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シャルル・ドルレアン『獄屋の歌』:私に安らぎを与えたまえ

先日、『7番目のシャルル』でいただいたコメントにお応えして勝利王シャルル七世のいとこ、シャルル・ドルレアンの詩を翻訳するコンテンツを立ち上げました。

前回までの5作は、19世紀にドビュッシーが曲をつけたことで広く知られるようになった代表作でした。今回は、ジャン・フランセが作曲した『シャルル・ドルレアンの5つの歌(Cinq poèmes de Charles d'Orleans)』の中のふたつめ——

幽閉された悲劇の王族詩人シャルル・ドルレアン『獄屋の歌』

一言でいえば「休みが欲しい!」という内容。
今回の詩『私に安らぎを与えたまえ』単独でも共感できるし、ちょっとユーモラスな感じさえする。

ところが、英仏百年戦争とシャルル・ドルレアンの個人的/歴史的な背景を知っていると、情緒がかき乱されます。前に取り上げた『プレザンスが死んでしまったから』の後日談ともいえる内容です。

▼7番目のシャルル、聖女と亡霊の声

あらすじ:不遇な生い立ちの王が百年戦争に勝利するまでの貴種流離譚。
フランス王国史上最悪の国王夫妻——狂王シャルル六世と淫乱王妃イザボー・ド・バヴィエールの10番目の子は、兄王子の連続死で14歳で王太子になるが、母と愛人のクーデターで命からがらパリを脱出。母が扇動する誹謗中傷に耐え、19歳で名ばかりの王に即位したシャルル七世は、没落する王国を背負って死と血にまみれた運命をたどる。

父母の呪縛、イングランドの脅威、ジャンヌ・ダルクとの対面と火刑、王国奪還と終戦、復権裁判。没落王太子はいかにして「恩人を見捨てた非情な王」または「勝利王、よく尽された王」と呼ばれるようになったか。

※noteのヘッダとアルファポリス版の表紙画像はPicrew「IIKANJI MAKER」で作成したイラストを加工し、イメージとして使わせていただいてます。

▼7番目のシャルル、狂った王国にうまれて【少年期編完結】

※アルファポリス版の表紙画像は離雨RIU(@re_hirame)様からいただいたファンアートを使わせていただいてます。


自著の紹介

既刊:デュマ・フィスの未邦訳小説『トリスタン・ル・ルー』

2022年10月21日、シャルル七世即位600周年記念にリリースしました。
Kindle版(電子書籍)とペーパーバック版があります。

新刊:『十九世紀の異端科学者はかく語る』

ジョン・ラボック著『The Pleasures of Life』第一部を翻訳・書籍化しました。訳者・序文で「ダーウィンとラボックの師弟関係」を書き下ろし。

web小説『7番目のシャルル』シリーズ

シャルル七世が主人公の小説(少年期編青年期編)連載中。
関連エッセイ、翻訳などもあります。


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しんの(C.Clarté)
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