山口出張記
2024年1月某日の朝、私は仙台空港を飛び立った。
今回は山口で用事がある為、福岡空港を経由して向かう。
私は所謂乗り鉄なので、基本的に鉄道を利用して移動するようにしている。
しかし、夏に新幹線を利用して山口に向かった際は片道6時間近くかかったため、流石に今回は飛行機を利用することにした。
観光に使う時間はあまりないが、折角山口に行くので、本州最西端の地・毘沙ノ鼻に行ってみることにした。
私はこれまで潮岬(南)・魹ヶ崎(東)・大間崎(北)に行ったことがあるので、毘沙ノ鼻(西)で本州四端をコンプリート出来る。
仙台ー福岡間はIBEXの便が就航している。
小型の飛行機であるという事は聞いていたが、予想以上に小さくて驚いた。
非常に狭いが、普段LCCばかり利用しているので、コンソメスープのサービスがありがたい。
2時間程で福岡空港に到着。
1か月ほど前にも友人と九州旅行で福岡空港に来ているので、1人で歩いていることに若干の違和感がある。
地下鉄に乗車して博多駅に向かう。
空港線はJR筑肥線と直通している為、JRの車両が乗り入れている。
折角博多に来たので、明太子を食べようと駅ビルにある椒房庵へ。
開店前にも関わらず既に行列が出来ていたが、1人だったこともあり直ぐに入店することが出来た。
料理は勿論美味しかったが、2,100円は若干割高か。
レストランフロアは掃除ロボットが巡回していた。
最近導入されたばかりなのか、周りの客も物珍しそうに見ていた。
山口に行くまでにはまだ時間に余裕があるので、博多周辺で行きたい場所を探し、福岡市の有名な神社・香椎宮に行ってみることにした。
JR鹿児島本線で香椎線との乗換駅である香椎駅へ。
香椎線は全線非電化だが、蓄電池電車が投入されているため車両の乗り心地は良く非常に綺麗。
1駅で香椎宮の最寄り駅に到着。
正式名称は香椎「宮」だが、駅名は香椎「神宮」となっており紛らわしい。
数分ほど歩いて香椎宮に到着。
一般的な神社とは一風異なっており、「香椎造」と呼ばれる独特の構造であるらしい。
御朱印を頂こうと思ったが、現在は書き置きのみとなっていた。
勿論直書きと書き置きで御朱印の有難みは変わらないとは分かっているが、どうしても書き置きは味気が無い気がしてしまう。
しかし「じゃあいらないです」と言うのも失礼な気がして、書き置きの御朱印を貰った。
なるべく未乗区間を潰す為、来た道を戻るのではなく香椎線を進み長者原駅へ。
長者原駅は香椎線と篠栗線が交差している為、立体的な構造になっている。
博多駅へ帰還。
ここからは新幹線で山口県・徳山駅に向かう。
山陽新幹線は徳山ー博多間だけ未乗だったので、今日でコンプリートすることが出来る。
新幹線に乗車し、ポケットからワイヤレスイヤホンを取り出すと、片方を紛失していることに気づく。
恐らく博多駅で落とした。無くして新しいイヤホンを買ったばっかりだったので非常に暗い気持ちになった・・・
その後は徳山で用事を済ませ、現地の人に徳山のスナック等に連れて行ってもらったりした。
翌朝、徳山駅近くのホテルを早朝に出発し、再び博多を目指す。
今日はただ帰るだけではなく、下関市の本州最西端の地・毘沙ノ鼻に向かう。
昨日会った人に「毘沙ノ鼻に行きたい」と話したところ、「明日は天気が荒れるので大変なのではないか」と言われていたので心配していたが、早朝の時点では大丈夫そうだ。
JR山陽本線で新下関駅へ。
道中雪が降り始めて薄っすら積もり始めていたので焦ったが、何とか天気が回復した。
ここからはレンタカーで移動になるので、雪が積もったら断念せざるを得なかったかもしれない。
一人で車を運転したことは何回かあったが、全て友達を迎えに行く、など短時間だったので、最初から最後まで一人で運転する最初の機会となった。
雪は降っていないものの、風が強く吹いていたので車が煽られて大変だったが、40分程で毘沙ノ鼻に到着。
道中は日本海沿いを進んでいくため、非常に良いドライブルートだった。
駐車場には先客がいたが、丁度帰る瞬間だったようで一人になった。
駐車場から数分歩き、毘沙ノ鼻に到着。
風が非常に強く、雪が降るような日なので非常に寒い。
海面上に局所的に霧のようなものが発生していた。
毘沙ノ鼻の先には、蓋井島が見える。
調べてみると、学校などもある有人島らしい。
ひとしきり最西端の地を堪能した後、車に戻る。
毘沙ノ鼻訪問後は新下関駅にすぐに戻るつもりだったが、まだ少し時間があるので本州最西端の駅・梅ヶ峠駅にも立ち寄ってみることにした。
15分程で梅ヶ峠駅に到着。
山奥という訳では無く、そこそこ交通量のある国道の脇にひっそりと佇んでおり、最初は通り過ぎてしまいそうになった。
駅の読みは「うめがとう」で、峠を「とう」と読むのは山口県特有らしい。
駅入り口に掲げられている看板が、ここが本州最西端の駅であることを主張している。
ホームにはデカデカと本州最西端の駅と旗が掲げられている。
山口県PR本部長のちょるる、初めて見る気がするけど毘沙ノ鼻にはいたのかな・・・
見たいところは見られたので新下関駅に引き返す。
丁度良い在来線も無かったので、新幹線で小倉へ。
博多に直行すると時間が余るので、小倉からはJR九州の未乗路線を乗り継いで行くことに。
山陽新幹線はJR西日本管轄なので、在来線への乗り換えは「JR九州線」と表記されているのが面白い。
北九州市は周辺五市が対等合併し、旧五大都市に次いで政令指定都市となった重要な都市。
市制60周年ということで小倉駅にはそれを示す掲示がたくさんある。
北九州はうどんがソウルフードとして有名らしいので、資さんうどんという店に食べに行く。
小雨が降る中数分駅から歩き、目的の店に到着。
非常に混んでいたが、回転も速く少し待つと着席することが出来た。
店内は一人用の席が多く、タブレットから注文を行う形式になっていた。
人気No.1らしい肉ごぼ天うどんを注文。
安くてボリュームもあり、何より美味しかった。
このようなローカルなチェーン店は、個人的には結構満足感が高いことが多い。
駅に戻ると天気が回復していた。
ここからは日田彦山線・後藤寺線等を経由して博多に戻る。
乗車するキハ40系。
昨日は非電化路線で蓄電池電車が走っていたので、このような国鉄型列車がいるとは思わず驚いた。
1時間程乗車して終点に到着。
田川後藤寺駅はこぢんまりとしているが、鉄道の要衝となっている。
日田彦山線はこの先久大本線の夜明駅まで繋がっていたが、九州北部豪雨の影響により、鉄道運行は添田駅までとなっている。
続いて後藤寺線の新飯塚行。
列車は同じくキハ40系だった。
30分程で新飯塚駅に到着。
ここからは筑豊本線・篠栗線を経由して博多駅へ。
博多駅では、無くしたイヤホンを探すためにまず新幹線の忘れ物センターへ。
落とし物は届いておらず、新幹線改札内のトイレなども自分で探したが見つからず。
しかし最後に在来線の忘れ物センターで聞いてみると、なんと私のイヤホンが届いていた。
改札付近に落ちていたらしいが、あの人ごみの中でイヤホンを拾い上げてわざわざ届けてくれた心優しき人がいたようだ。
博多の人の優しさに感動しながら、私は福岡空港に向かい仙台へと帰った。
ここまでご覧いただきありがとうございました。
ー完ー
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