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読書録・考察:世界インフレの謎

記念すべき第1回目の投稿です。全くまとまっていませんが悪しからず。

渡辺努先生の「世界インフレの謎」を読みました。今世界で起こっているインフレについて、多様なデータをもとに説明が展開され、実生活における感覚に合致するようにすっと頭に入ってきました。
そのうえで、11/29の日経新聞における記事の内容も踏まえた私自身の考察を記載しようと思います。
企業に余剰があることによる賃上げ・インフレのスパイラルの逆回転が必要な中で、それができるのはやはり体力のある大企業ということになるでしょう。製造業に限ると付加価値金額ベースでは大企業と中小企業それぞれの総和はほぼ同程度である中で、大企業だけが賃上げをしたとしても、それに中小企業が追随するだけの体力がないという問題があるのではないかと思います。
その中小企業が体力をつけるためにはどうしたらよいか、現在一過性だとしても発生している資源高や円安によるコスト増が既に発生しており、それが顧客に対して転嫁できていない状況が発生している場合、賃上げをする体力はありません。大企業が賃上げ→価格引き上げをした際に、その流れに乗ることができる中小企業であれば、大企業が主導して価格引き上げをすることに便乗する形で価格引き上げをできるでしょう。
では、それができる中小企業とは誰でしょうか。私はサプライチェーンの中でどこに位置するかによってその容易さが変わるように思います。最終消費者に対している下流の中小企業であれば、前述のような仕組みが比較的適応しやすいかもしれません。では、サプライチェーンの中流に位置するような、いわゆる下請け・二次下請けとよばれるような企業はどうでしょうか。下流の企業が価格引き上げを受け入れれば話は早いですが、下流の企業との比較では若干困難さが増すような気がします。
渡辺先生もおっしゃる通り、一部の大企業だけの賃上げでは社会は変わらないんだとすると、中小企業、特に価格転嫁・引き上げが困難な先にピンポイントで効果的な施策が求められるのではないかと思われます。

それが何かというところまでの考察はできていませんが、やはりunorthodoxな官主導の施策にはなるんだと思われますね。

何にしても、非常に面白かったため一気読みしてしまった。

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