麦子さんの心がほどけて-④
前回の続きです。
私の意識が変わったからか、麦子さん、少しずつ受け入れてくれているような感じがしました。
最初は気のせいかな?くらいだったんですが、段々と会話をしてくれるようになり、時には歌を歌ったり、機嫌が良いな〜という日が出てきたり、そして何より時間をマックスまでやらせてくれるようになっていました。
「もういいでしょ」
とスパンと切られることがなくなりました。
そして、触らせてくれる範囲が徐々に広がり、麦子さんが苦手とする麻痺のある右手や右足に触れても嫌がられなくなっていました。
これをNLPのテクニックとして使った〜!というほどのことは何もしていなくて、少しずつ少しずつラポール(信頼関係)を築いていったという感じです。
そして、ここから劇的に変わったみたいなものがあったわけではなくて、本当に境目が分からないくらい、徐々に、徐々になんですけど、麦子さんの元へ通いだしてから1年くらい経ったかな?
麦子さん、動きにくかった足をしっかり動かそうとされるようになり、寝たきりだったのが今では座ることが出来るようになっています。
以前はリクライニングタイプの車椅子にスタッフさんが二人がかりで抱えて移乗していたのに、今では女性一人でも簡単に移乗出来るレベルです。
そして、麻痺のある右手も頑張って動かそうとされており、少し指の拘縮が出てはいますが、ちゃんとご自身で動かせています。
そしてすごいのが、
私の訪問を楽しみに待ってくれるようになり、帰る前には「次はいつ?ああ、もう待ち遠しいわ」と言ってくださるほどです。
最初の頃はけんもほろろな対応だったので、ドアの前で気合いを入れてからノックしていた頃が懐かしいです。
今では軽い調子で「こんにちは〜😊」と手を振りながら入り、いつも笑顔で迎えてもらえています。
麦子さんとのお話はこれでおしまいです。
読んでくださりありがとうございました。
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