僕のめざす道 新見正則
46,200円の衝動買い
この数ヵ月、空海に興味をもちはじめ、そして特にこの数日、その気持ちが高まっています。高野山の空海、真言宗の開祖、そして弘法大師としての空海ではなくて、平安時代に生きた哲学者としての空海に興味があるのです。
空海の全集を探していましたが、遙か昔に販売終了。アマゾンではほどんど売切、稀にコレクター商品として極めて高額で販売されている状況です。しつこくネットで探してようやく古本を見つけました。新見正則医院のある飯田橋から神保町まで、自転車で駆けつけて、とうとう入手しました。全8巻、読むのが楽しみです。
YouTubeで見てから勉強しています
僕の勉強方法は、面白そうなことに巡り合うと、まずネットでざっと調べて、そしてYouTubeで理解を深め、その後、書籍で読み込むといったイメージです。すべて直感です。書籍を購入するほど面白いことに巡り合うことは稀です。いろいろネットでザッピングして、自分の仕事や生活に関係することから、一見まったく関係しないことまで、幅広くあたって自分の興味が湧くままに勉強しています。
直感とSerendipity
僕は直感を大切にしています。僕が書籍にサインするときには「Serendipity」と記載し、自分の名前を入れ、そして日付を添えます。直感とSerendipityは僕的には同義語です。Serendipityとは偶然を生かす才能です。Serendipityのサイエンスでの例としてはペニシリンの発見です。イギリスの細菌学者であるフレミングがブドウ球菌の培養をしていて、偶然に青カビが混入し、その青カビがブドウ球菌の発育を阻止していました。そこからペニシリンの発見につながりました。フレミングはその後ノーベル賞に輝いています。
僕と宗教
僕は無宗教というか、多宗教というか、特別の宗教を信じてはいません。しかし、なにか神の力のようなものが存在するとは思っています。地球ができたことも、またどの生物の遺伝子も4つの核酸でできていることも創造主のような特別な力がなければ、なしえないだろうと思っています。
僕が仏教を信じたくないのは、たくさんの殺生をしてきたからです。2013年に頂いたイグノーベル賞は「音楽が大脳に働いて免疫力を上げる」というものですが、この実験を含めてたくさんのマウスを犠牲にしてきました。そんな僕は仏教的世界観では成仏できないのです。
母は死について「死後は無になる」と家内に語っていたそうです。僕の子どもの頃は貧しかったですが、なぜか寺との縁はありました。両親から何かあって困ったら最後は寺に行くように言われていました。その寺は浄土真宗のお寺でした。空海を勉強したら、次は浄土真宗の宗祖である親鸞の勉強もしてみたいと思っています。一方でキリスト教にも実は興味があるのです。
患者さんに伝えられることを求めて
新見正則医院にかかっている患者さんの9割はがんに罹患されています。がんで最期を迎える方も少なくありません。僕が処方する生薬フアイアで希望をつないでいただいています。1,000例規模のランダム化試験で明らかな延命効果が認められた生薬です。
一方で安心につながるものを僕はまだ持っていません。患者さんの心の平穏につながる何かを求めて、まず空海の書籍で勉強したいと思っています。
今回の直感に従った行動で、また新しい何かが生まれることを期待しています。なんだかワクワクしています。