らし出された古き城 (20250203/私之若夜=しのわか

新境地【詩】

毎日したい 秘密の遊び 拘りたいけど 疲れた時は やっぱり布団が いちばんいい 解放したい 小鳥の囀り 偽り続ける いかれた狂気に 窶れた心 でも何となく生きている 転向したい 本音の方へ 惑わされないで 敷かれたレールに やがて気付いて 自分の道を切り開くため (20250202/私之若夜=しのわかや) ※画像はCanvaからいただきました。