【徹底解説】新規事業開発で失敗しないユーザーヒアリング方法【8,000文字超】
新規事業開発やプロダクト開発において、「ヒアリング」を行う機会がありますが、ヒアリングのやり方をミスって、筋がよくないアイデアに定めたり、筋がよくない課題を選定し、課題を解くための機能が機能ではなくなるプロダクト開発をやってしまうのは、あるあるです。
先日も、売上規模が数億規模の事業責任者と新規事業を進行する中で、対象ユーザーへのヒアリング時に、「解くべき課題が何か」「課題を解く機能が何か」「アイデアへの所感や意見」を聞いているのを目の当たりにして、意外とやり方を知らない人が多いのでは?と思い、新規事業における失敗しないヒアリングの極意として解説していきます。
ユーザーヒアリングとは何か
事業フェーズによってユーザーヒアリングはやり方や目的が変わります。事業フェーズを添付画像の様に3つに分類した場合、本記事で解説するのは、0→1のアイデア立案におけるヒアリングになります。(分類内容は突貫的に作成したのでイメージになります。)
1→10のフェーズと10→100のフェーズと考え方は被るかもしれませんが、あくまで新規事業の立案及び企画時におけるヒアリングにスコープして解説していきます。
ユーザーヒアリングの重要性
ユーザーヒアリングは、アイデア探索期間である0→1の状況では極めて重要になってきます。アイデアの初期段階で重要な要素を分解すると大きく3つで、
ターゲット
課題
ソリューション
なのですが、これらの情報はまさにヒアリングを通じて取得できる第一次情報を元に構築されていきます。
圧倒的なヒアリング談で有名な企業といえば薬局DXの事業を行なっているカケハシ社の中川代表です。創業時のアイデア立案期からインタビューを400名に行ってきたという驚異的なヒアリング量です。
また、スタートアップやメガベンチャーで新規事業責任者を担っている方々にアイデアの失敗事例とそのパターンについて10名程にヒアリングしたところ、共通して失敗しているパターンとして大きく2つのパターンが共通していました。
課題が実在していると思ったが緊急度が高い課題ではなかった
課題は実在するけどお金を払ってくれなかった
ご参考までに添付している画像の、課題が適切かどうかのCPF期、解決策が適切かどうかのPSF期に該当します。
課題の実在性と解決策がお金を払ってまで受け入れられかの検証が、不十分な事業内容は見事に撤退していましたが、事業化できたアイデアは見事に課題と解決策がパズルの様にピッタリはまり、ピッタリはまったアイデアは売れていく現象が必然的に起きるそうです。
その理由には、ウルトラCのような必殺技はなく、ヒアリングを何十回も繰り返せたことでアイデアの理解を深めることをできたことが成功要因とおっしゃていました。
事業の成功にはヒアリングは欠かせず、アイデア立案期において、課題と解決策に関連するヒアリングがいかに重要かを理解頂けましたでしょうか。
アイデア立案時におけるヒアリングの目的は2つ
アイデア立案時のヒアリングの目的は、下記の2つに分類できます。
課題を引き出すため
解決策が受け入れられるかを検証するため
1.課題を引き出すため
課題を引き出すためには、対象顧客の現在状況や事実を聞き出す必要があり、未来を聞き出してはいけません。後に解説しますが、「課題を聞く事」と「課題を引き出す事」を勘違いして、「課題はなんですか?」「○○なこと、課題に感じていませんか?」など、相手に課題が何かを考えさせてしまうのはNGです。
課題を考えるのはインタビュアーの役割です。相手の現状を引き出すことで、筋の良いアイデア(仮説)へとアップデートできるようになります。アップデートに役立つ観点として下記の4つがあります。
事実を深く、
事実を広く、
事実と事実の関連性を理解し、
関連性から新たな仮説を構築する
2.解決策が受け入れられるかを検証するため
続いて先述した解決策が受け入れられるかの検証は、デモ営業と同義と捉えて下さい。解決策の検証時には以下の5つの要素を重点的に聞いていきます。
コンセプト(価値)
何の課題を解くのか(課題)
課題をどのように解くのか(機能)
機能はどのように使えるのか(UX)
機能が何か瞬時で判断できるか(UI)
これらの要素を対象顧客に提案した際に、対象に受け入れられる状態、つまり売れるかどうかの検証を行います。「もう、売るの?」と思うかもしれませんが、この段階で売れなければ、その後も売れることはありません。
これはB2BもB2C全てのビジネスで共通しています。しかし、いきなり売れるかどうかを検証してはいけません。必ず課題ヒアリング時に確認しておくべき論点があります。それは、その課題に発生しているコストを把握する事です。
コストとは、課題を解決するために行動しているアクションに発生する金額,時間,メンタルです。このコストを把握していない状況では、仮にデモ営業で売れても、継続的に売れるかどうかは不確実性が高く、プライシングが適正かどうかの判断も難しくなります。
とはいえ、「課題を解決するためにいくら金額と時間を使っていますか?」の様な質問は、表現がストレートすぎて本当に欲しい情報を引き出す事は難しいです。
本当に欲しい情報とは、仮説課題に対する解決意志の重要度と緊急度を指します。解決をするために渇望しているのか、渇望していたけど熱量が冷めたのかなどを探る必要があります。
そうすると、発生しているコストを緊急度が高いコストと重要度が高いコストに分類できるのですが、具体的な聞き方は以下に記載している内容になります。一文字変えるだけで得られる回答内容内容が全く別物になります。(これがまた文字の面白いところ。笑笑)
何もアクションを起こしていない(意欲なし)
何もアクションを起こせていない(意欲あり)
時間をかけてアクションを起こしている
時間をかけてアクションを起こしたが失敗した
お金をかけるアクションを起こそうとしている
お金をかけてアクションを起こしている
お金をかけてアクションを起こしたが失敗した
お金をかけてアクションを起こしているが不満がある
以上が、ヒアリングを行う目的の内容になります。筋の良いアイデアへと肉付けするために課題を抽出し、課題の解決策が刺さるか検証する、この2つがヒアリングを行う大きな目的になり、これらをクリアできれば、アイデアとして成立すると判断できるわけです。
とはいえ、売れるかどうかは予算枠次第
ヒアリングによって課題を特定でき、解決策もお金を払ってまで利用したいことがわかっても、継続的に売り続けるためには、対象顧客の予算枠をきちんと把握しておくが重要です。
B2B事業であれば、PLの勘定項目としてどの費用で計上されるのか、B2C事業であれば個人のお小遣い予算枠のどの費用になるのか、という観点です。この予算枠が成立していない事業では、単発受注や継続的な支払いが困難になると考えて良いでしょう。
ここで、予算枠をきちんと捉えている友人の事業を紹介します。採用動画のアニメーション制作事業です。
予算枠は採用部の採用活動費として計上される事が多いのですが、人材紹介会社の存在によって、「採用は難しく、お金を払って採用する」と言う、業界の当たり前が形成されている事が多いので、アニメーション動画の制作などは社内の決済を取りやすいです。
また、採用活動の一環として自社で動画制作を行いたい場合は、クオリティ維持に発生するコスト(人員配置、動画の正解を見つけるまでの時間、教育時間)と実写の発注リスク(リテイク)のコストが高くなる事から、アニメーション制作は筋が良いソリューションとして成立しています。
ユーザーヒアリングで失敗するパターンを5つに分解
さてさて、やや前置きが長くなりましたが、ここから本題に入り、失敗するヒアリングパターンを5つに分類し、それぞれ細かく説明していきます。
ヒアリング前(事前準備)
・対象者を分類できていない
ヒアリング対象者の属性を分類できていない場合、誤った対象者にヒアリングを行ってしまう可能性が高いです。属性は2軸で分類することが多く、①年齢や性別などのパーソナリティ情報、②課題の種類になります。
特に後者が重要で、課題に感じているレベルまで整理できると、対象としている市場全体を捉えながら、対象者の理解を深めることができます。
対象者が何に悩んでいて、どのような状況で課題を感じるかの観点で課題を捉えていく必要があります。
・ヒアリングにストーリーがない
ストーリーとは相手にとって回答しやすい適切な流れになります。ヒアリングの内容に違和感はない場合でも、ストーリー(流れ)が不自然なことで、欲しい情報を抽出することが難しくなります。
例えば、旅行の栞を作れるアプリのアイデアがあるとしましょう。いきなりアプリの機能や仕様について聞きませんよね。旅を行う際に何の情報を、どうやって準備して、どれくらい準備しているのかなど旅にまつわる内容を、順序立てて聞くのが定石的です。
インタビュイーも、流れがない状況で回答をすると、突貫的に回答する内容が増えたり、旅を行うときの状況や心情を思い出すまで時間を要したりします。
流れを作ることで、相手の回答を適切な状態で抽出できる可能性が、ぐんっと上がります。
・台本が存在しない
先ほど説明したストーリーの内容を台本として用意する人は少ないです。ですが、この準備次第で、ヒアリング内容の抽出粒度に大きな差が出ます。
ヒアリングに慣れている人で、数百人以上へのヒアリング経験があれば必要ないですが、体感値ですが、100人以上の経験をしていない人は、毎回台本を作成することをお勧めします。
ここまで、ヒアリングの準備に関して書きましたが、ヒアリングは教科書のようなノウハウ通りで上達することは不可能に近いです。
実践を繰り返しながら自分の話し方や聞き方によって回答内容にどのような変化が生じるかなど、経験に基づく野生の勘が強く働きます。
なので、一定量の経験値が必要ですがミスを減らすための型を利用することで、毎回のヒアリングの質を担保することが重要になります。
ヒアリング前(冒頭説明)
それではここから、ヒアリング開始以降の内容について書いていきます。当パートでは、ヒアリングを行う前の、冒頭説明に関しての内容になります。
・滑らかに話せない
限られた時間の中で本題のヒアリングに移るためにも、無駄なくスムーズに進行することは鉄則です。また、対象者への安心感を与えるためにも、慣れた口調でスムーズに進行するようにしましょう。
先ほど触れたヒアリング時のストーリー(流れ)を崩さないためにも、端的に3分程で説明できるようにします。説明するべきポイントは下記になります。
・笑顔で説明できない
至極あたり前ですが、私もインタビュイーの立場になると、笑顔で話せないインタビュアーや、笑いなどが生まれず堅苦しい時間に感じることがあります。
笑いを取る必要はありませんが、ヒアリング行為は尋問行為です。インタビュイーが質問責めをされながら回答に息詰まってしまうと、「早く終わってほしい」「面倒臭い」の感情がインタビュイーに芽生えてしまいます。
そうならないためにも、最低限不快な気持ちにさせないよう、笑顔での説明、ヒアリング及び反応を行うことは鉄則です。
・毎回の説明内容が少し変わっている
ヒアリングに慣れてくると、台本などを活用せずに説明を行う方もいますが、NGです。何故ならば、慣れてるとはいえ、説明内容を思考しながら話すことになり、抜け漏れが生じる可能性があります。
抜け漏れが生じると、当日の流れやインタビュイーへの情報の伝わり方が変わることで、スムーズな進行の少しの妨げになります。
冒頭説明の目的は、インタビィイーに安心してヒアリングに移ってもらう事なので、ミスは起こさないよう、説明内容を読み上げる形式で思考停止で進行するのが良いでしょう。
ヒアリング本題
本項目からは、ヒアリング時の聞く内容に焦点を当てて解説していきます。当内容は新規事業立案時だけに関わらず、プロダクトリリース後やPDMの方々も注意が必要になる内容と思うので、参考にしてみてください。
・意見を聞いてしまう
最も多いあるあるですが「事実ではなく意見」を聞いてしまうのは絶対に絶対にNGです。ヒアリングで聞くべきことは、今の状況を示している事実になります。
「○○と思います」「○○な気がします」はその日の気分で回答内容が変わるので、適切な回答結果になりません。回答内容の全てが「今は○○です。」「○○にしようと考えています」「○○にするために△△を考えています」など、意思と行動が伴った回答結果を得ることが重要です。
事実を聞くことで、何に困っているかや、何で悩んでいるかなどの情報を細かく、深くキャッチできると思います。
・課題の有無を聞いてしまう
事実をヒアリングする中で、ついつい「課題の有無」について聞いてしまうことがあります。これもNGで、大原則として、課題をインタビュイーに考えさせたり、課題の探索をインタビュイーにさせてしまうことは避けましょう。
ヒアリングでは、課題が生じている背景や理由、今の状況(事実)を聞くことで、課題の特定を行うための情報収集を行うことが重要です。
もちろん、課題と課題を解く解決策の特定ができた状況においては、前項でも説明した通り、解決策が受け入れられるかの確証が必要です。そうなると、デモ営業になりますが、当内容については後ほど説明します。
・解決策を考えさせてしまう
前記した内容と類似しますが、解決策への意見を聞いてしまったり、解決策に対する印象を聞くこともNGです。よくあるNG内容は下記の通りです。
「いやいや、そんな初歩的な聞き方をする人は流石に少ないでしょ」と思う人は、耳を澄まして関係者のヒアリングをよく聞いてみてください。意外と下記の現象に直面すると思います。
・事実の背景/目的を聞かない
事実や状況のヒアリングから課題を抽出することはできているけど、そのまま事業チャンスと捉え、理由や背景を深く知らないまま、課題に対する解決策を考えてしまうのも、失敗要因になります。
例えば、旅の栞を2クリックで作成できるアプリのアイデアがあるとします。極端な例ですが、ヒアリング時に旅を失敗したくない課題があることがわかり、課題を解決するために、飲食店の予約ができる機能や、目的地間の移動時間を計算できる機能を盛り込んでも、結果的に誰にも使われなかった、なんてことは至極当たり前です。
B2Cだけに関わらず、B2Bであれば、特定の業務に対する課題を解決できていない状況では、解決されていない理由を知らぬまま、ソリューションを考えても、筋が良いソリューションにはなりません。
解決できていない理由をざっと考えられるだけでも、下記のように様々なパターンがあります。これらを知らぬままプロダクト開発を行っていれば、何の意味も持たないプロダクトになってしまいます。
ヒアリングの仕方
さてさて、質問をする際の聞き方にも注意が必要ですが、具体的な聞き方で失敗するやり方は、下記の2つでしょう。
・1問1答を行ってしまう
事前に質問リストを作成して、その内容を一問一答形式で聞いてしまうことは少なくありません。ヒアリングの前半部分は自然な流れでできていても、気がついたら一問一答形式になっている状況は、よくあります。
インタビュイーが一問一答形式に慣れてしまうと、「質問された内容のことだけ話せば良い」というバイアスが形成されてしまうので、深い内容をなかなか喋ってくれない現象に陥ります。
なので、このような状況にならないために、台本でヒアリングのストーリー(流れ)を準備することが大切です。
・相手に思考させてしまう
これまで説明してきた「課題を考えさせる」「解決策を考えさせる」内容と重複になるので割愛しますが、とにかく相手に思考をさせてはいけません。
思考をさせるということは、客観的要素より主観的要素が強く働き、インタビュイーの個人意見にしかなりません。
課題の特定や課題の解き方を考える事は、新規事業立案者の仕事なので、限られた情報からコナン君になったつもりで謎解きを行いましょう。
ヒアリング後
最後に、ヒアリングを終了した後にやってしまいがちな失敗例を紹介していきます。
・記録しただけで終わってしまう
ヒアリングで抽出した情報を整理するだけでは前に進めません。抽出した各情報の関連性を、相関関係、因果関係、前提の有無、前提の関係性、条件有無など、様々な切り口で情報を推察していきます。
推察のトレーニングに役にたつ書籍は、「推論の技術」、隠れた前提の整理や定性情報の分析手法については、下記の記事が非常に参考になりますので、読んでみてください。
・新たな仮説が出てこない
ヒアリングを行った後に、新たな仮説が出てこない状況はヒアリングを完全に失敗しているか、得られた情報から推察をする思考鍛錬が足りないかのどちらかです。
前者の場合は、想定通りの解答を抽出できたと捉えることができますが、ヒアリングは想定外の情報を抽出できる絶好の機会なので、ヒアリングの進行方法やヒアリング内容の設計を修正する必要があるでしょう。
・仲良くなれず次に繋げられない
最後はインタビィイーと仲良くなれず、次の機会を逃してしまうことも、あるあるです。
そもそもヒアリングさせてもらえる時点で、自分に期待を抱いてくれている可能性が高く、事業案の正式リリース時の初期顧客になる可能性があります。
また、仲良くなれば改めてヒアリングすることも可能ですし、もしかしたら業界関係者の方を紹介していただけるかもしれません。
私が特定産業向けの業務効率化プロダクトを開発していた際に、複数人にヒアリングを行い数名と仲良くさせて頂きました。
その後、当業界で認知度がある協会の理事や当業界への営業経験者などを紹介して頂き、初期顧客の開拓時には幾分助けられました。
全員と仲良くなることは難しいですが、筋が良い解答をしてくれる方や顔が広そうな方とは積極的に情報交換をしながら交流をしておくと、後で助けられると感じる時が来るでしょう。
ヒアリング前後に準備するべきアウトプット内容
こちらの章が最後になりますが、ヒアリング前に準備をするべきドキュメントを紹介していきます。
ユーザー分類書
まず初めに、ヒアリング対象者の属性を分類します。冒頭で、「ヒアリング時の属性分類の必要性」について記載しましたが、対象者を分類することで理解度が深まりますし、インタビューする人を間違えることがなくなります。
聞くべき人に聞けていない状況はよくある現象なので、事前にきちんと対象者の情報を分類しておきましょう。
C向けの事業であれば検索KW別にユーザーの仮説課題を分類しておくと良いでしょう。
ヒアリング項目書
ユーザー属性の分類ができたら、ヒアリング項目を作成していきます。
ヒアリング項目は課題と解決策の2軸に分類して、各事実の情報に対して4W1Hで項目を作成していきます。
4W1Hになるので5W1Hの「W」の要素を一つ抜いているのですが、「Why」の要素を抜いて考えます。
ここで先述した課題の理由を聞くことと相反しているのではないかと思いますが、聞き方として「Why」の要素を抜くようにします。
直接的に「なぜ○○ですか?」と聞いてしまうと、ロジックを組み立てて綺麗に解答しなければいけないというバイアスが形成される可能性があります。
なので、直接的な聞き方を避ける意味で5W1Hの「Why」を外してヒアリング項目を作成するようにします。下記がヒアリング項目の例になります。
<ヒアリング項目の具体例>
分類
基本情報
業界構造
関係者(部署,チーム構成,意思決定者,)
課題(アイデアに関連する事実)
何を行っているか
プロセス/フロー
フロー別意思決定内容と要素
時間が最も発生していることはあるか
発生しないのはなぜか
時間が最も発生していることは何か
発生する状況
時間
頻度
理由
関係者が複数存在する
関係者とすぐに連絡が取れない
…
ヒアリングの流れがわかる台本
ヒアリング項目を作成できたら、ヒアリングの台本を作成していきます。ヒアリングの台本は固定化する部分と変動する部分の二要素に分解して設計すると、マニュアルとしても活用できます。
■固定化する目的
・齟齬なく、無駄な情報を与えないため
・限定された時間を最大限に活用するため
・スムーズに行うことで相手への信頼を担保するため
■変動化する部分
・ヒアリング項目にて作成
以下の記事は、既にサービスインしているサービスにおけるUXリサーチの具体的なやり方が記載されていますが、当記事の中にインタビューシナリオの設計方法について書かれているので参考にしてみてください。
ヒアリング前後のアウトプット時に役に立つフレームワーク
最後に、ヒアリング後の情報整理やアウトプットに役に立つフレームワークを紹介します。
フレームワークのメリットは散乱した情報を集約することができ、情報の分布を行えることと考えます。
また、社内やメンバーへの進捗報告や議論のたたき内容になるので、後に役立つ時が多く、時間をかけてでも初期段階で作成をして随時アップデートできる状態にしておくことが大切です。
<おすすめフレームワーク>
・カスタマージャーニー
・フローチャート
・作業/工数管理シート
各フレームワークの使い方は、釈迦に説法かと思うので解説は割愛させていただきますが、作業/工数管理シートだけ独自のものになるので写真で紹介させて頂きます。
最後に
新規事業にとってユーザーヒアリングは非常に重要ですが、体系的なやり方を学ぶ機会がないです。
しかし、新規事業における全ての情報はヒアリングから始まり、ほとんどのプロダクトはヒアリングで得た情報を元に機能や仕様の設計がされています。
ヒアリングのスキルは可視化されず、経験ベースの属人性が強く働く能力だと思うので、自身の新規事業開発の経験を元に整理してみました。
ヒアリングした情報を推論する際に使う思考テクニックや情報の捉え方など、まだまだ語るべき内容が多いですが、大きく失敗ない「型」に沿って進行することで、大事故を避けながら、ユーザー理解を深められると思います。
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