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自己暗示で小説家になった話
今回は、デビュー2年目作家がデビューする前までの、モチベーション維持と、心の持ちようについて、デビューするまでの自分のことを、まとめてました!(自己暗示ってめっちゃ怪しい見出しだから、一応弁明です!)
小説でデビューを目指していると、メンタルが病みやすいと、よく言われています。病みそうなときに、どうやって、モチベーションを上げたのか。心が折れそうになったとき、自分はどうしていたかをまとめてみました!
自分のあり方を変えると、夢が叶う気がする
自己暗示かけまくったとか、そういう見出しにすると、「怪しそう」って言われそうですが、そういう怪しい話するわけではありません。
(この一文すら、胡散臭く感じてしまいますが、もういいや笑)
だけど、これは僕にとっては、今、振り返ってみると事実だなって思っています。ここで言いたいのは、なりきることで、自然に準備ができていたかもって話です。
『なりきる』ことを、『自己暗示』って、あえて表現しました笑
自己暗示って表現をしましたが、もしかすると、夢や目標に近づけるためには、『決意して』、『自分のあり方を変えてみる』っていう、マインドセットが大事なのかもって話です。
作家を目指すと、病みやすいらしい
それを自分の例を紹介しながら、ちょっとだけ考えていきたいと思います。
そもそも、作家を目指す人って、よく病みやすいって聞きますよね。
外に出ないで日の光に当たらず、セロトニンが不足するからだとか、運動しないからだとか、孤独を感じやすいからだとか、いろいろ言われています。
ただ、僕の場合、頓服飲むくらいのうつ病で、病んでいる状態から小説家を目指し始めました。(どれくらいかと言うと、あまり大っぴらに話せないレベルで、身体を起こせず、動くのがやっとのレベルでした)
デビューを目指し、長編小説を書き始めたのは、28歳の終盤、20年の秋くらいからでした。そこから、数ヶ月かけて、21年3月末に、4万5千字の小説を完成させました。これまで多くても3万字程度の小説しか書いたことがなかった自分が、初めて5万字近い文章を書けたことは自分のなかでものすごく大きな出来事でした。
5年経った今、いろんな人に支えてもらい、今は病院に行っていません。それくらい、しっかりと治りました。そして、本も数冊だすことができました。
元々、病んでいる状態で、具合悪くても半ば気合を入れて、書き続けることをしていました。
なので、書くこと自体で、病むってことはなかったですが(どちらかというと、書き続けたおかげで、治療された感じです)、書き続けたことに対しての結果が目に見えるまで、焦る気持ちがあったり、虚しく思ったり、どうして、落選するんだろうと、つらかったりはしました。
公募の結果を待っている間、独特の憂鬱感は、すっきりしない感じで嫌なものです。
最初の頃は、結果を待って、その結果がわかったあとに、次はどうしようかと、考えていました。ただ、それって不毛なことだよなって、思ってから、次の作品を作り続けるのが大切だと気持ちを入れ替えました。そして、1ヶ月に2~4本作品を量産するようにしました。
頓服うつ病アラサーだからこそ、思い込むことにした
今は、すっかり治ってしまい、薬もまったく飲んでいませんが、作家になりたいと思い始めた当時は、頓服を服用する寝たきりのうつ病アラサーでした。
一日に起きて、活動できる時間は、1~3時間くらいしかありませんでした。それ以外の時間は、基本、寝たきりです。例えると、限界ギリギリまで飲んで、酔っ払った頭なのに、楽しい感情がまったくなく、ぼーっとしていて、なにも情報が入ってこない感じです。ここまで来ると、もう悲しさとか、そういう気持ちにもなりません。虚無です。
インフルで起き上がれないくらい身体が重く、横になっていても、基本しんどいです。
寝たきりだからといっても、頭が全く使い物にならないため、スマホも、読書もまともにできませんでした。
1年くらい、本も読めませんでしたし、YouTubeや、テレビ番組の内容すら頭に入ってきませんでした。なので、なにで笑っているのか、まったくわからないって感じがしばらく続いていました。人混みに行ったら、立っていられなくなるほど、必ず具合悪くなるので、買い物すら苦痛でした。もちろん遊びに行くこともできません。
そんな状態のときに、「作家になろう」って、ある日、思いました。
小説を書き始めるのと合わせて、まずは気持ちをプロ作家に持っていこうと思い、自分に「プロ作家」だと、自己暗示をかけることにしました。
寝る前には必ず、「プロ作家になった」と思い込み寝て、起きている間も、「プロ作家だ」と思い込むことにしました。
病は気からの逆をやるイメージです笑
それをやり続けて、数ヶ月して、急性期が抜け、どん底の状態のときよりも、よくなり、少しずつ文字が読めるようになってきました。
過去形や、断定にしたのは、「〇〇になる」と言っていると、なんだか、ずっと、たどり着けないところへ走り続けるような気がしたからです。
なので、「作家になった」と「作家だ」と、まだ何もなっていないのに、自分をそういう人間だと思い込むようにしました。
まだ、8万字や10万字の長編小説を書いたことがないときからです笑
頭おかしいんじゃない?って思われるかもしれませんが、それを本気で思い続けることで、自分が小説を書くときの姿勢が変わったと思います。
どういう話を書けば、多くの方に受け入れられるのかというところを意識したり、まだ、小説を上手く書けなかった頃、ハリウッド脚本術をはじめ、小説の書き方の本をかなりの冊数を真剣に読みました。手元に持っているだけで20冊くらいあります。手に入らず、絶版になっているものなどは図書館で借りて読みました。
最初のころは、1冊の本を読むのに、2ヶ月くらいかかりました。
1~2年かけて、徐々に本も読めるようなってきました。1年過ぎたあたりから、一気にインプットした感じでした。
なので、自分の場合、本気の本気になるために、「自分には小説家になる以外、もうあとがない」という意識と「自分は作家だ!」という強い思い込みをして、できるだけ、理想が現実に近づくための原動力になったと、今では思います。
どれくらい思い込もうとしてたかと言うと、なにかのアンケートを書くときがあって(街頭のキャンペーンだったと思います)、職業欄の「自営業」のところを迷わず丸で囲っていたりしました笑
今、考えても、めっちゃヤバいやつです笑
公募は打っても、かすらないのが燃え尽き症候群に繋がるような気がする
小説の新人賞は、フィードバックがあまり受けられないため、なかなかメンタル、モチベーションを維持するのが大変なように思います。
自分がそう思うのは、元々、福祉系の仕事で相談員をしていた時期もあり、メンタルケアや、心理学についてちょこっと知識があるからかもしれません。
おそらく、小説の公募は、バーンアウト(燃え尽き)症候群になりやすい環境だと思います。結果として目に見えるのは、1、2次、最終選考通過したときに、自分の名前と作品名が乗るだけです。(最近だと講評をもらえる賞も増えましたが、今でも、名前と作品名だけのところが多いように思います)
個人にフィードバックがあると、改善点がわかり、次に目指す場所がわかります。これは目標達成において、大切な要素のひとつです。最終選考での講評がありますが、最終選考までいかないと、フィードバックが受けることができません。
なので、自分もデビュー前、モチベーションを維持するのがやっぱり大変でした。
また、こういう文芸公募系の情報のなかには、「1次選考に通らない作品は小説になっていない」とか強い口調で主張されているものも多く、そうした強い言葉を摂取した結果、バイアスがかかってしまい、「自分はダメなものを書いたんだ」って自己肯定感がものすごく下がってしまいます。
自分も最初は、そういう強い言葉に踊らされて、「小説にすらなってないんだ……」って、1次選考で落ちるたびに思っていました。
だけど、あるときから、こういう強い言葉にはまったく意味がないということに気が付きました。
なので、自分のモチベーションを下げる、そういう強く、ネガティブな言葉は基本無視しようと決めました。
もし、まわりに「そんなの無理だよ」とか、「小説家になれるわけないじゃん」とか、「カテゴリーエラーだよ」とか、「つまらない」とか言われても、無視したほうがいいと思います。
たぶん、「小説家になる」と宣言すると、誰でも、人から笑われる経験をすると思います。そういうまわりからの反応も、ときには毒になると思います。
僕は、体調が悪くなってから、ストレスを極力作らないようにするために、仕事、家族以外の人間関係は、ある時期から、持つのを辞めました。友達とも、もう何年も連絡を取っていません。ある程度、孤独を選んでいたおかげか、そうした毒を受けることは、ありませんでした。
もし、そういうこと言われたら、傷つかずに「手のひら返ししたら、笑ってやる」くらいに思うくらいがメンタル的にいいように思います。
否定的なことを言う人たちは、ドリームキラーと呼ばれています。
そうした人たちの意見に流されないようにするのも大切なことかなと個人的には思います。
こうした、燃え尽き症候群にならないようにするためには、自分を強く持つ必要があるのかなって思っています。
結局、自分を信じる力がないと、デビューしたあとも、迷い続けてしまう気がするので、デビュー前から、こうしたことに気が付き、意識できたのは、今、振り返っても自分にとってはプラスになったと思っています!
ものすごく個人的な、モチベの上げ方
モチベの上げ方は、その人ごとに違うと思いますが、作品ができるたびに、自分にちょっとしたご褒美を与えています。新人賞に応募していたときは、落選したときも、ねぎらいを込めて、ご褒美を与えていました笑
自分に優しくしないと、次への活力がでないような気がして、そうしていました。ご褒美と言っても、ジュースとか、お菓子とか、ちょっとした外食とか、そのくらいの感じです。
今でも、書籍化作業のなかで一つの山場を越えたら、ウィルキンソンの辛口ジンジャエールを飲んだりしています笑
元々、飽き性な性格なので、デビュー前、公募と小説投稿サイトノベマ!にコンテストと関係ない小説をコンスタントにアップしていたとき「いつか、気持ちが折れてしまいそうだな」ってたまに頭をよぎりました。
そのたびに、「間違った。プロ作家だった。プロ作家ならそんなこと思わない」とか言って、気持ちが折れないようにしていました。
なので、今、作家になっていない自分の状態を無視して、「もう作家だ」と思い込むことも自分のなかで、自然とモチベに繋がっていたのかなって思っています。そういう面でも、なりたい自分になりきるって、大切なことなのかなって思います。
あとは、新人賞で落選しても、1日中、常に小説のことだけを考え続けていたのも、よかったかなって思います。
デビューする前、何をしていても、頭の片隅では常に小説のことを考え続けて、気になったことがあれば、小説の書き方の本で、その部分について確認して、実際に作品を書いて、それを反映させるということをやっていました。
作品を書いているなかで疑問が出てきたら、類似作品を書店に見に行き、その本を買い、展開をどうすればいいかというのも、検討しました。
このあたりは、もう、思い込みとか、自己暗示とか、全然関係ないところになってきますが、「プロ作家だから、1日中、小説のことを考えて当たり前じゃん」とか、「市場調査はプロ作家だから当然やるじゃん」と、自分に言い聞かせて、それらをしていました。
実際、本を出したあと、確かに書店に行き、市場調査をしますし、書籍化作業期間中は何ヶ月もその作品のことしか、考えていませんので、その思い込みは、今、考えてもあっていたように思います。
体調も戻ってきたタイミングで
さて、話を自己暗示に戻します!
そんな感じで自己暗示を2年くらい続けました。
22年の夏頃、プロテインとビタミン剤を意識的に飲むようになったのをきっかけに急激に体調がよくなりました。(自分の場合、たんぱく質が極度に不足していたようです)
体調がよくなったのもあり、22年は、13本くらい小説を書きました。
22年の後半からは毎週1~2本は短編を必ず書き上げることにし、無理やり、小説を量産する意識付けをしました。また、Xで発信している詩も、この期間はより気合を入れて、毎日1~2本更新をしました。
そして、23年3月、webからの拾い上げという形で、デビューすることになりました。このお話いただいたのは22年の終盤でしたので、「自分は作家だ」と思い込みをしてから、大体、2年くらいで現実になりました。
このデビューは短編小説をアンソロジーに収録していただく形でのデビューでした。この11ヶ月後の、24年2月に単独名義の本も出すことができました。
デビュー後のことはこちらにまとめています。
余談ですが、自分がうつ病を脱することができたのは、オーソモレキュラーという栄養学を知ったからでした。
独学で栄養学のことを調べ、精神科で薬が効いているかの濃度を測るために毎月受けていた血液検査の結果と、その栄養学の要素を見て、自分の身体がとてつもなく、たんぱく代謝が低いことに気が付きました。
そこから、5グラムのプロテインを飲むことと、海外輸入の高用量ビタミンB群と、ビタミンEのサプリを飲み始め、今では薬をまったく飲まない生活になりました。日本のドラッグストアで市販されているサプリでは容量が少なすぎるみたいです。(たまに調子悪いと漢方薬を飲むことはありますが、それもたまにしか飲みません)
病まないためには、前を向き続けることが大事だと思う
なので、病まないためには、前を向き続けることが大事なのかなって、僕は思います。
目標に向かって、マインドセットするって本当に大切なことだと思います。
書き続けたり、何作も作品を作り上げるということも、もちろん大切ですが、どこに向かって、書き続けるのかというのがとても大事だと思います。
よく、「小説家はなるより、あり続ける方が難しい」とか言われていますが、これも自分のなかでは、無視しています笑
難しいと思うから、難しく思うんじゃないですか? ってくらいな気持ちで、とにかく多くの人たちに楽しんでもらえる作品を書いていこうって、デビューして駆け出しの今は、そうマインドセットしています。
結局、気持ちで負けてしまうと、続かなくなると思うので、強い気持ちを持ち続けなければ!って考えています。
なので、気持ちが折れない方法として、こんなやり方もあるんだ!ってくらい軽い感じで、今回の話を受け止めていただけたら嬉しいです!
最後に、ちょっとだけ、ここ最近の話にこっそり触れたいと思います。
この一週間、Xの炎上がうるさくて、Xの更新も、noteの更新も止めていました。
自分がメインにしているジャンルが、Xでトレンドワードになってしまい、数日間、炎上していました。なので、個人的な対策としては、嵐がおさまるまでは、何も語らない、X、文章で発信しないことを決めました。
この影響で、話題が飛び火しそうだったnoteの記事1つを非公開にし、いくつかの記事に修正をしたりと、そんなことをやっていました。(その裏で、YouTubeショートとインスタリールで動画をアップし、プチバズをしたりもしましたが、その話は月末にまとめたいと思います)
いろいろと思うところはありますが、めげずに、気を取り直して、再び更新していこうと思います!
ここまで読んでいただきありがとうございました!
これからもよろしくお願いします!
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