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遠回りが逆転の鍵!?いろんな業界を受けたけど、最終的にまさかの出版だったケース|出版社逆転対策プラン
初めまして、4月から光文社で働き始めます。たまひなです。
月刊女性誌の編集者を目指し光文社の採用試験を受け、無事内定をいただくことができました。
入社を前にした今の気持ちは「楽しみだけど怖いっっ」です。
誰かのインスピレーション、活力となる誌面を作りたい!
世の中で話題となる/意義のあるコンテンツに貢献したい!
同期や先輩社員の皆様から刺激を受けて多くのこと吸収したい!
そんな期待に胸は高鳴りますが、
ヤル気が空回りして落ち込まないか、
自分の実力のなさに打ちひしがれないか、
楽しみがゆえに、自分に対する不安も感じ始めているこの頃です。
とはいえ、この不安も昨年の就活中の不安に比べたら、比でもなく、1年前の私はどこでもいいから、なんとなくいい感じの企業に入りたい…という弱腰で、まさか自分が高倍率の出版業界から内定をもらえるなんて想像もしていませんでした。
この記事は、出版社での仕事に興味はあるけれど、
自分なんてまさかな〜と思っている方、
出版社は出版ガチ勢の就活をしていないと受からないんでしょ?と思っている方に
私の経験談を通して
そのまさかはあったよ!
出版ガチ勢ではなくても、チャンスはあったよ!
幅広い業界にチャレンジしたけど無駄ではなかったよ!
と伝えたくて書いています。
何か、参考になるところがあれば幸いです。
私の性格が見えないと参考にもし辛いと思いますので、 ここでいったん私の自己紹介を挟み、学生時代のこと、実際の就活・光文社の採用試験、内定した今感じていることを書いていきたいと思います。
たまひなの自己紹介
・あだ名:たまひな
・文系の修士課程を卒業し、現在24歳
・出身:沖縄。大学進学を機に上京。
・好きなこと:グラフィックデザイン。動画作り。
・性格:よく言えば好奇心旺盛、悪く言えば器用貧乏。
就活のときにやってみたストレングスファインダーによると上位資質は、 「内省」、「学習欲」、「収集心」、「着想」、「ポジティブ」。
出版社に内定する人の特徴として「コミュ力のあるオタク」か「奥深いミーハー」があると聞いたことがありますが、私はどちらかというと、後者のタイプの人間だろうと思っています。(奥深いかどうかはさておき…)
なので文学オタクでも、漫画オタクでもないけど、出版社受けちゃっていいかしら??っと思っている方々にに参考にしていただけたらと思っています笑
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写真① 【ミーハーさがなんとなく伝わる??写真】おしゃれカフェにて、友人とあれこれ情報交換をするのが好きです。この日は内定者課題のための雑誌の研究day. 2022年3月号のVERYの表紙可愛い!!
たまひなの学生時代
出版社に内定したと言うと、「学生時代何をしていましたか?」、「たくさん本を読んでいましたか?」と聞かれます。ですが、特に就活を狙って活動していたわけでもなく、本に読み耽る生活をしていたわけでもありません。
その時々で興味を持ったことに身をまかせて過ごしていました。私の場合、修士課程へ進み学生期間を延長していたぶん、活動っぽい活動は少し多くできたかもしれませんが経験したすべてが強いガクチカエピソードになったわけではありません。以下、就活に結び付かなかった経験もありますが、学生時代にやっていたことを挙げてみます。
① 合唱サークルでの活動 〔1年半〕演奏会に向けて、ダンスや歌を必死で練習していました。音楽スキルが低いなりに頑張りました。
② 紅茶専門店でのアルバイト 〔2年半〕最初はただのアルバイトのつもりで始めましたが、オーナーさんの経営哲学、人生哲学がおもしろく、バイトの日以外にも入り浸っていました。
③ スウェーデンでの留学 〔10ヵ月〕北欧の福祉やジェンダー学を学ぶ。この頃、実は公務員を目指していて、せっかくの留学なのに勉強ばかりしていました…もっと友達をつくることなどに頑張ればよかったと後悔しています。ヨーロッパ旅行がたくさんできたのはよかったです!
④ マーケティング学生サークルの活動 〔1年〕ただ生活しているだけで誰かにとって有益なコンテンツを届けられる可能性があると気づき、ブログやYouTubeで女子学生のニーズを発信することをしていました。今思えば、読調っぽいことをしていたのかもしれません。
⑤ 個人でのZINE制作と販売 〔1年半〕自分が興味あったことをインスタで発信していたのですが、それらをまとめた冊子とECサイトを作り販売してみました。実際に人に買っていただけたことや届いた感想がとても嬉しく、自分が夢中になる冊子作りで誰かに喜んでもらいたいという気持ちになりました。この過程でAdobeのInDesignが使えるようになったことは、出版社を受けるうえで少しばかり自信になりました。(採用基準には関係ないようですが)
光文社では①〜③の活動のエピソードは使わず、発信に関わる④と⑤の2つの活動をおもに話していました。就活する際はどうしても、自分がいかに凄い経験をしたかを話さなくてはいけいないと思いがちですが、経験内容よりもより自分の言葉で表現する力や、自分らしさをわかってもらえるエピソードを選ぶことが大事なのだろうと思います。
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写真②【制作したZINEを発送するときに撮った写真】企画、編集、宣伝、発送、すべての工程が楽しく、無我夢中になれました。出版業界に行きたいと思うようになったのもこの経験が大きいです。
たまひなの実際の就活体験
私が実際に就活を始めなきゃな〜と思ったのは修士1年の1月頃です。とりあえず、大手の外資IT企業にESを送り試験を受けましたが、テスト結果が悪かったのか通過せず、あれ?受かると思ったけどな?と軽くショックを受けていました。結果を反省し学力テストの勉強を始めましたが、社会人として生きていく実感が持てずボーッと過ごし3月を迎えてしまいました。両親の保護の下、呑気に生きてきたので、社会の中で自力で生きていかなくちゃいけない事実を飲み込み、覚悟するまでに時間がかかりました笑
早めに動いていたら、もっと落ち着いて戦略的に就活を進められたかもしれませんが、多くの企業のエントリーが開始しているという状況で、私は企業を吟味する時間はありませんでした。ひたすら、ちょっといいかも?って思う企業にESを出しまくりました。外資、内資選ばず、IT、コンサル、銀行、メーカー、ベンチャー企業、アパレル、本当にいろいろなところに出しました。自分は本当は出版社が第一希望だと薄々感じていましたが、通過せず砕け散ることが怖かったので、期待はまったくしていませんでした。ダメ元で受けるかっていう気持ちで、光文社を含めた出版社3社にESを送っていました。(光文社以外の2社は作文試験の段階で落ちました…)
3月後半から選考が進み始めましたが、取り繕ってきた関心や態度は見事に最終面接では見抜かれ、4月上旬から三次面接や最終面接で落ちることが多くなっていました。光文社にエントリービデオを送った前日にそのとき第一希望だったIT会社からお祈りメールが届き、ダメージを受けながらもなんとか笑顔で動画を撮っていたことを思い出します笑
ESと同時期に光文社でも作文試験がありました。通常、出版社の作文試験はいろいろ対策をして受けるようなのですが、情報をかき集めるゆとりのなかった私は思いついたことを適当に書いてしまいした。本当にたまたま運よく通過したようなので、そのあたりはほか2人の記事を見ていただければと思います。
光文社の一次面接は、対面ではなくオンライン面接を選らんだのですが、面接官の皆さんはじっと話を聞いてくれるような印象を受けました。話を遮られることも、否定されることもないので、自然に思いついたことを話ていた気がします。
<小ネタ> オンライン面接では笑顔が綺麗に見えるように表情筋を鍛えたり、PCの外付けカメラなどを購入したりしました。
4月後半から5月は面接受ける日々を送っていました。1日に3つの面接をすることも多々ありました。オンラインでの就活あるあるかもしれませんね。5月中旬に某銀行から内々定をいただき、ほっとしたのを覚えています。その次の日くらいに光文社の二次面接があり、あ〜もう、疲れたからいいかな、就活やめようかな?とふと思いましたが、ここで自分から終止符を打つと一生後悔しそうな気がしてなんとかグループ面接に参加しました。流れに身をまかせちゃおうという、諦め状態が功を奏したのか、まったく緊張せず楽しく臨めました。
二次の光文社のグループ面接がすごく楽しかったこともあり、自分は出版社で仕事がしたいのだと確信が持てました。最終面接まできたら、自分を出すしかないなと思い、光文社の下調べをきっちりやるというよりは、自分の中のものを出していく作業をしていました。好きなドラマや、憧れの人、自分が経験したこれまでのこと、その時感じた正直な気持ち。そういう自分の欠片を付箋紙に書き出していました。
最終面接では、どんな問いにも自分の言葉で返答することを心がけました。不思議とここでは取り繕わなくても、受け入れてもらえるという安心感がありました。「なぜ、光文社を志望したのですか?」という質問にも、本当に素直に答えていました。正直、出版社に入りたい気持ちが強く、自分が会社を選べる立場にはないと思っていること、光文社は好きな女性誌があるからという理由が大きかったけれど、それ以上にもう出版社で働くという道はここしか残っていないので今日は自分を出し切りたい的なことも伝えました。感じていることをダイレクトに表現するのは怖いですし、間違っていたらどうしようと思ってしまいますが、面接は志願者の人となりをよく見るためのものだということを念頭に置いておくといいのかもしれません。
「自分らしく」と言葉でいうと簡単ですが、本当の自分を差し出す覚悟を持って、面接官と通じ合えますようにと願い飛び込むと、おのずと姿勢や、目線や、言葉に表れるのかなと思っています。そんな最強の自分を呼び起こすことが面接のコツかなと思います。
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写真③【光文社のビル】最終面接が始まる前、記念に残しておこうと思って撮った写真。当時のドキドキを思い出します。。。
就活を終え、今感じていること
多くの企業の扉を叩いた私は、自分にピッタリの会社から内定をもらうまでに遠回りをしましたが、最終的にそれらの経験が光文社の最終面接に凝縮されたと感じています。たとえば、IT企業を受ける中で身についたIT・デジタルの知識のおかげで、最終面接では出版業界にもデジタルの力は必要だという話ができました。
また、最終面接で私はジャケットの中に「EDIT MY LIFE」という文字の入ったTシャツを着ており、そのTシャツを使って自己PRをしたのですが、このTシャツはたまたま就活で受けていた某アパレル企業の製品のリサーチの一環で購入した服でした。このアパレル企業を受けてなかったら、最後の自己PRを自信満々に締めくくることは出来なかったなと思っています。
出版ガチ勢の就活をしていたわけではなかったので、
出版社のリサーチや対策は不十分だったなと思います。
今なら最初から出版業界に絞ってもよかったなと感じますが
今回私が運を掴めたのは、いろいろな企業しにチャレンジした遠回りのおかげでした。一見、遠回りに見えたこの過程こそが私にとっての「出版社逆転プラン」だったのでしょう。
就活中は、自分の取る選択が本当に正しいのかと不安にもなりましたし、
自分の人生がひとつの面接の合否に振り回されているように感じ、
正直、呆然としていました。
終わった今だから「遠回りしたけど、これがよかった」
なんて意味づけして言えるのかもしれません。
ですが、人生の正解、不正解なんてそのときに
わかるものでも、決まるものでもないですよね。
一喜一憂しがちな就活だからこそ、
結果だけで見るのではなく、
何かに向かうプロセスの中にいるという感覚を持って、
自分自身のことを信じてほしいなと思います。
応援しております!!
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写真④【最終面接で着ていたTシャツ】まさしく、この日のための一着だったな。自信満々にスピーチしたけど、思い出すとちょっと恥かしい笑
同期から見たたまひなの印象(by ネガ子さん)
“EDIT MY LIFE”
とても素敵な言葉です。
たまひなさんの#逆転対策プランは、結果に表れているのだと感じました。
大学時代も就活も、好奇心の赴くままに行動した。
その種まきが、出版就活で、光文社の選考で実を結んだのだと思います。
実際にたまひなさんと会ったとき、「これからの生活が楽しみだ」という気持ちをビシビシと感じました!
就活は確かに先が見えずに、不安な気持ちになってしまう。
けれども、たまひなさんのように「ポジティブ」で、
面接官を笑わせるくらいの「元気さ」と「素直さ」
そんな気持ちを持つことが、就活を乗り越える鍵なのかもしれないです、、。
ま、眩しい〜!!!
たまひなさんのポジティブさ、ネガ子も吸収させてください〜:)
(ネガ子さん)
同期から見たたまひなの印象(by さぬきさん)
「あ、落ちたな」
選考の一環として実施されたディスカッション。「ここまでだな」と悟るのに、それほど時間はかかりませんでした。整然と、そして説得的に自説を披露するほかのメンバーたち。その筆頭が、たまひなさんでした。
とにかく、視野が広い
これに尽きます。あれ? わたしが受けてるのってIT系の選考だったっけ? そう錯覚するくらいに、たまひなさんのアイディアは時流に即しており、なおかつ大局的でした。これが内定する人間か……。どうせ一人しか通らないだろうと思い込んでいたわたしは、それはもう絶望したものです。
内定者のなかにたまひなさんを認めたときの、「やっぱりな」という印象。いくつかの研修を経た現在、それは強まる一方です。きっとこれからも、その清新な創意には驚かされつづけるのでしょう。わたしたち同期の、希望の星だと思っていますよ!
(さぬき)