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中世ヨーロッパの武器防具・甲冑:実戦とトーナメント仕様の違いについて
カクヨム版『トーナメントの書』最新話、更新しています。
フランス語と日本語を併記(対訳)、挿絵は省略する形式で落ち着きました。
先行公開しているFANBOX版は「(1)イントロダクション」が長すぎるので、カクヨム版では分割・改題しています。
今回の更新作業をしながら、思い出したことがあります。
メインで執筆している『7番目のシャルル』の描写——特に戦闘や武器防具について、SNSで活動しているアーマードバトルや中世ヨーロッパに詳しい識者から「間違っている」と指摘を受けたことが何度かあり、アドバイスに従わなかったために暴言を吐かれたこともあります。
『7番目のシャルル』は歴史フィクションだから、作者の独自解釈もありますが…
『トーナメントの書』を読むと、日本で出版されている中世ヨーロッパの資料や現代のアーマードバトルの常識といろいろ違うことがわかると思います。
例えば、現在出回っている中世ヨ情報では「トーナメント仕様のプレートアーマーは激重(実戦用より重い)」とされてますが、ルネ・ダンジューは「トーナメント仕様は実戦用より軽量」と何度も書いています。
これは、中世ヨーロッパ時代に生きていた人の言葉です。
軽量化するやり方は本文で説明されてますし、わかりやすい挿絵(pixivFANBOXのみ)でも示されています。
ただ、ルネ・ダンジュー自身がたびたび「地域差がある」と述べているように、どちらが正しいか/間違っているかを争うのはあまり意味がない。
15世紀フランスはこういう仕様か〜と思っていただければありがたいです。
日本語翻訳された中世ヨーロッパの甲冑資料やアーマードバトルの常識と色々違うけど、ルネも地域差があると言っている。15世紀フランスはこんな感じと思っていただければ
— しんの(C.Clarté) (@shinno3) January 18, 2025
✅武器と防具のトーナメント仕様
- 善良王ルネ・ダンジューの『トーナメントの書』 - カクヨム https://t.co/Hxirif4LTG
なお、先行公開しているpixivFANBOXの
ルネ・ダンジュー著『トーナメントの書』(日仏対訳・挿絵つき)は、
最新話(9)当日、競技開始まで更新しています。完訳まで残り1〜2話。
今のところ、pixivFANBOX有償プランのみで公開している未邦訳資料ですが、
もうすぐルネの誕生日(1月16日)なので、記念日に合わせて
オープンな場所で「挿絵なしバージョン」を公開したいと考えています。日仏対訳にするか、日本語訳のみにするか思案中🤔
pixivFANBOX:目次と情報量のめやす
解説と総合目次(※全体公開)
(1)イントロダクション:申し込みから告知まで:約19,200文字/挿絵5枚
(2)武器と防具:約8,700文字/挿絵5枚
(3)馬具と競技場の仕様:約3,700文字/挿絵5枚
(4)開催都市に入る順序としきたり:約9,800文字/挿絵4枚
(5)公開審査と悪党への処遇:約6,700文字/挿絵2枚
(6)審判に忠誠を誓う:約5,400文字/挿絵2枚
(7)高貴な女性と名誉ある騎士:約6,500文字/挿絵1枚
(8)当日、競技直前の準備:約6,900文字/挿絵3枚
(9)当日、競技開始:約10,500文字/挿絵3枚🆕
\ここから下は自著とコンテンツの宣伝です/
▼7番目のシャルル、聖女と亡霊の声
あらすじ:不遇な生い立ちの王が百年戦争に勝利するまでの貴種流離譚。
フランス王国史上最悪の国王夫妻——狂王シャルル六世と淫乱王妃イザボー・ド・バヴィエールの10番目の子は、兄王子の連続死で14歳で王太子になるが、母と愛人のクーデターで命からがらパリを脱出。母が扇動する誹謗中傷に耐え、19歳で名ばかりの王に即位したシャルル七世は、没落する王国を背負って死と血にまみれた運命をたどる。
父母の呪縛、イングランドの脅威、ジャンヌ・ダルクとの対面と火刑、王国奪還と終戦、復権裁判。没落王太子はいかにして「恩人を見捨てた非情な王」または「勝利王、よく尽された王」と呼ばれるようになったか。
※noteのヘッダとアルファポリス版の表紙画像はPicrew「IIKANJI MAKER」で作成したイラストを加工し、イメージとして使わせていただいてます。
▼7番目のシャルル、狂った王国にうまれて【少年期編完結】
※アルファポリス版の表紙画像は離雨RIU(@re_hirame)様からいただいたファンアートを使わせていただいてます。
自著の紹介
既刊:デュマ・フィスの未邦訳小説『トリスタン・ル・ルー』
2022年10月21日、シャルル七世即位600周年記念にリリースしました。
Kindle版(電子書籍)とペーパーバック版があります。
新刊:『十九世紀の異端科学者はかく語る』
ジョン・ラボック著『The Pleasures of Life』第一部を翻訳・書籍化しました。訳者・序文で「ダーウィンとラボックの師弟関係」を書き下ろし。
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