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この世界の理(ことわり)・火水風とは

約137億年前に宇宙はビックバンで始まった。そして長い年月を経て地球に生命が出来て人間がいる。

この宇宙で、自然界に働く「力の法則」は4つある。重力、電磁気力(電荷をもつ物体間に働く力)、強い力(クオーク・核子間に働く結合力)、弱い力(レプトン・クオーク間に働く力)、宇宙のほぼ全ての原理がこの4つの力で説明できる。これら全てが、ビックバンのあと1秒以内に創られた法則で、宇宙はこの法則の相互作用などの物理法則によってさまざまな事象が起こっている。この世の全ては、法則によって寸分も違えずに動いている。
しかも宇宙の様々な法則は、不思議な事に人間を創造する為にあるかのような不思議な姿を見せている。重力の力の弱さやその10の36乗も力が違う電磁気力に、原子核を作り上げる強い力、その性質を変えてしまう弱い力は、それぞれが持っている力が少し違うだけで、銀河も地球も今のような環境ではなく、生命は生まれてこなかったのだ。それほど生命にとって都合の良い数値をそれぞれの力は持っているのだ。
例えば引力だが、もしこの力がほんの少し強いだけで、個々の惑星はもっと大きくなっているだろうし、核融合反応が大きくなっていることだろう。そうすれば恒星の寿命も短くなり、人間まで進化出来るだけの時間的余裕も無かったのではないだろうか。引力の力がほんの少し違うだけで、この世は別世界になっているのだ。
宇宙が生まれて直ぐのインフレーションの高温な状態で生れた4つの力が、この宇宙の意志であるかのような不思議な性質をもっている。

天理教では、火、水、風が天然自然の理と教えられ、親神様のご守護だと教えられている。その天然自然の原理は、この4つの力と様々な物理法則によって制御されている。


火の働き。火の働きは温み。宇宙では身近に見える太陽の働きや、火・炎を指している。ありとあらゆる温みと灯りの作用だ。人体においては体温調整も含めた温みの働きになる。その理を現わしている。
宇宙は寒い、例えば国際宇宙ステーションから放り出されたとする。わずか数秒で人間は凍り付いてしまう。宇宙は-270度の極寒の世界だからだ。しかし太陽は暖かく輝いている。なぜかというと、太陽は中心部で水素を使った核融合を続けているからで、想像できないほど莫大なエネルギーを作り出しているからだ。中心部で行われる核融合反応で、4つの水素原子から1つのヘリウム原子を作り出すときに、水素原子4つの質量の一部をエネルギーに変換して大きく燃えて輝いている。その莫大なエネルギーの一部を地球が受け取り、エネルギー循環を行う事によって、地球の隅々まで暖かい温度に保たれている。寒いと言われている南極でも宇宙の平均温度よりは遥かに暖かい。火があたらない白夜の冬でも-270度にはならないのは地球の大気による熱循環システム(風の守護)があるからだ。
そして私たちの太陽は、約46億年間常にある程度一定に輝いている。しかも宇宙にある平均的な太陽よりも大きめで勢力も強い。だから地球は太陽よりもかなり離れているのに、地球の温度が一定の温度に保たれていて私たちを照らし続けている。火の働きとはとても大切な私たちの生命のベースになっている働きだ。

水の働き。液体の水は地球には豊富にあるが、大量に液体の水が地表に存在している星は地球以外では発見されていない。宇宙のあちこちには水が氷としては存在している。しかし液体の水は見つかっていない。水は生命が生きていくのにも欠かせないもので、なければ生命は生まれない。でもどこにも見つかっていないということは、液体の水は宇宙ではとても貴重なものなのだ。
海や湖、地表にある水は、熱によって水蒸気になり空では雲になる。やがて雲が大きくなると、今度は雨になり大地を潤す。雨は川になり海に流れる。同時に熱も運ぶ、ミネラルなどの陸地の栄養も川や海に運ぶ。雨で潤された大地には食物が実り、川や海では魚が育つ。このように地球の生命圏は全て水によって支えられている。そしてこのような水の働きは地球にだけあって、広い宇宙では他には見つかっていない。太陽のような恒星は何千億個もあるのに、水が液体で存在する星はどれだけあるのだろうか。水の働きがどれだけ生命にとって都合がよいように存在しているか、私たちは知らなければならない。
水の本質も不思議だ。水が固体になると氷になる。通常全ての物質は固体になると重くなる。ところが氷だけ例外で軽くなる。もし、3つの大進化を引き起こしたスノーボールアース(全球凍結)に地球が遭遇した時、氷が他の物質のように固体になっても重くて海の底に沈んだとしたら、氷はもう永遠に溶けなかっただろう。そうすると、地球の氷が溶けることは永遠に無く生命も絶滅していた。これも本当に不思議な事だ。どうして水だけ固体になっても軽いのだろうか。まるで生命の為に宇宙の物理法則があって、氷だけ例外なようになっているかのようだ。水は、地球の熱循環と炭素循環に関わっている。水の奇跡と働きを知れば神様の存在を実感できる。

風の働き。風はこの地球にある大気のことで、その大気が様々な力の作用で動くと風になる。もし地球に大気が無かったら、私たちは呼吸が出来ない。水も液体でいられなく蒸発してしまうし地球に水が存在出来なかったら当然雨も降らない。北極と南極が寒くて赤道は暑いが、大気の循環がその温度差を緩やかにしている。例えば水星は太陽の近くなので昼間はとにかく暑くなり、最高気温は430度にもなる。しかし大気が無いので熱循環が働かない。太陽が当たる部分だけ熱せられる。夜になったら一気に冷えて、温度は-160度にもなる極寒の世界になる。これだと生命は生きていけない。大気の存在は生命にとってとても大切だ。風があるから地球の熱循環と炭素循環が成り立っている。
夏から秋にかけて台風が日本にも上陸することがある。台風被害によってたくさんの人々が亡くなることもあり、農作物が被害を受けるが、しかしもし地球に台風がなかったらもっと恐ろしいことになる。赤道付近は今よりもかなり高温になり両極は寒くなる。雨は同じような場所ばかりに降り続き、降らない場所はいつまでも降らなくて、砂漠のような土地が多くなる。日本の水は、台風によって支えられているとも言われているが、台風が来なくなると各地で水不足で干上がってしまうところが格段に多くなり、作物が育たなくなる場所が増える。台風も大切な神様からのご守護だと言える。風の働きが、地球を緑あふれる星に変えてくれている。

親神様が創られた、火・水・風のご守護とはいったい何だろうか。以前私は、宇宙における法則の全てが、火・水・風のご守護のことだと考えていた。また、そのように思っている人も多いのではないだろうか。
しかしその働きを一つずつ検証していけば、火・水・風のご守護とは、生命が安定的に生きていく為のシステムであり、例えば4つの力のような宇宙全てに流れる親神様の息吹というよりも、この地球にだけに流れている理(ことわり)のように思えるのだ。もちろん、それを制御している法則は宇宙の物理法則なのだが、その中で特に生命にとって大切な働きのみを火・水・風としてクローズアップさせている。何気ないことなのだが本当に不思議なことなのだ。これこそ、地球が親神様のふところにいだかれている証拠ではないだろうか。
火・水・風のご守護は、私たち地球上の生命に対してのみの守護であり、宇宙の全ての理(ことわり)を差しているのでは無い。あくまでも私たちの生きている環境全てを差しておられる。つまり、地球の生命を創造して育むことの為にのみ存在している理(ことわり)だということだ。
このことが、この世は神の身体ということを表している。私たちの信仰するこの道はまさしく天理であり、地球に流れる真理を教えてくれている。

おふでさきでは、
たん/\となに事にてもこのよふわ
神のからだやしやんしてみよ・・・・・(三-40、135)
このせかいなにかよろづを一れつに
月日しはいをするとをもゑよ・・・・・(七-11)

おさしづでは、
「さあ/\実があれば実があるで。実と言えば知ろまい。真実というは火、水、風」 (明治20・1・24)

親神様のご守護である「火・水・風」こそ、地球の生命の為の特別なルールであり、「いのち」の法則全てだ。そのことを知ることこそが、天理教の教えの神髄を知ることになる。そして火・水・風が、私たちの体現している宇宙・世界であり、親神様の身体の中である証拠になる。

未来に科学が進歩した時、必ず親神様と教祖の教えにスポットライトが当たる。それはそんなに遠い未来ではないかもしれない。


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