暗君か名君か、矛盾だらけのシャルル七世:最初の科学的研究「歴史家の義務」
カクヨムにて『歴史家たちのポジショントーク:暗君か名君か、矛盾だらけのシャルル七世』を新規投稿しました。1日2話ペースで公開中。
あらすじ:各時代の歴史書に書かれている「フランス王シャルル七世」の評価が乱高下しすぎで面白かったので、歴史家たちのポジショントークの移り変わりをまとめました。
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noteでは紹介を兼ねて、本日の更新分から一部引用します。
歴史家たちが記録しているこの王の生涯を振り返ってみると、一部の現代人は彼を十分に正当に評価していないように思える。
彼らはシャルル七世について、「才能も価値も平凡で、無頓着で応用力に欠け、いつも恋のことで頭がいっぱいで、愛人や大臣に絶対的に支配され、国家の功労者を食い物にし、臣下のために寵愛を捧げることを強要された王子」として描いている。
だが、シャルル七世の治世下でなされた偉大な功績を否定することはできない。
すると彼らは、「多くの幸福な成功は、評議会の顧問たちの知恵と軍隊の将兵たちの武勇と技量のおかげである」と言って、王から栄光を奪っている。
------(中略)------
シャルル七世は「政治家として凡庸」とされ、「応用力に欠けていた」と評されているが、彼の治世を揺るがす大事件と相容れない。
どんなに悪意を持って、すべての功績を幸運のおかげにして王を軽んじようとしても——、王位を追われ、財産の最良の部分を奪われ、宮廷の大物たちの派閥にことごとく裏切られ、金もなく、金を得るための資源もない王子が、多くの障害を克服するために何ができようか?
その技能と応用力を駆使して、(王位、財産、宮廷の派閥、金、資源以外の)別のやり方で補わなければ、シャルル七世が到達した偉大さと権力の頂点にたどり着くことはほとんど不可能だ。
少なくとも、自分に仕えるべき人物を見事に選んだ。
その優れた見識について、賞賛を否定することはできない。
17世紀末ごろから、言い伝えを鵜呑みにしないで文献を参照するという、現在につながる「歴史学の研究方法」がうまれたようです。
歴史を科学的に研究する方法——
「常識にとらわれず、ありふれた表現を注意深く避ける。
歴史家は原典(文献)をまっすぐに見つめ、起こった事実を完全に把握した上で、自論を主張する」
その最初の成果を、ダニエル神父の著書に見ることができる。
しかし、シャルル七世に関する限り、この悪しき轍(わだち)はあまりにも深く、抜け出すことはできなかった。
うぅ、かなしい…😢
深く根付いた悪印象を取り除くのは、想像以上に大変なんだろうな。
続きはカクヨムにて。
新しく公開しました
— しんの(C.Clarté) (@shinno3) April 8, 2024
✅17世紀(2)最初の科学的研究「歴史家の義務」
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本日2度目の更新。18世紀に突入💨
— しんの(C.Clarté) (@shinno3) April 9, 2024
✅18世紀(1)歴史家たちの見解「幸運な愚王か、賢君か?」
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自著の紹介
既刊:デュマ・フィスの未邦訳小説『トリスタン・ル・ルー』
2022年10月21日、シャルル七世即位600周年記念にリリースしました。
Kindle版(電子書籍)とペーパーバック版があります。
新刊:『十九世紀の異端科学者はかく語る』
ジョン・ラボック著『The Pleasures of Life』第一部を翻訳・書籍化しました。訳者・序文で「ダーウィンとラボックの師弟関係」を書き下ろし。
web小説『7番目のシャルル』シリーズ
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