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集団免疫は本当に獲得できるのか?
十分な割合の人が感染して回復し、その病原体に対抗する抗体を持つようになると、その集団は「集団免疫」を獲得したことになるという。新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の場合、人口の70%は感染する必要があるというのが専門家の見解らしい。
西欧の状況
イタリア、スペイン、フランスなど新型コロナウイルス感染症で大きな被害を受けた国々では、最近の調査結果によると、集団免疫の獲得は難しい状況になっているのが分かってきたらしい。
これらの国で新型コロナウイルスの抗体を持っているのは人口の約5%と見られており、ウイルスの拡散を止めるために必要な50から70%には程遠い状況とのこと。
米国の近況
4月にカリフォルニア州サンタクララ郡で行われた調査では、同郡の住民の2.5%から4.2%が抗体を持っていると推定された。ロサンゼルス郡の研究でも同様の推定を行っており、 「血清有病率」(血液中に抗体を持つ人の割合)は2.8%から5.6%だったらしい。
ニューヨーク州の抗体調査では、同州の住民の13.9%がコロナウイルスに感染していたことがわかったとのこと。ニューヨーク市では、血清有病率は21.2%と高かったが、それは検査を受けた人々(症状があると思っていた人々)の間でのこと。それでも集団免疫に必要な50%から70%には遠く及ばない可能性が高い。
スウェーデンの近況
最近まで感染者が増え続けているらしい。米ジョンズ・ホプキンズ大学の集計によれば、死亡率は4月30日時点で12%超。これは、感染者が1000人を超える国の中で6番目に高い割合で、現在の感染拡大の中心地で死者数も最多のアメリカ(約5.8%)、ウイルスの発生源とされる武漢市がある中国(約5.5%)と比べても2倍以上の高さとのこと。
スウェーデンはこれまでに2万1000人近くが新型コロナウイルスに感染したと報告しており、このうち2500人近くが死亡している。感染者の死亡率はノルウェー(約2.6%)の6倍近く、同じ北欧のフィンランド(約4.2%)やデンマーク(約4.9%)と比べても3倍近くにのぼる。かつて中国以外で最も高かったイランの感染者死亡率(約6.3%)も、スウェーデンの半分ぐらいだ。感染者数を見ても、スウェーデンの感染者数はデンマークの2倍以上、ノルウェーの3倍近くで、フィンランドの4倍以上に達しているらしい。
感染者の回復状況も思わしくないらしい。スウェーデンは4月に何度か感染者の回復を報告しており、最も多かった25日には一気に455人が回復したと発表しているが、それ以外の報告はない。その一方で、感染拡大が始まった3月上旬から、新たな新規の感染者の数は増え続けており、同国の公衆衛生当局によれば4月29日には新たに681人の感染が確認されたとのこと。
結局のところ…
世界中で新型コロナウイルスの抗体検査が実施されるにつれ、「集団免疫を獲得した国」という理想郷はいまのところ地球上には存在していないし、このままではその実現の可能性が高くないの分かってきたのだと思う。ただ、本当に集団免疫を獲得すればいいのか、それもまだ分からないのが現状だと。
解明されていないことが多い新型コロナウィルス感染症ですが、結果を見て非難や意見を言うことは容易いし、それは単なる後出しジャンケンでしかない。解明されていないからこそ、それぞれの国の文化や政策があるからこそ、違った決断や対応方法の違いがあって当然だと思う。
非難されることを恐れず、コロナ禍から私たちは何を学ぶのか?これから真に問われるのだと思う💦