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2021年の医療、大胆予測! 新見正則
コロナが全然おさまらない!
新型コロナウイルス肺炎は収まる気配は微塵もありません。中国のように完全制圧をめざして、数十人のコロナ感染者が出ても、1,000万人規模のPCRを数日で行い、陽性者を2週間隔離するという作戦(年末の大連もそうでした)を行えば収まると思います。またいっそ何万人が死亡しようとも経済最優先で突き進むというのも1つの選択肢ですね。
どんどん税金も必要になるよ
どちらに舵を切るにしても、このままどっちつかずの体制を進めるにしても、相当な税金が投入されます。2021年医療大胆予想は、ズバリ国民皆保険の破綻です。破綻と言っても医療がなくなる訳ではなくて、すべての診療費用の7割以上を国が負担する制度は限界に近くなると思っています。
国民皆保険が永遠に維持できるわけない
1割負担の人もいれば、負担ゼロの人もいます。また、高額医療制度がありますので、限度額以上を支払う必要はありません。諸外国からみれば夢のような制度を日本は維持してきました。その世界が羨む理想的な医療保険システムの崩壊がコロナによって前倒しで訪れるのでは、と予想しています。
医療も待ったなしで進めるしかない
国民皆保険が崩れることによって、混合診療の議論が本格化するでしょう。ひょっとすると、遠隔診療が導入されたように議論なしで一気に変化するかもしれませんよ。残念ながら全ての治療を保険制度でカバーすることには無理が生じてきます。医療費が毎年高額になっているからです。平均レベルの治療は保険適用で、それ以上を望む人は自費でお願いしますという歯科の治療のようになるのです。
とんでもないってことも、お金がなければ仕方ないよね
そんな発言をすると「とんでもない!」とのお叱りを受けることもありますが、実は今現在でも、診断書は自費、予防接種や人間ドックなどを含めた予防的な医療も自費、そして室料差額も自費です。保険診療は正しい医療で、保険外診療は怪しい医療だと発言している人は多数いますが、診断書、予防接種、そして室料の差額などはどう考えているのでしょうか?
正解がわかっている人なんているの?
さて、誰もが想像できない時代になってきました。いままでは正解がある世の中でした。世の中の変化がゆっくりで想定内に進む社会では、人生経験がある人たちの意見が正解でした。受験勉強は正解を導き出す練習です。ある意味、正解がないと採点ができません。
正解でなくてもオッケー、納得解が必要だよ
ところが、これからの世の中は正解ではなく納得解を探すのだと思っています。納得解とは現状の情報から導き出せる最良の選択肢です。最良というのは何をターゲットにするかで変わってきます。新型コロナウイルス肺炎での死者をゼロにするには、全国民のPCR検査を行って陽性者を2週間隔離すれば、そしてこれを徹底すれば、新型コロナウイルス肺炎は日本から撲滅できます。
いま、求められていることを選択し続ける
でもこれは新型コロナウイルス肺炎での死者をゼロにするというゴールのための正解で、実は全国民という集団にとっての納得解ではありません。そんなことをすれば経済が疲弊し、もっと多くの自殺者が出るかもしれないという危惧があるからです。そんないろいろな意見を勘案して、納得解を導くことが大切と思っています。納得解は将来から顧みれば正解でないこともあります。その時には、正解ではなかったと素直に認めて、次の納得解を探せばいいのです。
100年に一度の事態は、100年に一度しかないでしょ
何十年に一度あるかどうかの今回の新型コロナウイルス肺炎のようなパニックに対応するためには、さらなる医療体制の充実が必要です。ところが、そんな感染対策が必要になるのは、つまりそんな感染対策のピークに対応すること自体がほとんどないのです。ほとんどない事態に対応できる体制を日頃から維持するには、通常では必要ない医療資源にも投資が必要になるのです。
新しい作戦で戦うしかない
日頃の医療体制を維持することと、緊急事態の医療体制を維持すること、また即座に対応できる医療体制を用意できる状態にすることには費用がかかるのです。健全な医療体制維持のために、医療をスリム化して医療費を抑えようという作戦の限界が今回の事態で明らかになりました。
いよいよ今年、医療が大きく動く
医療という社会が必要とする資源をどう配分し、今後どのように維持するかについての新しい納得解が求められているのです。正解は誰にもわかりません。そんな納得解のひとつが僕には混合診療の導入に思えます。そしてその嚆矢が今年です。みんなで新しい医療制度の納得解を探しましょう。