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暗君か名君か、矛盾だらけのシャルル七世:近代君主制のアーキタイプ

カクヨムにて『歴史家たちのポジショントーク:暗君か名君か、矛盾だらけのシャルル七世』を新規投稿しました。

あらすじ:各時代の歴史書に書かれている「フランス王シャルル七世」の評価が乱高下しすぎで面白かったので、歴史家たちのポジショントークの移り変わりをまとめました。

noteでは紹介を兼ねて、本日の更新分から一部引用します。

シャルル五世の孫(シャルル七世)は、祖父の賢明な統治によって築かれた秩序・規則正しさ・統一といった伝統を引き継いで、発展させた。

------(中略)------

 近代君主制の原型——つまり、将来的に、単一かつ自由であることを運命づけられた政府の形は、すでに見つかっていた。その基本的な制度は存在していた。あとはこれを維持・拡大し、慣習として定着させるだけだ。

 シャルル七世の治世は、国家が躍動する時代だった。

 偉大で新しいことは、君主ひとりの個人的な行い(個人プレイ)で生まれるのではなく、すべてのものが行動し、考えて、助言する、一種の「公的パブリックなインスピレーション」から生まれたのだ。

19世紀半ば(7)近代君主制のアーキタイプ - 歴史家たちのポジショントーク:暗君か名君か、矛盾だらけのシャルル七世(しんの(C.Clarté)) - カクヨム


原文の著者オーギュスタン・ティエリの影響なのか、今回の文章はいつも以上にカタイな…😅

歴史分野のシャルル七世ってさ…
少なくとも私が日本で見ている範囲では、「絶対君主制の道のりをひらいた」とか「旧体制(アンシャン・レジーム)を築いた」とか、権威主義を高めたように言われている。

でも、最近見ているフランス方のいろんな著書は、近世時代の絶対君主というより(ちなみに中世は封建君主)、近・現代の啓蒙君主・立憲君主に近いと示唆されている。

日本語で読めるフランス史にズレを感じる。
シャルル七世は、壊れかけた王政を回復したという意味では、確かに「王の権威を高めた」けれど。

毎年、三部会(日本風に例えると国会)を開催して民意を聞いているし、王の権力を直接行使するより法整備に力を入れたりと、どう考えても絶対君主=ワンマンな王様ではないと思う…(すごいまじめに語ってしまった!)

続きはカクヨムにて。

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自著の紹介

既刊:デュマ・フィスの未邦訳小説『トリスタン・ル・ルー』

2022年10月21日、シャルル七世即位600周年記念にリリースしました。
Kindle版(電子書籍)とペーパーバック版があります。

新刊:『十九世紀の異端科学者はかく語る』

ジョン・ラボック著『The Pleasures of Life』第一部を翻訳・書籍化しました。訳者・序文で「ダーウィンとラボックの師弟関係」を書き下ろし。

web小説『7番目のシャルル』シリーズ

シャルル七世が主人公の小説(少年期編青年期編)連載中。


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しんの(C.Clarté)
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