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出版社と就活生における愛の適温🔵

0. はじめに

はじめまして、内定者の🔵です。
このページを開いてくださり、ありがとうございます。

光文社の採用試験では「CLASSY.」、次いで「文芸」を志望していました。

いわゆるキャッチーな趣味もなければ、読んできた本の数も多くない私。
ラッパーや芸人、留学など豊かな経験を持った同期たちと並んでいることがいまだに信じられません。

唯一負けないものがあったとすれば、入社への執念くらいだったと思います。

出版社で働きたい、という目標と出会えたのは大学3年の夏

それまで進路どころか、何が好きで何が嫌いかさえわからず、自分探しの日々を送っていました。

変人が集うらしい出版就活で目立てるような特技も、インターンの経験もなかったので、
周りに全力でお世話になり、思いつく限りの事前準備をして選考に臨みました。

そんな試行錯誤の一部始終を、素直に具体的に書き残します。

僭越ながら、少しだけ自分の話もさせていただきますので
就活情報だけが欲しい方は、目次から2に飛んでください。

ここに辿り着いてくださったあなたの背中を
少しでも押せたら嬉しいです☺︎



1.私は何者なのか

(1)略歴

年齢: 22歳
学歴: 文系学部4年
所属: 一般社団法人の討論団体(大3夏〜)
アルバイト: ゴルフ練習場の受付(大1〜)
資格: TOEIC830、メンタル心理カウンセラー
MBTI: ENFJ-A(主人公)
趣味: 本を読むこと、ラジオを聴くこと

私はいまやりたいこと、いま会いたい人に没頭してきたので、さまざまな所属やアルバイト、趣味を経験してきました。

その結果出来上がったのは、一貫性の感じられない履歴書

ぱっと見たら、「ふわ〜っと生きてきたのかな?」「継続力がないのかな?」と思われかねません。

なによりツッコミどころがひとつもない!趣味が読書とか当たり前すぎる!!

そうはいっても時期はすでに大学3年の夏。
いまから就活のために何かを始めるのは現実的じゃない。

戦い方を考えなければ勝てないと思い、自分の手札を確認することから始めました。

(2)年表

〜高校=ダンス
3歳から小学校6年まで習い事としてダンスを続け、中高では6年間ダンス部に所属。
全国大会で入賞するくらいには全力で部活に打ち込んでいました。
300名近くいた、年齢も熱量も異なる部員に想いを伝える難しさが、その後の活動にも繋がっています。

大1=大学生を謳歌
部活動での厳しいルールから解放された反動で、英語劇、政治系、ダンス、フットサルなど11個のサークルに入会しました。
夏休みが明け「もう十分楽しんだな」と感じ、すべてのサークルを退会して、アルバイト漬け生活を開始。
10時から22時まで、ゴルフ練習場や結婚式場、カフェ、ライブハウス、英会話教室などの職場で働きました。

大2=大学の外へ
THE大学生的なことに満足し、学外の世界も知りたくなった私。
せっかくならダンス部時代に抱えていた「伝える難しさ」に再度挑もうと思い立ち、アルバイトで貯めたお金を持ってアナウンス学校へ入学。
発声や基礎技術を学び、アナウンサー志望の友人たちにまじって学生キャスターオーディションにも挑戦しました。

大3=いろんな人と対話
いくらテクニックを学んでも内容がともなわなければ意味がないと気づき、アナウンサー学校を卒業、一般社団法人の討論団体に入会。
祖父母と同世代の理事会メンバー、社会人のアラムナイ、他大学の学生など、世代や背景の異なる人々と日常的に対話する機会を得ました。

・・・

読書量や知識量では戦えないけれど、

「行動力」「やり抜く力」「素直さ」という私の強みは、出版社が求める資質に含まれているのではないか?

そのように考えて、手札の出し方を工夫するようになりました。

(3)出版社を目指したきっかけ:一人の編集者に恋をした

目の前のことに一生懸命向き合ってきたものの、それらがうまく線にならず、進路に悩んでいた頃。

コムドットのYouTube動画に、彼らの写真集を担当された方が出演されていて、初めて編集者という仕事を知りました。

その後、彼女のインスタグラムをなんとなくフォロー。

SNSから誰かを好きになるなんて自分にはあり得ないと思っていたけれど、投稿に綴られた仕事観や人間観に触れるうちに、情熱と冷静さを併せ持つ姿に強く惹かれました。

「こんな素敵な大人がいる出版業界ってなんなの...?」と、気づけば彼女に会うため東京から一人福岡へ。

何も持っていない、ただの大学生の拙い質問にまっすぐに向き合ってくれた夜のことは、きっと一生忘れられません。

彼女のような大人が最前線で活躍する業界で働きたい。

そう素直に思ったのが、出版社を志した最初のきっかけです。

私の好きな歌詞のひとつに「出会いは未来だ」があります。(「光の跡」/ 星野源さん)

彼女との出会いから目指したい職業を見つけられたように、                
私はこれからも自分の足でたくさんの人と会い、見て、聴いて、感じて、人生をさらに豊かにしていきます。

しがらみや制限なく、大人が真剣に向き合ってくれるのは学生の特権だと思います。

何かに悩んだときは、イケてる大人と同じ空気を吸いに行き、世界を広げるきっかけをつくることをおすすめしたいです☺︎

2.出版就活について

(1)就活概要

就活期間: 大学3年6月〜大学4年6月
受けた企業: 7社(すべて出版社)
OB・OG訪問: 4名
インターン: 3回(すべてIT系)

🔸受けた企業
行きたい会社しか受けたくない!というわがままを押し通してしまいましたが、
もう一度就活生に戻るなら、本命までに選考を受けまくると思います。
だいたいどの企業からも似たようなことを聞かれるので、面接官の反応を参考に回答をブラッシュアップするうちに面接の通過率が上がりました。

🔸OB・OG訪問
訪問した時期は、大学3年の6月、9月、1月、そして大学4年の6月です。
若手社員の方2名とベテラン社員の方2名にお時間をいただき、ESの書き方から面接で困った質問、紙媒体の限界と未来についてなど幅広くお話をうかがいました。
何をどう頑張ればよいかわからなかった私にとって、効率的に事前準備を進めること、そして就活のモチベーションを保つことにおいて、非常にありがたい機会でした。

🔸インターン
内定に必須かと言われれば、そうではないと思います。
とはいえ知らない世界を覗けるのは貴重ですし、おいしいお弁当を食べたり、意識の高い同世代と出会えたりできることが素直に楽しかったので、人生経験としておすすめです。

(2)ES、作文

🔸ES
添削時にいただいた以下のご助言を参考に、
ギリギリまでブラッシュアップしていました。

1.構成と表現
・結論から述べる
・志望動機に繋げる
・固有名詞と数字を含めて具体的に伝える
・無理に迎合しない

2.表記
・文末を揃える
・「」と『』の使い分けや作品名の書き間違いに注意する

3.会社や世の中への理解
・会社や本について調べたことは書く
→ 国会図書館でバックナンバーを1年分読んだりして、自分なりに考えたことを含ませる
・世の中は何を求めているのか考える
→ 自分の興味を企画のきっかけにするのはよいが、それをどうやって売るのかまでを学生なりに考えてみる

(3)作文

特に対策はしませんでした。
ただ、日頃から聴いているラジオ番組が情報源になったり、好きで書き続けている日記が作文の抵抗感を減らしてくれたりと、日常的な習慣が結果として役立ったように感じています。

以下の3番組は、就活生にもおすすめです。

①「ゆとりっ娘たちのたわごと」 / かりんさん、ほのかさん(Apple Podcasts)
「カフェの隅で繰り広げられるOLの会話を盗み聞きできる」がコンセプト。お2人が話されていたハマっているエンタメや日常の些細な違和感がアイデアの種になったりした。

②「上坂あゆ美の『私より先に丁寧に暮らすな』」/ 上坂あゆ美さん、鵜飼ヨシキさん(Apple Podcasts)
こちらも雑談番組。令和ロマンくるまさんが脳裏を掠めるような、上坂さんの高い分析力と言語化能力のおかげで、言葉の引出しが広がった。

③「NIGHT DIVER」 / カツセマサヒコさん (TOKYO FM)
闇バイトから文学フリマまで幅広いテーマを取り上げ、その道のプロをお呼びして語り合う番組。社会問題やエンタメ時事と出会うきっかけになった。

結果として就活の役に立ってしまいましたが、就活とか関係なく、純粋に大好きな番組です。

(4)Webテスト

『これが本当のWebテストだ! 【玉手箱・C-GAB編】』という参考書を購入して、満点が取れるまで繰り返しました。
「中学受験をしていれば余裕だよ!」と言われることもありましたが、まったくそんなことなかったです。騙されないでください。

(5)面接

聞かれそうなことをひたすら書き出して、以下のような想定問答を2枚ほど作っていました。

丸暗記したわけではないけれど、考えるきっかけをつくったことでエピソードの引出しが開けやすくなり、どんな質問にも焦らず向き合えたような気がします。

ちなみに以下のような想定していなかった質問もたくさんありました。

・好きな本に女性作家が多いが、男性作家は読む?
・ゴルフのプレースタイルは?(ゴルフのプレーには性格が出やすい)
・嫌いな人は?その人を私に薦めて
・雑誌の値上げ、いくらなら買う?
・いろんな経験してるけど、お金はどうしてたの?
・毎日SNSをどのくらい見る?どうやって使ってる?

あと事前にできることといえば、心構えくらい。

まだまだできていませんが、周りの先輩方に助言をいただき、以下のようなことを心に留めていました。

・すべての質問を志望動機に繋げる
・固有名詞や数字を使い、具体的に答える
・端的に話す(問われたことのみに答える)
・80%でも120%でもない100%の自分で挑む

もし納得できるものがあれば、
気の紛らわしにひとつ試してみてください☺︎

3.おわりに

ここまでおつき合いいただき、本当にありがとうございました。

就活をしていた間、
「何か資格をとったほうがいいかな」とか
「変わった趣味を始めたほうがいいかな」とか
ずっと漠然とした不安を抱えていたことを思い出します。

受かるためならなんでもやってやると思っていたし、実際にやってもみたけれど、就活を目的にやったことは皮肉にも役に立ちませんでした。

少しだけ心に余裕ができたいま、「就活のために何かをする」という動機そのものがよくなかったんだな、と気付かされています。

じゃあ何したらいいんだよ!って感じですが、
なんとなく毎日を過ごしてさえいなければ、何をしていても構わないんだと思います。

サークルでも、バイトでも、どんな趣味でも。

なぜなら、そこにはあなただけの目的と感情、そして成長がともなうからです。

それは自然と唯一無二の個性となり、自分らしさを形作ってくれるのかもしれません。

出版社に限らず、「どれだけ知識があるか」よりも、「どれだけの熱量で物事にのめり込む人なのか」を見たいのではないでしょうか。

今回、タイトルのインスピレーションをいただいた本にこんな一言があります。

「(愛が)強すぎて逆に熱効率悪くなるっていうのが、君っぽくて、いいよね」

『夫婦間における愛の適温』/ 向坂くじらさん

私たちも、出版社にただ愛をぶつけるだけでは届かないのかもしれません。          

一方的な愛の押し売りにならないよう、伝え方を模索してみていただきたいです。

緊張で真っ白な顔や震えた声にも、あなたらしさを感じてくれるはず。

うまくやろうとせず、思いっきり緊張してきてください!☺︎

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