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年10冊しか本を読まない人間が博打で出版就活をしてみたら|光文社新入社員おいもの出版就活

検索エンジンに[出版社 入るには]を入れると、「出版を目指す人は、本をたくさん読むべきです。」なんていう文章によく出会います。

その文章を目にした大学3年生の私は
どうしよう、と焦りまくりました。

活字中心の本は
年に10冊も読んでいなかったから
(一応文学部だったのに…笑)

でも、今考えればこんな記事に惑わされていた自分はバカだなぁと思います。

本をたくさん読めば出版社に入れるか?
というと、そういう訳ではないと容易に想像していただけるのではないでしょうか。

これは余談ですが、

私はマンガが大好きです。

(早速余談かよ、って思った人、ほんとすみません。)

もちろんアニメも。世の中にはその類の猛者が多くいるけれど、マンガに対する愛の深さは一般女子大生の中では上位に来るのではと自負していました。

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▲専門の教授もいないのに、卒論テーマもマンガについて。このテーマを許可してくれた大学にはとても感謝している。少年マンガと少女マンガの構造的な違いについて分析。少年マンガは少しずつ少女マンガ化していると考察した。


「でも、光文社はマンガより女性誌じゃね?」

はい!いまそう思った方!大正解!!!

私も同じことを思いました。

じゃあなんで今この会社にいるんでしょうか。

今回は、
ネット記事に惑わされるほど出遅れていた私光文社に内々定するまでの紆余曲折をお話しします。

◼️序盤編「もしかして、スタートラインにも立っていない?」

その①【大学3年生2月】
焦りと不安から、各出版社の採用サイトを読み漁る。不安をかき消すヒントを探したが逆効果だった。むしろ、“自分には無いもの”が際立って見えてもっと不安になった。

この“自分には無いもの”とは▼

・OB訪問をしてない
・インターン行ってない
・サークルで幹部をやっていない
・長期留学もしていない

…といった奴らです。
うーん、すごくネガティブ。笑

ただでさえ高倍率の出版就活。
ライバル達はすべき対策を軒並みやってるに違いない。

「出版社に入るために最低限やるべきことすらできていないんじゃない?」

内定者の体験記を読むと
そう言われてる感じがして後ろめたい気分になりました。

その②【大学3年生3月】
やばいかもしれないけど、とりあえずやってみようと決意。「チャンスがあるなら一か八か挑戦」と綺麗な言葉を掲げ、説明会にエントリーしまくる。

こんな絶望的状況でも進むことを選んだのは、多分自分の性分のせいですね。

私はとても我儘で強欲な人間。
一度興味が出てしまったら何としてでも食らいついていたいと考えます。

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▲強欲さの証拠として…。私は限定版とか初回盤とかに弱い。これらを手に入れることはもはや、義務だと思っている。過去作品などでもう書店に並んでない場合はだいたい金で解決する。(オークションで落札)

ともかく

当たらない宝くじはねぇ!!!

というノリで飛び込んで行きました。
(もちろん他の業界も受けましたよ!)

◼️中盤編①「優れるな、異なれ」

【大学4年生4月】
ESの提出ラッシュ&早いとこでは一次面接。先輩のESなども全く見ずに我流で挑んだので当然惨敗。書面で通らないと会ってももらえないんだ…と今更ESの重要さに気づく。まじで遅すぎ。

改めて現実の厳しさを痛感したわけですが、
悪いことばかりではありませんでした。

説明会や面接で会社に出向くことが増え、
色々な気付きを得たからです。

一番の発見は
【出版社にも色があり、応募者にも色がある】
ということ。

それまでの私は
自分が出版社に見合うかどうか、
優劣で考えていました。
しかしライバル達や会社の雰囲気を見て、
相性について考え始めました。

“この会社は何を求めているのか”
“それに応えるために自分の何を
アピールしたら良いのか”

これらを常に念頭に置くことで
より一社一社に向き合う姿勢が強まったと思います。

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▲真ん中あたりの「優れるな、異なれ」はまさに私の就活のモットーだった。これは就活特集のJJ 2020年3月号ですが、就活が終わった後読んでもためになる内容ばかり!バックナンバーは光文社HPよりお求めくださいっ⭐︎(宣伝)


◼️中盤編②「決死のテコ入れ」

【大学4年生5月】
一つ一つの会社と自分の相性を意識するようになってから、ESは8割がた通るようになる。筆記もだいたい通る。しかし今度は面接の壁にぶちあたる。グループ面接が本当に苦手で、卑屈になっては半泣きでお母さんに電話していた。

会社との相性が重要、とは言ったものの

面接で落ちる度に
「合わなかっただけ、しょうがない」
と切り替えるのには結構時間がかかりました。

特に辛かったのは、面接中に
「この面接官、私に興味なさそう」
察してしまう時。
グループ面接なんか反応の差がよく分かるので
メンタルえぐられまくり。

このままじゃやばい…!
ある時、
意を決して面接のやり方を変えました

反応が良かったものを少しずつ取り入れて、
5月終盤には下の4つを特に意識して行うように。

①定型文を用意するのをやめた
 →どんなことを話すかはなんとなく決める
  けど、文章を暗記しない。
②これだけは聞いて!というプレゼンを準備      
 →志望雑誌の企画を考えて紙芝居したり
③眠い面接官を叩き起こすつもりで
 →私の話!聞け!!!と言わんばかりに
  面接官の目をガン見。むしろ緊張させる。
④面接官をスイミングの子供達と思う
 →声を張る!ハキハキ喋る!表情豊かに!(アルバイトでスイミングコーチをしていた)

これは完全に自己流で、
習うより慣れろ!!!という感じ。
なので他の方の参考になるかは分かりません…

ただ、一生懸命話して反応が貰えると
すごく嬉しかったんです。
鉄仮面のおじさん達が
笑いながら話を聞いてくれたら、
「自分に興味を持ってくれてるな」という実感が湧きました。

それでもお祈りされたら、
「合わなかったんだな」
と考えるようにしました。

◼️終盤編「もう、後がない」から光文社に

その①【大学4年生6月上旬】
突破口が見つかり、二次面接以降に進めることが増える。しかし数々の本番を犠牲に成長したため、持ち駒がほとんどない。この時点で内々定はゼロ。15社くらい受けてた出版以外の業界も全滅し、持ち駒は出版社4社のみに。

手応えを感じる一方で、この頃には焦りも増してきました。
もし全滅したら進路はどうするか…
そんなことを親と相談したりしました。

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▲K-POPグループ・ITZYの달라달라という曲は、就活終盤のテーマソングでした。「あなたの基準に私を当てはめないで」「これが私なの」「自分のことは自分が一番分かってる」という歌詞の数々で、強気な気持ちになれました。


その②【大学4年生6月中旬】
後がない、けどやるしかない。今までより一社一社に真摯に向き合った。出版社は最終面接でも結構人数を残している(募集人数の3倍くらい)ので気を抜けない。自分らしさを必死でアピールして、なんと光文社から連絡を貰う。

結果的に、光文社は最初で最後の内々定先になりました。
就活序盤を考えると、正直、運の良すぎる結果だと思います。

もし内定した理由を考えるなら、
以下の2点があるのではないでしょうか。

①自分の動機と会社の方向性が合っていた
②自分らしさをしっかりアピールできた

(…普通ですね……笑……)

私の志望動機は
“コンテンツが私に与えてくれた豊かさ・ときめきを自分の手で伝えられたら素敵だな”
という思いからです。
(出版社により志望動機は微妙に変えました)

①に関しては、
紙の本に限らず
いろんな視点のコンテンツを広めたい!!!
という気持ちが社風に合っていたのだと考えています。

とはいえ、これらを言葉で語るのは簡単です。

口先だけでなく態度で示し、

「私が御社に入ったらこんな風に活躍できます!!」

とイメージさせるのは難しいと思います。

私の場合は「人馴染みの良さ」を面接の雰囲気作りでアピールできたことが評価されたそうです。
中盤編②でお話しした4つのポイントを意識したおかげで、
編集者に必要な人柄をイメージさせることにつながったのかもしれません。

ところで、
マンガ好きなのに何故光文社?
という問いがまだ残ってますよね。

これ、実は、面接で聞かれました笑笑

「マンガも作りたいけど
コンテンツに興味があるのでこだわってません。」
と回答。

一概に「好きなもの=仕事でやりたいこと」ではないということに気付き始めていたので、うまーーくやり過ごしました笑

(果たして正解かは分かりませんが…)

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▲光文社のESには好きな本ランキングを書く欄がありました。私が1位に書いたのは某大人気海賊マンガ。いや!少しは忖度しろよ…!!!
でも面接では「自分に似たキャラは何ですか?」と質問してくださいました。当然そんな答え用意してるわけもなく。笑 捻り出した答えは「ボ●・クレー」。若干すべりました。


◼️努力は必ずしも報われない

私は少年ジャンプ信者(友情・努力・勝利を掲げている)でありながら

「努力は必ず報われる」という言葉が大っ嫌いです。

努力は平気で人を裏切る。
15年競泳をしてたこともあり、
このことは嫌というほど分かるのです。

でも、やらなきゃ何も変わらない。
宝くじだって、買わなきゃ当たらない。

内定者の綺麗事だ、と思う人もいるかもしれません。
それでも、私は賭けたんです。
当たるか分からない宝くじに、自分の人生を賭けた。
ただの世間知らずだったかもしれないけど
その勇気は嘘じゃない。

ただのマンガヲタクががむしゃらに頑張って
出版社に拾ってもらえた話が、皆様の参考になるかは分かりません。

だけど、出版社は
「こんな人が入る!」というのが決まってない業界です。
誰が入ってもおかしくないと思います。

もし興味があるなら、博打でもいい、

一度自分の人生、試してみるのも
どうでしょうか。

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▲私の大好きなマンガ『バクマン。』(青年がマンガ家を目指す話)の世界観をオマージュしました。私の好きな主人公のセリフをご紹介します!
連載するまでは「うぬぼれ」「努力」「運」
連載してからは「体力」「精神力」「最後は根性」
今の自分に当てはまる気がしています。
マンガの読みすぎ?でも、これが私!と思って頑張ります!!!

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