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【FMT公開】新規事業のプレゼン資料作成方法を11の視点で解説
そもそも率直な意見として、プレゼン資料作成はあまり好ましく思っておらず(=無駄だと考えています)、資料を作成する時間があれば、早くLPや営業資料を作成し検証すべきだと思っています。
ただし、組織内での事業開発は、即座に進行するわけにはいかないため、承認が必要です。
また、既存事業の資産や経営資源を多く活用する事業案ほど、「リソースが〜」だの「メンバーがやる意味」など、新規事業立ち上げにおいては足枷になる事象をクリアせねばなりません。
プレゼン資料作成の基本
承認を取るために資料作成しますがSlidoやPPTでいきなり作成するのは避けるべきで、新規事業の立ち上げに関わらず営業資料や説明資料の作成手順は、以下がベストだと考えています。
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1.プレゼンのゴール状態を明確にする
これから説明するポイントは、実施可否(投資決定)の判断が必要な状態をゴールとして作成していますが、新規事業の内容を資料化するアプローチとしても汎用的な内容なので、参考にしてみてください。
2.新規事業のプレゼンに必要な11の論点
プレゼン資料を通じて伝えるべきポイントを整理する際、社内向けの事業実施承認や事業内容説明に必要なポイントは、共通項目が多いため、それぞれの項目に必要な情報を説明しながら解説していきます。
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検討背景
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これまでの検討背景や実施内容を箇条書きでさっと記載。
決議事項
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今回の提案の場で決議したい内容を箇条書きで記載。
市場環境
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市場の現状を記載します。市場全体のトレンドや概況を紹介した後、ターゲット市場内の競合プレイヤーに触れます。
同時に、自社の資産や経営資源の活用可能性を述べ、なぜこの事業に取り組むべきかについてのポイントを事前に示します。
市場環境の中でも市場規模を整理する際は、ボスコン出身の高松さんの書籍が非常に参考になるのでお勧めです。
市場課題
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市場環境の整理ができたら、市場の課題について触れていく。当内容が重要で市場課題の現状と解決できていない内容をきちんと記載します。
事業内容(解決策の提案)
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市場課題への取り組みとして、どのような事業で参入するかを記述し、ビジネスモデルを説明し、事業の方向性やコンセプトについて述べます。
製品詳細
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提供しようとしている製品の機能や特徴について説明します。
販売戦略
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初期の顧客獲得方法と活動計画を記載します。「yyまでにxx人を獲得する」と言った形式で可能な限り具体的に記載します。
販売戦略の基本的な考え方については、大前研一氏の「企業参謀」を必ず読んで頂きたいです。スタートアップ界隈の人が頻繁に使ってしまっている"GTM"の原型となる考え方や、自社の商材に適して顧客分類の方法を知ることができます。
BCG出身で戦略思考本を執筆されている高松さんも言ってますが、戦略思考は暗記してなんぼです。(暗記する意味と暗記に値する戦略思考の詳細はこちらから)
もし、もっとマニアックに戦略思考を鍛えたい人がいれば、大前研一さんの下記シリーズ本を読んでみてください。恐らくここまでマニアックに読んでいる人は数少ないのでおすすめです。
ユーザー評価
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現時点でのユーザーからの評価を記載し、今後の改善点についても触れます。
競合・阻害要因
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対象とする市場で先行参入している競合事業やユーザーが認識している代替手段へのリスクと対策について可能な限り触れます。
事業計画
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事業の3ヶ年計画について触れる。KPIの目標設定を抜け漏れなく具体的に行います。
事業計画の具体的な策定方法は、別記事で紹介いたします。
スケジュール
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今後の事業の進行計画を月次でまとめて記載します。
3.各論点に対するキー内容と表現内容を決める
論点に対してどのような内容を資料内で表現するかについては、キーメッセージと表現形式を一言で記載していきます。具体的なサンプルがない場合、歯科業界で事業内容を検討していた際の一部内容を添付しております。
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4.表現するレイアウト形式を定める
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論点に対する中身を整理したら、資料のレイアウトを決定します。レイアウトを設定することで、表現内容が統一され、資料の規則性が確保されるため、読者の負担を軽減できます。
レイアウトのパターンやレイアウトの中身の表現技法については下記書籍が参考になったので、非デザイナーだけど最低限のデザインレベルで資料作成したい人にはおすすめです。
5.資料作成を開始する
以上の内容を準備できた段階で、資料の作成を開始しますが、3で示した資料の表現内容を迅速に実際の資料に反映させるには、慣れが必要です。
そのため、他社のピッチデッキやIR資料の構成を参考にしながら、表現の形式についての大枠を整えておくことで、作成プロセスをスムーズに進めることができます。
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最後に
以上になります。新規事業のアイデアは日々変化していくため、売上を確保できるかどうかもわからない状態で資料化することには、個人的には懸念があります。
ただし、自己資本ではなく所属している会社の資金や投資家・銀行などの外部資本を活用する場合には必要不可欠です。
事業が具体化し売上を上げる段階に至った際には、自己資本または外部資本の有無に関わらず、取引や商談の際に使用できる事業内容の説明資料が必要です。
そのため、本記事で述べたような詳細な情報をもとにした資料作成は、最終的に役立つと考えています。
本日はここまです。カモーン!!