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サブスクの適正価格、無償と有償コンテンツの線引きについて考える

最近のYouTubeみたいに、一般人でもメディア展開できるツールとして
ブログが全盛期だった時代がありました。
私はどちらかというとそちらの時代寄りで、ブログをいくつか運営していたけど、課金する/してもらう概念はなかった。

そのせいか、自分のコンテンツを有償化することに心理的なハードルがあって、
無償と有償コンテンツの境界とか、適正価格とか… 迷いがあります。

しかし、来年の退職と転職、その間にやる(たぶん)手術と入院期間を考えると、
個人でできる副業収入として、まじめに取り組んだ方がいいのだろうな。

自前のコンテンツについて、ちょっと整理してみます。

カクヨムとアルファポリス:無償で読めて作者に還元

カクヨムでは、小説『7番目のシャルル』パブリックドメインの翻訳をいくつか掲載していて(アルファポリスは翻訳❌なので自前の小説のみ)
読者さんが課金しなくても閲覧数で作者に還元される仕組みです。

現在、連載中の代表作→

YouTubeのスパチャみたいに、ギフトを送って作者に直接課金することも可能。
閲覧数をもとに作者に還元されるので、通りすがりに足を運んでもらえるだけで充分ありがたい場所です。

pixivFANBOX:有償で何を提供するか

pixivFANBOXは、自分で価格プランを設定してコンテンツを配信するタイプで、何を無償/有償にするか、今悩んでいるのはこっち。

無償との違いを明確にして、価格に見合うコンテンツを提供したい。
今は娯楽系のサブスクが無数にあるので、どのくらいが適正価格か…と悩みは尽きない。

最初に選んだコンテンツ:ルネ・ダンジュー著『トーナメントの書』

手始めに・手探りで、当方がFANBOX有償プランに選んだコンテンツは、
『7番目のシャルル』の主人公シャルル七世の義弟ルネ・ダンジューが著した『トーナメントの書』(未邦訳)の翻訳。

  • 翻訳して先行配信

  • 原文と訳文を対訳で掲載

  • バーテルミー・デックの挿絵

この辺を、FANBOX有償プランで公開しています。

シャルル七世の義弟で盟友といわれるルネ・ダンジュー自身の"人となり"を感じられ、ひいては「友達に選んだ人物」からシャルル七世の人柄もなんとなく見えて来る。挿絵からは当時の風俗(いかがわしい意味ではない)が一目でわかる面白さがあります。衣服の着こなし、騎士道の精神性とか。
現在の研究者の分析とちがって、当時の本人が書いたものですからね。

『トーナメントの書』挿絵を一部拡大。図と解説つきで15世紀当時のファッションと着こなしの個人差をこれほどこまかく書き分けている資料はめったにない

カクヨムで読める小説だけで十分な人もいれば、
シャルル七世の周囲の環境やキャラクター、当時の歴史を深堀りしたい人、
もしかしたら作者の歴史観に興味がある人もいるかもしれない。
FANBOXは、後者の人向けです。

次に、価格のプランについて。

カクヨムの「作家にギフトを贈る(限定ノートを閲覧可能)」基本価格が480円。

これをベースに、カクヨムとFANBOXどちらで課金しても損を感じない価格帯にしたい。どこで閲覧・課金するにしても、作者にとってはお客様ですからね。

そこで、FANBOXの基本プランを500円に設定。
カクヨムの限定ノートと同じ内容にプラスして、FANBOXの最新分を読めるようにしました。「小説本編とスピンオフは読みたいけど資料に興味ない」という読者さんは、カクヨムのギフトの方がちょっと安くてお得です。

最安の250円プランは、資料を格安で読みたい人向け。
ただし、最新分のみです。

作者のおすすめは、制限なしですべてを閲覧できる750円プラン
私訳といえど、書いたからには読まれたい。
その一方で、過去の苦い経験から、未邦訳の貴重な資料を無制限で公開することに躊躇(ためらい)があり、無償と有償の線引きとしてこの3種類のプランを考えた次第です。

まだまだ試行錯誤の半ばですが、サブスクとして需要があるなら、
来年予定されている「退職 〜 入院と手術 〜 転職」期間中の副業収入としても
大いに励みになります。


\ここから下は自著とコンテンツの宣伝です/

▼7番目のシャルル、聖女と亡霊の声

あらすじ:不遇な生い立ちの王が百年戦争に勝利するまでの貴種流離譚。
フランス王国史上最悪の国王夫妻——狂王シャルル六世と淫乱王妃イザボー・ド・バヴィエールの10番目の子は、兄王子の連続死で14歳で王太子になるが、母と愛人のクーデターで命からがらパリを脱出。母が扇動する誹謗中傷に耐え、19歳で名ばかりの王に即位したシャルル七世は、没落する王国を背負って死と血にまみれた運命をたどる。

父母の呪縛、イングランドの脅威、ジャンヌ・ダルクとの対面と火刑、王国奪還と終戦、復権裁判。没落王太子はいかにして「恩人を見捨てた非情な王」または「勝利王、よく尽された王」と呼ばれるようになったか。

※noteのヘッダとアルファポリス版の表紙画像はPicrew「IIKANJI MAKER」で作成したイラストを加工し、イメージとして使わせていただいてます。

▼7番目のシャルル、狂った王国にうまれて【少年期編完結】

※アルファポリス版の表紙画像は離雨RIU(@re_hirame)様からいただいたファンアートを使わせていただいてます。


自著の紹介


既刊:デュマ・フィスの未邦訳小説『トリスタン・ル・ルー』

2022年10月21日、シャルル七世即位600周年記念にリリースしました。
Kindle版(電子書籍)とペーパーバック版があります。

新刊:『十九世紀の異端科学者はかく語る』

ジョン・ラボック著『The Pleasures of Life』第一部を翻訳・書籍化しました。訳者・序文で「ダーウィンとラボックの師弟関係」を書き下ろし。


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しんの(C.Clarté)
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